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魚心あれば水心【火の魚】ゲスト:西岡德馬さん

ラジオシアター~文学の扉

毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】

先週に引き続き、ゲストに俳優の西岡徳馬さんをお迎えして、室生犀星の【火の魚】をお届けしました。

今週も、室生犀星の不思議な世界へとトリップさせてもらえる物語でしたね!
しかし先週と比べると、少し動きのある、活発な雰囲気のようにも感じられる作品でした。

“魚拓”と魚の”命”の間で揺れ動くとち子の価値観。
「魚の命を託した、魚拓」という言葉が本編中に出てきますが、ひとつの命を扱っている、ということを聞き手が拡大して前提におけばおくほど、この物語のスケールも大きくなって行くような気がして、この死の淵で行われている生々しさが際立ちます。
作家からの魚拓の依頼をはじめ断っていたとち子が、結果的に自ら金魚を飼ってまでそれに応える心の移りゆき。
作家の想いに応えたいからか、父からの遺伝、抗えない血による宿命か、もしくは作家が意図的に焚き付けたのか、考えられる要因は沢山ありますが、でもだからこそそれがこの作品の面白いところなのかなと感じます!

さて、今年で俳優生活50周年を迎えられるという西岡さん。
敬愛する三島由紀夫さんについて想いの内を詳しく語ってくださいました。
…正直僕のような世代からすると伝説的な存在ですが、実際の思い出話などをこうして直に聞くと、存在してたんだなぁと、改めてとても貴重なお話を聞かせて頂ける時間でした。
そんな、三島由紀夫さんへの想いを形に、映画制作も進められているということで、朋子さん、スタッフ一同完成を心から楽しみにしています!
ということで、2週にわたり西岡徳馬さん。素晴らしい物語、そして、貴重なお話をありがとうございました!


以上を持ちまして、2020年の文学の扉はこれにて閉幕となります。
今年は大変な一年間で、辛いこと悲しいことが沢山ありました。
でも、そんな時だからこそ物語、作品の持つ力にきっと希望をもらえると思います。
いつの時代も苦境や逆境にこそ芸術は発展してきました。
大変な時間がもう少し続きそうですが、前を向いて、心の扉を開いて、耳を澄ましていきましょう。
来年も、皆様と一緒に、また新しい文学の扉を開いていけたらと願います。
それでは、良いお年を。

by 北村健人

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