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観て楽しい!やって楽しい!ソーシャルサーカス▼人権TODAY(2020年11月21日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“観て楽しい!やって楽しい!ソーシャルサーカス” についてです。

★多様性のてんこ盛り、「ソーシャルサーカス」とは

今日は、障害のある人とない人が集まったサーカスの技を楽しむ「スロー サーカスプロジェクト」を取材。どんな団体なのか。NPO法人スローレーベル・代表の、栗栖良依さんのお話。

NPO法人スローレーベル・代表 栗栖良依さん
「ソーシャルサーカス」という分野は、地域社会の中で弱い立場にある方達、貧困や性差など、そういう方達が社会に参加するためにサーカスのエクササイズを活用しているもの。ヨーロッパで生まれて、南米・インド・中国・アフリカなどで盛んに取り入れられているメソッド。私達は、特に障害のある人たちと日本ではやっている。車椅子の脳性麻痺、自閉症、発達障害、精神障害、ダウン症、視覚や聴覚に障害のある人とか本当に多様なメンバーがいる。一人一人体も違えば、コミュニケーションの仕方も違う。そういった違いや特徴を生かすのには、すごくサーカスが合っている。

人権トゥデイ
サーカスといえば、象やトラが出てくるようなものを想像する方も多いと思いますが、「ソーシャルサーカス」は、サーカスで社会問題を解決しよう、という考え方。実は世界的なサーカス団、シルク・ドゥ・ソレイユも、長年、社会的に立場の弱い貧困者や移民などに向けて、サーカスのワークショップを開催。技の練習や習得を通じ、社会性やコミュニケーションを育むプログラムとして、マイノリティの支援を続けています。

今回取材したのは、横浜を中心に活動しているソーシャルサーカスカンパニー。 現在、団員は30名ほどで、そのうち2/3が障害のある人。他は、大道芸人やダンサーで構成。

★帽子をクルクル〜!

ということで、実際のパフォーマーにもお話を聞きました。ダウン症で現在26歳の、小川香織さん(6年前から参加する、メンバーの中でもベテランです)。取材には主に、お母さんが答えてくれました。

お母さん
「作業所ゆう」に勤務していて、そこにスローサーカスの方が来てくれて、「こういうイベントがあるから参加しませんか」と。やっぱり高校卒業してから休日の過ごし方がすごく課題で、ゲームをして太陽に当たらず、これは肥満に繋がっていくなと恐れがあった。練習の時にストレッチで体を動かしたり、筋トレしたり、すごくいい感じ。「帽子」っていう芸を教えてもらった。くるくるって回してかぶったり、空中に投げたり。これを教えてもらってから、かおりのモチベーションが上がった。何もできないと自分も周りも思ってる。なかなか新しい事にも挑戦できないので。
小川香織さん
好きです!クルクルーって。かっこいいですよ。

かおりさんは普段、作業所で布巾を作って働いているそうですが、最初は、運動不足を解消するために始めたサーカスも、いまではすっかり夢中。いま励んでいるのは、帽子を使った技。今回、ズームでお話を聞いたので画面越しに見せてもらったのですが、シルクハットを持ってクルっと回して被ったり、足で引っ掛けてキャッチしたりと、難しそうな技も軽々、こなしていました。

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ズーム越しに披露してくれた、帽子の技。投げてキャッチする瞬間


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得なピアノも聴かせてくれました


このように、技を通して自信がつくのは全員に共通しているようで、他にも、脳性麻痺で体の半分が動かない人が、吊るされた輪っかを掴んでバランスを取ったり、人と触れるのが苦手な方がハイタッチできるようになったりと、ソーシャルサーカスの活動を通して、多くの人が変わるきっかけが、生まれているようでした。

★とにかく、すごく楽しい!

コロナ以降は、予定していた公演はいくつか中止。誰でも参加可能な月に1度のサーカススクールは、ズームを使ったオンラインで実施しているそうです。まさに、「触れ合い」こそが醍醐味でもあったソーシャルサーカスですが、こんな状況でも、栗栖さんはとにかく楽しい!と話していました。

NPO法人スローレーベル・代表 栗栖良依さん
大変なことはたくさんある。上手くコミュニケーション取れなかったり、喧嘩したり色々あるが、一緒にチャレンジすることがすごく楽しい。勿論シルクドソレイユと比べてしまえば、私たちのテクニックなんてお子様のお遊びみたいなところはあるけど、「頼むよ〜、失敗しないでくれよ〜」って思いながら、ドキドキしながら見守る。成功させた後の皆の喜ぶ姿とか、自信を持って帰っていく姿を見ると、喜びでもあるし、刺激でもある。
自分が障害者になったのが2011年で、障害者になって初めて障害のある人たちと、こういう活動を始めたんですけど、もう元の世界に戻りたくない、楽しすぎてこっちの方が。

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ヨコハマ・パラトリエンナーレで公開中の、スローサーカスプロジェクトのアニメーション作品『メグの世界』


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アニメーションの中で、帽子の演技をする香織さん


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楽しいフィナーレ


実は栗栖さんご自身、32歳で骨肉腫を患い、右脚が不自由になったことから、松葉杖で生活しています。そんなご自身も、プロデューサーとして指導していて、とにかく楽しいと話していました。

いま、リアルでのイベントはできませんが、現在インターネットで、動画作品『メグの世界』が公開されています。こちらは3年に一度開催される、障害がある人のアートの祭典 「ヨコハマ・パラトリエンナーレ」の一環として作られたもの。アニメの世界にパフォーマーが入り込んだような作品で、かおりさんの帽子の演技も見ることができます。

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
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SLOW LABEL(スローレーベル)
アニメーション作品『メグの世界』の視聴はこちら(ヨコハマ・パラトリエンナーレHP内にて公開)
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