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温暖化からワサビ守れ!苗の安定入手のための対策とは?

森本毅郎 スタンバイ!

今週のTBSラジオは「チャレンジゼロ・CO2削減キャンペーン」深刻な温暖化問題への取り組みを様々取り上げます。今日はまずその温暖化の影響がこんなところにも、というお話。それは、静岡県・伊豆特産のワサビなんです!そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日10月26日(月)は、『温暖化からワサビ守れ!苗の安定入手のための対策とは?』というテーマで取材をしました。

 

近堂かおりの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20201026073615

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★ワサビ苗を育てる場所が無くなりそう!

天城山の湧き水を使ったワサビ田は、一定の温度に保たれてワサビ作りに最適、なのですが、そのワサビ田に植える苗に温暖化の影響が出ているのです。JA伊豆の国・修善寺営農センター 小播安章さんのお話です。

小播安章さん
「もともとワサビは涼しいところで栽培されてるものなので、苗についても結構気温には敏感で、25度以上になると病気が出たりとか、熱さには敏感な苗ですね。なので、
今まではできるだけ涼しい気候にあるところで、例えば北海道とかにお願いして作ってもらってるっていうのが多かったんですけども、ここ最近北海道も、5月に30度を超えてしまったりとか、かなり高温になってしまうとワサビ苗というのが、うまく生育ができないので、温暖化の影響もあるかもしれないですけども、この暖かい気候というのがワサビ苗の生産にちょっと向いてなくなってしまっている、と。そうです、ほかに探してはいるんですけどなかなか。あまり見つかっていないというか。なかなか無いですけどね~。」

ワサビの苗は、ワサビ田ではなくて土で育てるのですが、暑さにめっぽう弱い!気温が25度以上になると病気が出たり、成育が止まってしまったりする、といいます。これは大変。

そこで、日本各地の夏場でも涼しい場所、例えば北海道などで苗を育ててもらい、その苗を、伊豆に持ってきてワサビ田でわさびに育てていたのですが・・・

最近の気候は、私たちが知っている通りで、北海道でも【5月に30度超え】となってしまった!こうなると、これ以上涼しい場所といっても、さすがに難しくなります。

伊豆・ワサビと言えば超有名な特産品!しかも一大産地!それなのに、苗が来なければワサビは作れません。しかも、畳石式という伝統的な方式で栽培されるこの伊豆のワサビは2018年に世界農業遺産にも認定されたばかり。なんとしても、「高品質、安定供給」を守っていきたいところです。

★高性能冷蔵庫を2台導入!苗の安定供給へ!

そこで、夏場の苗の安定入手のために今年新たに策を講じました。小播さんのお話です。

小播安章さん
「そういうのを克服するために冷蔵庫を導入したという形です。冷蔵庫なんですけど、恒温高湿冷蔵庫っていうものです。「こうおん」というのは高い温度じゃなくて常に一定の温度っていう意味で「恒温」。高湿は高い湿度っていう意味です。鮮度を保つために湿度というのはかなり必要になってきますので、野菜と同じ原理なんですけども、苗の長期保存をしようということで。苗を安定的に供給するために、春先に作った苗を長期的に保存をする、ということで、苗の足りない時期に恒温高湿冷蔵庫から出して生産者へ供給するということで、苗の供給不足というのをできるだけ無くしていきたいな、ということですね。」

今回導入した高性能冷蔵庫は、三坪ほどのプレハブのような大型冷蔵庫。(高さ2・4m、幅3・6m、奥行き2・7)

従来型の冷蔵庫では、湿度は50%ほどで、苗はパサパサになって、長期保存できなかったのです。

ところが、この恒温高湿冷蔵庫は、庫内の温度をおよそ3℃に保つのに加え、湿度も80~90%に保って、新鮮なまま長期保存できる。猛暑で苗が育てられなくても、春に仕入れた苗を長期保存してしのげる!(ワサビは苗さえあれば、一年中植えて収穫してができる!)

1台350万円ほどで、従来品の2倍!高価なものですが、2台導入!地域の特産品を守るため、静岡県や伊豆市も三分の一ずつ負担してくれました。

★冷蔵庫組の苗、順調に育つか!?

すでに7月から実際に使い始めているということで、冷蔵庫の中の苗の様子、今後に向けて心配な点、課題など小播さんに聞きました。

小播安章さん
「いま、生産者さんの苗というのが実際に入っている状況で、葉っぱの色は緑色から黄色っぽくなってきて、ちょっと肥料分が抜けて来てるような・・・でもそれは圃場に植えればまた回復してくるようなことなので、特にそこは気にしてはいないんですけども、そのワサビ田に植えてそのまますんなりと苗が活着するのか、というのと、あとその成長のスピードとかどのくらいになるのか、というのも、心配というか、どうなるんだろう?というのはありますね。だいたい植えてから、12~13か月で収穫になります。まだ来年の話ですね、どうなるかは。これからっていうところですかね。地元の特産品になりますので、その分問題も抱えていることは結構多いんですけども、一つ一つ解消していくということは、この産地に求められていることかな、と思います。」

実際に3か月冷蔵庫に入れておいた苗は、見た目は大丈夫そう。ただし冷蔵庫組は、まだ植えたばかり。12~13か月の成長期間を見守っていく必要があります。それが今までと同じように育ってくれるのか!?心配は尽きません。

実は、小播さんによると、伊豆のワサビ田の水源、天城山の湧き水の水温も上がっているようで、栽培地域が限られてきたり、成育があまり良くないものがでてきたりしている問題もあるそうで、「涼しい気候と冷たい水温でなければ栽培できないワサビ」にとって、気温の上昇は、大いに影響あり、と言えますね。

名産なので冷蔵庫は策としてもちろんうまくいって欲しいです。しかし、冷蔵庫で解決、ではなく、地球規模での温暖化自体への取り組みが必要だ、と改めて実感しました。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。