お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ
  • 音声あり

寒い冬。寒さで自然に張った氷には、絶対に乗ってはダメ!

森本毅郎 スタンバイ!

この週末、関東では雪が降るなど、冷え込んできていますが、先日、埼玉県の飯能市で、ゴルフ場の池に張った氷の上に乗った5~6人の男子高校生が、氷が割れて全員水中に落ちて、1人が亡くなってしまう、という事故がありました。氷の上に乗る、というとワカサギ釣りなどもありますし、今回たまたま助かった人もいましたが、今日は、池の氷というのは、実はかなり危険なのだ、というお話です。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日1月25日(月)は、『寒い冬。寒さで自然に張った氷には、絶対に乗ってはダメ!』というテーマで取材しました。

 

近堂かおりの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210125074145

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★自然界の氷は欠陥がある!

どうして危険なのか。水難学会会長の斎藤秀俊さんにお話を伺いました。まずは理由① 自然界の氷は欠陥があるから。

斎藤秀俊さん
「目で見えるひび割れとか亀裂とか、あるいは虫の死骸が氷の中に入っていたりするんですけども、そういう所も割れやすい所なんですね。ですから、そこに力が加わっただけでも割れ始めるということで、自然の氷は、ほんとにそういう割れるキッカケがたくさんあるんですね。一歩目も二歩目も三歩目も大丈夫だったけれども、四歩目が大丈夫かどうかなんていうのは、誰も分からない、そういうことですよね。ワカサギ釣りの釣り場ですよっていう所は、ちゃんと管理する人がいて、今日の氷はここからここまで大丈夫だとチェックしている訳です。そういう釣りをする場所の湖と、誰も管理してない池とは全然違うということで。自然に張った氷の上には絶対に乗ってはいけないと、覚えていただくのが一番いいかと思います。」

実験では、体重68キロくらいの人は、氷の厚さは2・5センチくらいあればもつ、というデータもあります。事故のあった池の氷の厚みは約4・5センチ。充分な厚さに感じますが、それは違う。自然界の氷は割れるキッカケを多く含んでいる氷なので、そのあたりのことを勘案して、人が乗る場合5センチ以上の厚さが必要、とされています。

透明で、中に気泡も無い氷は、びっくりするくらい強くて、そうそう壊れない、でもその中にほんのちょっと傷や気泡、虫の死骸が入っているだけで、急に割れやすくなるそうで、強度で言うとおよそ1/10とか1/20くらいの力でも割れてしまうほど。

ちなみにワカサギ釣り場の氷は、15センチとか20センチという厚さ。管理された氷とは全く別物なのです。

★水温5℃以下は未知の世界!

続いて、池の氷が危険な理由② 氷の下は冷水の池だから。その冷水の怖さ。

斎藤秀俊さん
「命の危険がすぐ迫るっていうそういう温度が、10℃以下ということになります。例えば手袋してなくて10分でも浸かっちゃったといったら、もう手動かなくなりますから。もうどこにも掴まることできない、手を挙げることすら、だんだんできなくなってきますね。もう未知の世界だと思って頂いた方がいいんですね。特に水温5℃以下とかいうと。こういう誰もが経験してないようなところで、自分の命がどこまでもつか、なんていうのは分からないですから、ほんとにそういう穴にもう落ちないようにしないとイカンと。こういうね、イカンイカンという話ばかりで申し訳ないんですけれども、でも世の中で、ほんとにアウトっていう話ってあるんで、ですから、たまたま、たまたま一人の人が、っていう話じゃなくて、そこに落ちた人がもしかしたらば全員命を失ったかもしれない、そういう事故だったと思いますね。」

プールで冷たいなと思っても20℃くらい。サウナの水風呂でも14℃くらい。確かにそれ以下の水温に体を入れたことはなかなかありません。斎藤さんたち専門家も、命の危険があるので実験でもやったことがない。

そして、救助隊も、装備を整えて入水するまで、通常の水難事故の3分に対して、冷水の場合は10分ほどかかるそう。しかも、氷が割れて救助隊が落ちてしまうのを避けるため、腹ばいで進んだり、軽い梯子を氷の上にかけてその上を四つ這いで進むので、救助にも時間がかかるわけで、その間、ずっとその冷水の中にいることになる。しかし、人がどのくらいその水温に耐えられるかは、誰にも分かっていない。身近な池に張る氷ですが、全く未知の世界なのです。

★安全が確認されている池はない?

理由③がまさしくそれ。未知の世界ゆえに、経験則しか無いから怖いんです。

斎藤秀俊さん
「足首くらいの深さの池があると思うんです。そういう所に氷が張って、その上に乗って平気だったという体験も危ないんですね。ついつい氷って大丈夫なんだって思っちゃうと、また少し大きめの深い池に行った時にも、同じように大丈夫だと思っちゃう可能性があるんで。この池も大丈夫、あの池も大丈夫、だからあれも大丈夫っていうのは絶対にないということです。個々の池で違ってくるという。でもその個々の池すべてにおいて調べ尽くされているわけじゃないので。誰がこれを理論的にちゃんと調べているかも分からん、と。こういう状態の中だから、はっきり言って割れるかどうかなんていうのは、その時の運と思った方がいいですよ。そうすると最初っからそんな運に賭けずに乗らない、というのが鉄則かと思います。」

みなさん、なんとなく経験則では氷に乗ったら危ないと思っていると思います。しかしだからこそ、乗って大丈夫だった経験はものすごく危険。経験が上書きされてしまうからです。自然の氷については、世界を見渡しても数人しか研究者がいない現実。何も解明されてないし、何も論理的には分かっていない・・・。分からないって怖いですよね。自然の氷の上は、命の危険と隣り合わせ!冷え込んできて、氷が張る季節です。氷の上には乗らない!改めて覚えておきたいですね!