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DV被害者支援の新たな取り組み「ハンドメイド部」▼人権TODAY(2020年10月24日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『DV被害者支援の新たな取り組み「ハンドメイド部」』

新型コロナウイルス感染拡大による外出規制の影響で、今年5、6月、政府や自治体に寄せられたDV=家庭内暴力の相談件数が去年と比べて11.6倍に増えました。そんな中、今回ご紹介するのはDVの被害者を支援する新たな取り組みです。

DV被害者の手芸作品をネットで販売

NPO法人くにたち夢ファームJikkaが今年7月から始めた「ハンドメイド部」。Jikkaのスタッフ、佐藤マリさんにどういうものか聞きました。

NPO法人くにたち夢ファームJikkaのスタッフ、佐藤マリさん
自分で手作りのものが好きな人達が集まって、それぞれの作られた作品をネットサイトに上げて、販売に結び付けていきたいと思いました。一人でそういう活動をするのが精神的に難しい部分がある、その難しいところはチームで共同しながら。自分らしく社会に働きかけていきたいというその思いを実現していきたいと思ってこのハンドメイド部を立ち上げています。

ビーズのアクセサリー、エプロン、マスクなどなど手芸作品を作るのが好きな人達が集い、各自の作品を、インターネットを通じて販売しているんです。スタッフの佐藤さんはハンドメイド部立ち上げの理由として、「DVの被害者は、加害者から逃げてきたとしても、知らない土地で孤独な状態にある。ハンドメイド部のような場を提供することで、同じような体験をした人が自然な形で集える」と話しています。

手芸作品を販売する機会を探していた

今回、実際にこの活動に参加しているお一人にもお話を伺うことができました

配偶者の暴力から子供と一緒に逃げてきた、Aさん
現在まだ住居を明かせない状態でいるので、自分の名前で販売サイトに出すことを躊躇してしまう状態。それでどこか出せるところがないかというのもあったんですけど、仕事のほうでもなかなか正社員が見つからなくてパートの掛け持ちをしているので、つくりためてため息をついているような状態でいました。その時にこのハンドメイド部の立ち上げを誘って頂いて参加することができて、嬉しく思ってますね。

元々作りためていた作品を販売するため、どこかに営業に行こうと思いながらも、仕事の掛け持ちをしているので時間がない個人でネットショップの登録をするのも個人情報や経済的なことで躊躇してしまうきっかけがあったらと常に思っていたところにハンドメイド部が立ち上がったということです。

Aさんが作った「洋服型キーケースカバー」

作品販売によって自信をつけてほしい

売り上げの9割は作品を作った人に、1割はjikkaの活動資金になるということです。では、作品の販売を通じてDV被害者の方が経済的にも自立することも目的の1つなのかと思ったのですが、佐藤さんによるとそれとは別の目的があるということなんです。

NPO法人くにたち夢ファームJikkaのスタッフ、佐藤マリさん
自分の作品が売れるということでの自信、社会の一員として自分もなれるんだとかいうそういう精神的なものが大きいと思います。実際これくらいの金額で生活していくのはほとんど無理だと思うので。ただ、これまでは自信を持ちにくい、自己肯定感が低いというのが当然ですけどね、そういう体験をした受けた人達は。そこから違った意味でのいい体験をしていきたいということでの機会を提供できる活動だと思っています。

今回DV被害者の方と会話する中で、「被害を受ける側にも問題があると思う」という言葉が出てきたんです。それは間違っている、加害する側が悪いと思うのですが、ご自身の作品がネットショップを通じて購入されるという体験を積み重ねていくことで、自己肯定感も一緒に積み重なっていけばいいと思いました。

インプットではなくアウトプットへ

この「ハンドメイド部」の活動は、支援団体の側から見てもこれまでになかった活動だと、Jikkaの佐藤マリさんはこう話しています。

NPO法人くにたち夢ファームJikkaのスタッフ、佐藤マリさん
どうしても、暴力を受けた人たちとかを保護受けた人たちに関しては、その人たちが主体的に活動することを支援する活動がこれまでなかったんですね。でも、それぞれの人たちが個性を持っていて、才能があって、社会の一員としてつながっていきたいという思いがすごくあるので、私たちはただただその方たちにインプットするというよりもむしろその人たちの力を社会に対してアウトプットする、そういう動きを援助していきたいと思って、この活動をスタートしました。

確かに、これまでDV被害の支援というと「シェルター」と呼ばれる場所に受け入れてかくまう活動が多かったかもしれませんが、今回のように、被害者の皆さんが手芸作品を通じて外に発信していくこの活動はとても意義深いものだと思いました。

なお来月28日には国立のJikkaで、「ハンドメイド部の手作り市」といって作品を作った本人が対面形式で販売するイベントも行われます。

☆NPO法人くにたち夢ファームJikka「ハンドメイド部」の小物販売はコチラ⇒JIKKA-YUME’S GALAERY

(担当:中村友美)