お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

湿度ある節度なき恋【はるあはれ】ゲスト:西岡德馬さん

ラジオシアター~文学の扉

毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】

今週は、ゲストに俳優の西岡德馬さんをお迎えして、室生犀星の【はるあはれ】をお届けしました。

さて、今回の作品は、リスナーの皆さんの中にも感じた方がいらっしゃるかもしれませんが、いつものテイストとは何だか違う雰囲気でしたね!
“THE・純文学”と言いますか、古き日本の田園風景さえも見えてくるような、そんな雰囲気の物語でした。

心の内に秘めた想いをなかなか言えない、言わないひと組の男女の駆け引きの様な、水面下で求め合っているかのようなやりとり。
限りなく細い凧糸で浮かんでいる凧のような朋子さん演じる女のしおらしさと、西岡さんの低音の声から作られる無骨な、昭和の男らしい気兼ね。
一見プラトニックな恋愛のようで、許されない背徳的な恋。
その、微妙な情緒や距離感が、しんとした空気感の中、お二方の絶妙な掛け合いによって作り上げられていきます。
順序良い恋でないからこそ、先の見えない展開につい集中してしまいます。

収録後に西岡さんが、「心に秘めている方がその想いをより強く感じる」とおっしゃっていたように、心の内を素直に発せられる物語よりも、何だか想像力が働き感情移入してしまいます。

朋子さんはこの作品について、「湿度を感じる」とコメントしてありましたが、まさに!と、頷かずにはいられないとても素敵な表現だなぁと思い、タイトルに使わせて頂きました。

情報過多な作品が溢れる現代において、こうした余白を感じられ、想像力が掻き立てられるような作品は何とも不思議な世界観へと誘ってくれます。
ひとつひとつの言葉に込められた意味も考えてしまいますし、ラジオドラマにはぴったりですね!
興味を持たれた方は是非、原作もお手に取ってみてくださいね。

来週も、ゲストに西岡徳馬さんをお迎えして、「火の魚/室生犀星」をお届けします。
お楽しみに!

by 北村健人

 

ピックアップ