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夜のパン屋さん▼人権TODAY(2020年11月7日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『夜のパン屋さん』

「ビッグイシュー」による新たな支援事業

「ビッグイシュー」といえば、ホームレス状態の人に、雑誌販売の仕事を提供する支援活動が知られています。路上で雑誌を販売すると、1冊450円の販売価格のうち230円を販売員に渡すという仕組みです。
そんな「ビッグイシュー」が、新たに始めたのが、「夜のパン屋さん」。都内の人気パン店で、その日売れ残りそうなパンを通常より安く仕入れて、夜間に販売するというものです。こちらのアイデアは、北海道・帯広に在る人気パン店が、フードロスを避けるために、売れ残ったパンを夜にセット販売して大人気になっているということを聞いた、料理研究家の枝元なほみさんが、思い付いたものです。

料理研究家 枝元なほみさん
東京だったら色々な場所にパン屋さんがあって「ビッグイシュー」の販売者さんも色々な所にいます。販売場所の近くのパンをピックアップして来ていただいたら、新しい仕事作りも出来るんじゃないかなと思って「夜のパン屋さん」を始めようと思いました。

枝元なほみさん

折しも新型コロナの影響で、雑誌の路上販売も以前のようにはいかなくなっている中で、こうした新たな展開が求められていました。長く「ビッグイシュー」に協力してきた枝元さんは、フードロスを避けたいという思いと、新たな“仕事作り”を結び付けて、「夜のパン屋さん」という発想になったわけです。
そこで必要になるのが、パン屋さんの協力でした。しかしそれを得るのは、なかなか悪戦苦闘だったようで、枝元さんが東京各地に営業に回って、何とか人気パン店数店舗の協力を確保し、オープンに漕ぎつけました。

具体的には、「ビッグイシュー」の東京事務所の近所である、神楽坂の書店「かもめブックス」の軒先を借りて10月1日にプレオープン。そして10月16日に正式オープンしました。実はこの日は飢餓に苦しむ人々などのために、健康的な食事を確保する必要性について、世界的な意識喚起と行動を促す「世界食料デー」なんです。

現在は週3日、毎週(木)(金)(土)の夜7時半から、パンの販売を行っています。セット販売されるパンは、その日の状況で種類や仕入れ数、価格も変わるのですが、大体数百円から1000円前後ぐらい。オープン時間前から待っているお客さんも居て、私が取材に訪れた日も、1時間ほどで完売しました。
基本的には雑誌と同じシステムでホームレス状態の方などを支援するわけですが、実際に販売を行っている方にも話を聞いています。

夜のパン屋さん

「ビッグイシュー」販売員 西篤近(にし とくちか)さん(42才)
自分も路上生活を何だかんだで3年以上やっています。そのなかで「ビッグイシュー」と出会ったおかげで色々な出会いもあり、自分の気持ちが前向きになるってことも、お世話になっているところ。何かこう、役に立てるっていうことですね。

西さんの実感として、「雑誌を売っているのとはやはり客層が違う。もっと広がっている感じがする」ということです。
枝元さんも、実際に「夜のパン屋さん」を始めてみてから、気付いたことがあると言います。

料理研究家 枝元なほみさん
食べ物を、特にパンを間に挟んでいると「やわらかい」んですね。何となく。で今まで「ビッグイシュー」というと、男性が売っているというイメージが多かったと思うんですけど、ああ何か、こんな風だったら、女性の仕事作りにも出来るんじゃないかなというのを、気が付きました。

「やわらかい」広がりを目指す

枝元さんは、食べ物、パンを通じれば、女性の方も今までよりも支援の窓口を訪れ易くなったり、逆に支援活動への協力もし易くなるのではないかと感じています。
さて順調なスタートを切ることが出来た、「夜のパン屋さん」。協力してくれるバン店もどんどん増えているようですが、枝元さんに今後の展望や展開を聞きました。

料理研究家 枝元なほみさん
他の場所にも、広げていけたら良いなって思うんですね。「小商い」って思ってるんです。大きく手広くするんじゃなくて、1軒ずつのパン屋さんによって対応させていただいて、お値段も違えば、作り方も違えばっていうのを、小さい規模で、繫がりをちゃんと作りながら、色々な土地で、仕事を作るようになれたらいいなという風に思っています。

色々な所に広がれば、その地域に居る販売員の方がその地域に在るパン店を訪れて仕入れを行い、「夜のパン屋さん」を展開できるというわけです。また今後は、移動販売車での展開なども考えているそうです。

★「夜のパン屋さん」
TWITTER… @yorupan2020
「ビッグイシュー日本」℡…070-5559-0619

担当:松崎まこと(放送作家/映画活動家)