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国籍も宗教も超えた、路上生活者の支援

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・国籍も宗教も超えた、路上生活者の支援

東京・池袋周辺で活動するNPO法人「TENOHASI」(てのはし)は月2回の土曜日、東池袋中央公園で炊き出しを行なっています。8月の8日は、毎年恒例の「夏祭り」でした。
「夏祭り」はこの1年間に池袋の路上で亡くなった方を悼む「慰霊祭」を軸に開かれます。

この日はまず、暑い夏を乗り越えてもらおうと、お昼に「そうめん」を提供した後、公園の隅に簡素な祭壇がしつらえられ、キリスト教式と仏教式で行なわれました。慰霊祭は、「TENOHASI」と協力する国際NGO「世界の医療団」の中村あずささんの言葉から始まりました。中村さんは「名前が分からない方、ご家族がいなかったり、連絡がとれなかったり、見送る方がいない方も多くいらっしゃいますので、お祈りを捧げていただきます。今年は私たちの知る範囲で3名の方が亡くなられました。思いを寄せていただければ、と思います」とあいさつしました。

第一部がキリスト教式、第二部が仏式で、牧師さんが祈り、説教を行い、みんなで賛美歌を歌いました。「ふるさと」を歌いながら、第二部に入り、五つの宗派のお坊さんが読経し、念仏などそれぞれの言葉を唱え、供養としました。
亡くなった方と支援で関わりがあった「tenohasi」のスタッフが想い出を語りました。

慰霊祭が終わると、「カキ氷」が出されました。かき氷のテントには「イードおめでとう!」の文字が書かれています。イードとは、イスラーム教のラマダーン、「断食を行なう時期」が明けたお祝いのお祭です。
カキ氷を提供したのは同じ豊島区内の「マスジド大塚」(大塚モスク)に通うパキスタンやビルマ、インドネシアにナイジェリアと様々な国の人が手伝いに来ていました。
イスラーム教のお祭は豊かな人も貧しい人も共に喜びをわかちあい、ご飯もみんなで食べる場。そういうお祭の時に合わせて、「TENOHASI」の炊き出しに参加しているんです。

その横では医療相談や生活相談も始まっていました。炊き出しはただおなかを満たすだけでなく、来てもらって相談に乗ることで、生活保護の申請やその後のサポート、自立支援事業への申請、医療支援などにつなげる役割もあるんです。

そして夕方。「tenohasi」のスタッフが炊いたご飯に、 「大塚モスク」がカレーを提供しました。この日は200人ぐらいが行列を作って待っていました。「おいしいけど、辛い。でも夏にはいいね」という声があちこちからあがっていました。

「TENOHASI」は少数の常勤スタッフを除けば、ほとんどボランティア。様々な職業、年代の方がいますし、路上生活から脱した元当事者も加わっています。この日は90人近いスタッフとボランティアが動きました。

一日が終わると、「大塚モスク」を運営する日本イスラーム文化センター会長のアキール・シディキさんが、「私たちは、人のために何かできないかということで、自分が食べて、人が食べられないという状況を見たくないから、できるだけ、ホームレス支援を続けてゆきたいと思っています。きょうはたくさんの人が、人のために働きたいという声を聴いて、ほんとうにうれしいです」とあいさつしました。
また、「TENOHASI」事務局長の清野賢司さんがボランティアの前で「毎回の炊き出しは、初めての方と、何回も来ている方とモスクの方と、いろんな方がいる。きょうも慰霊祭で、教会の方、仏教、何宗派もありましたかね。なおかつ、最後に三大宗教そろい踏み。ものすごく、国際色豊かな、ローカルな活動になってますよね。今日が皆さんのおかげでできたことで。また機会がありましたら、一緒にやりましょう」と呼びかけました。

社会がグローバル化しているといわれますが、池袋という「地域」で、様々な垣根を越えた協力を見ることができました。

「TENOHASI」のボランティアは誰でも、いつでも参加できるので、詳しくはホームページを見てください。

<関連情報・お問い合わせ先>
・NPO法人「TENOHASI」(てのはし)
http://tenohasi.org/
・日本イスラーム文化センター/マスジド大塚(モスク)
http://www.islam.or.jp/