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HIV陽性者のスピーカー活動について

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

HIV陽性者のスピーカー活動について

今回は『HIV陽性者によるスピーカー活動』について取り上げます。
HIV感染症は、HIVウィルスが原因で、免疫機能をになう細胞が壊され、免疫力がゆっくりと低下する病気です。
このHIVに関する活動については、このコーナーでもたくさん取り上げてきましたが、今回は、HIVの陽性者が、自ら人前でHIVについて講演するというものです。

詳しい活動内容をNPO法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスの代表
高久陽介さんに聞きました。

高久陽介さん
「HIVの陽性者に研修を受けてもらって、スピーカー活動というものを行っています。これは平たくいうと講演会なんですが、医療職とか医学生とか、一般の学生、企業。本人を目の前にしてどこにでもいそうな人がHIVだったりすることがあるという事を感じてもらえればと思ってスピーカー活動をやっていますね。」

講演の内容は、話す相手によって様々ですが、ジャンププラスがスピーカー活動を始めたきっかけは、HIV陽性者に対する偏見や間違った知識などの正し、さらに目の前にいるHIV陽性者本人の口から話すことで自分たちの身近にもHIVの感染者はいるという思いを持って欲しいということが狙いです。
その上で、例えば、医療従事者には、HIVの陽性者が病院以外のところでどんな生活を送っているのかという話をしたり、一般の企業で働いている人に向けては、HIVの陽性者とどのように接すればいいのか、などの話をHIV陽性者本人が行います。

このスピーカー活動は2006年から本格的に始まり、今では全国で年間およそ40講演を行っているんですが、HIV検査で陽性と診断された人がただ、人前で話をするのではなくて、研修制度というものを導入して、研修に合格した人が講演を行っているということなんです。

研修制度というのは、どんなものなのか?再び高久さん伺いました。

高久陽介さん
「HIV陽性の人たちが10人から20人くらい集まって研修をするが、その人たち同士で何が自分たちが共通していて何が違うのかを話し合ってもらったりとか、HIVの人たちがどういう問題を抱えているのか、バックグラウンドを埋めてもらうようにしている。
社会活動としてやっているので、ほかの陽性者のいろんなバックグラウンドを抱えているなかで、私たちというのを代表して話しているかのようにどうしても聞こえてしまうので、研修は必ず受けてもらっています。」

講演では、自ら体験した話などももちろん話すんですが、なかなかHIVの陽性者の人の話を聴く機会のない人たちにとっては、講演した人の話が全てというような受け取られ方をすることも少なくないそうなんです。
そのため、自分以外の人がどんなことで悩んでいるのか、HIVの人たちが現在抱えている問題などを研修で学んでもらい、講演に立ってもらっているんです。
これまで20人くらいの人が研修に合格して、現在は、全国で10人ほどの男性がスピーカーとして活動しているそうなんです。

ただ、HIVの陽性者だということを人前で明かし、講演するというのはそう簡単なものではないと思います。
どのような思いで講演しているのか?スピーカー活動をされている方のひとり、佐藤郁夫さんに伺いました。

佐藤郁夫さん
「誰にも言いにくいという病気になっていることで、HIVが知られるということが恐怖で病院にかかれないという人もいたりするので、それをなんとかしなければいけないという思いが強かった。
でも、そのことで僕自身の生きる力というもを返してもらっているんですよね。」

10年ほど前からスピーカー活動を行い、これまでに30回くらいの講演を行ってきた佐藤さんは最初に講演に立って以来、HIVの正しい理解を広く知ってもらおうと活動しています。
それと同時にスピーカー活動を通して、人に話を聞いてもらいHIVの理解が広まることで、自分の存在を受け入れられた気持ちになり、結果として生きる力をもらっているということなんです。 佐藤さんは「HIVに感染したくなかった」という言葉を、講演に立つ前まで、誰にも話してなかったそうなんです。
ただ、講演に向けた研修や、実際に講演に立って人前で話すことで、「自分はHIVに感染したくなかった」という本当の思いを他の人に聞いてもらうことで、
自分のなかで、本当の意味で病気を心で受け止めることができたそうなんです。

そんな思いでスピーカー活動を行っている佐藤さんは、これからもスピーカー活動は続けていきたいと話していましたが、最後にこんな目標を話してくれました。

佐藤郁夫さん
「スピーカー活動することは、いま社会との隔たりがあるから スピーカー活動しているわけであって、だれもがHIVと言われても『そうなんだ〜体調はどうなの?』 『うん、なんとか薬飲んでるから大丈夫だよ』みたいな日常会話ができるようになれば、スピーカーは特に必要ない。
スピーカーが増えてほしいかというと、もう少し増えていいと思うが、いずれは無くなるといのが、目標だと思いますね。」

まだまだ広がっていないHIVへの理解は、今後も広げていきたいということで、
スピーカー活動は今後も続けていきたいと話していたんですが、
活動をしなくてもいいような社会になっていって欲しいと話していました。

担当:清水栄志

<関連情報・お問い合わせ先>
特定非営利活動法人 日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス
電話:03-5937-4040