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“自分を責めなくてもいい”。低出生体重児の親に対する支援▼人権TODAY(2020年12月19日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『低出生体重児の親に対する支援』

早産などにより2500g未満で生まれた小さな赤ちゃんを「低出生体重児」といいます。きょうはその親御さん達の悩みをサポートする動きについて取り上げます。

「低出生体重児として生んでしまった自分を責める気持ち」があった

厚生労働省の最新の統計では、赤ちゃんのおよそ10人に1人が低出生体重児。谷山綾子さんは9年前に息子さんを出産した時の思いをこのように語っています。

低出生体重児の母親・谷山綾子さん
妊娠23週で445gで生まれました。まさか自分が早産になるなんて全く思っていなくて。生まれたとき、初めて見たときには片手に乗るほどすごく小さくて「なんてことをしてしまったんだ」というような自分を責める気持ちがありました。

1000g未満で生まれた赤ちゃんは「超低出生体重児」といわれます。谷山さんの場合は予定よりおよそ4か月早く生まれたため、4か月間、NICU(新生児集中治療室)で24時間体制の治療を受けました。その間、命がいつ途絶えてしまうか分からないという不安。その他にも健康上のリスクは高く、谷山さんは「ふがいない母親」などと自分を責めてしまう気持ちがあったといいます。そんなお子さんも今では9歳。元気に育っています。

低出生体重児にぴったりな肌着をネット販売

谷山さんは、ご自身、そして同じ境遇にある親御さんのためにあるものを作りました。

低出生体重児の母親・谷山綾子さん
息子が入院している間に病院で肌着を用意してくださいと言われ、新生児用のサイズのものを息子に着させたんですけれども、それがあまりにも大きくて。肌着を着せることによって、(息子が)まだまだ小さいっていうような気持ちになって、すごく落ち込んだっていうのもありました。だったら自分で作ってあげて息子に着せようと思いました。大体一般的な新生児の50~60cmよりも一回り小さい2/3程度になっています。

谷山さんの息子さんの場合は、肌着を着せる段階になった頃でも1600g。市販の肌着はぶかぶかすぎて、痛々しさが際立ってしまいました。そこで、息子さんにぴったりなサイズの肌着を自ら作ったところ周りから可愛いと言われて、「自分もようやく母親として認められたような気がした」と言っていました。谷山さんは、その肌着を同じ境遇の親御さん向けに製品化し、ネット上で「ベビーストリア」という専門店を立ち上げ、販売しています。

母子手帳を補完する「リトルベビーハンドブック」

肌着以外にも、低出生体重児の親御さんの悩みを解消するアイテムが登場しています。

「国際母子手帳委員会」事務局長・板東あけみさん
母子健康手帳は例えば体重を書き込むグラフの目盛りが1kg からしかないとか、子供の発育のチェックで「これができますか、できませんか」というところに「はい」と「いいえ」で回答していくところにお母さん達は書き込むのが躊躇われる。母子健康手帳と一緒に使う、補完するようなサブブック「リトルベビーハンドブック」というものがあれば、もう少しお母さん達は書き込みやすくなるんではないかなと思います。

日本で最初に登場した「しずおかリトルベビーハンドブック」より

この「リトルベビーハンドブック」、体重の欄は何グラムからでも書き込めます。また、赤ちゃんができたことの記録ではい・いいえに〇をつけるのではなく、できた日付を記入する形になっています。このように発育がゆっくりでも大丈夫というメッセージが込められています。採用している自治体はまだ数えるほどですが、電子書籍として無料配布している所もあります。

低出生体重児の親同志のサークル

さらに「国際母子手帳委員会」の板東さんによると、親御さんたちの間でこんな活動も広がっているそうです。

「国際母子手帳委員会」事務局長・板東あけみさん
低出生体重児のお母さん達っていうのは、抱えてる悩みが小さな赤ちゃんを育てておられないお母さんにお話しされてもなかなか理解してもらえない。それがまた余計に落ち込むってことがあるわけです。そういう意味で、当事者同士のサークルっていうのは非常にメンタルケアの意味で大事だなと思います。

低出生体重児の親同志のサークル。最近は新型コロナウイルス感染拡大の中、オンライン交流会としての活動も活発になっているそうです。今後さらにこういった活動が広がることを期待します。

(担当:中村友美)