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LGBT就活~性的少数者に職業選択の自由を~

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・LGBT就活~性的少数者に職業選択の自由を~

今日は、LGBTの方が就職活動の際に直面する困難について
TBSラジオの中村友美ディレクターが取材しました。

LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、性同一性障害などのトランスジェンダーといった、性的少数派の方々を指しますが、就活の現場において、LGBTへの配慮が足りていない場面も多く自由に職業の選択ができない現状もあるといいます。
トランスジェンダーの中島潤さんは、体の性は女性ですが、就活は男性として行いました。その時に困ったことを聞きました。

中島潤さん
『やっぱり一番困ったのは履歴書とスーツですね。
 学校指定の履歴書で出してくださいと言われる企業が
 多いんですけど、うちの学校指定の履歴書は性別欄があったので
 そこにどういう性別で埋めるかと言う問題が1つと、
 男女どちらのスーツで就活をするのか。おそらく他の就活生で
 あれば悩まなくていいことで、スタート地点で
 悩まなきゃいけないことが増えちゃってたというところは
 ありますかね。』

性的少数者と職場の問題に関する情報発信を行う、「NPO法人虹色ダイバーシティ」によるアンケート調査結果を見ると、就職活動において困難を覚える方はレズビアン・ゲイ・バイセクシャルの40%、トランスジェンダーではおよそ70%という結果が出ています。
その困難とは、履歴書やスーツ、化粧をどうするかなど、職種や企業を選択する以前の問題もありますし、エントリーした企業から差別的な対応を受けるケースも含まれます。
LGBTの就活生を支援するプロジェクト「LGBT就活」を行うNPO法人ReBitの代表理事で、ご自身もトランスジェンダーの藥師実芳さんのお話です。

藥師実芳さん
『例えば私が経験したことで、30分の面接で伺ったんですけれども
 「性同一性障害の子なのであればもう帰ってください」と言って
 開始早々2~3分で打ち切られて帰されたことがあるんですね。
 また「あなたの体ってどうなってるんですか?
 子供は産めるんですか?」って聞かれたことがありました。
 体のことを聞くのってすごくセクハラだなぁと思うんですが、
 全ての会社ではもちろん無いんですけれどもそれがいつあるか
 分からないということですごく不安に思うという子達が
 多いのかなと思います』

他にも、会社説明会で人事担当者に自身のセクシャリティを説明すると「うちは前例がないので」と断る企業もあったそうでつまりLGBTであることを明らかにすると就活に不利になってしまう現状があるということです。
中には、「LGBTに対する差別はしない」と会社の倫理規定で明文化している企業や、LGBT向けの説明会を行うなどLGBTの方の受け入れ態勢が整っている企業もありますが、まだまだ少ないというのが現状です。
またLGBTの就活生への理解が求められるのは企業だけではありません。トランスジェンダーの中島さんのエピソードです。

中島潤さん
『いわゆる世の中の就活支援サービスは使ったことがないですね。
大学にキャリア支援センターがあったんですけど、
そのキャリア支援センターが出している過去の就活状況の統計が
見事に男女に分かれていて、就活体験談というのも・・・
そういう分け方をされている中で、自分の状況も話して
相談に乗ってもらうというのはちょっと難しいかなと
最初から諦めてしまっていた。頼ろうと思わなかった。
だから自分は自分で悩んで、たまにグチを友人に聞いてもらって
一人で就活したなという感じですね』

LGBTの方は、学校のキャリア支援も受けづらいという現状があり、このような状況を変えるために「LGBT就活」の薬師さんは国内すべての大学のキャリアセンターに、LGBTの資料を提供したりLGBTの就活生に特化したキャリアセンターの開設に向けても動いているといいます。
こういった取組によって、LGBTの方が働きやすい社会に変わっていくことが期待されますが、一方でトランスジェンダーの中島さんはLGBTの社会人としてできる支援をしたいとおっしゃっています。

中島潤さん
『少なくとももう少し、LGBTの大人で、働いている人の姿が
 若い世代に見えるようになったらいいのにと思ってるんです
 まだまだ正直カミングアウトして働くというのは難しい状況では
 あると思うんですけど、私は自分がカミングアウトして
 働き続けること。その姿を通して、LGBTの人でも
 そんなの関係なく社会とつながれるんだな、
 人として認めてもらえるんだなという姿を、
 今の若い世代に見せられたらいいかなと思ってます』

中島さん自身も、高校生の頃までは社会に出て働く具体的なイメージが持てなかったそうですが、一般企業で働くLGBTの大人に出会ったことで、就活をする決心ができたといいます。

LGBTであることを明らかにしても就職に不利にならないよう企業の受け入れ態勢などが変わっていくことでLGBTの方が職業を自由に選べる社会になることを期待します。

担当:中村友美

<関連情報・お問い合わせ先>
LGBT就活
http://www.lgbtcareer.org/