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「GOTOイート」の恩恵を受けられない飲食店。問題点は?

森本毅郎 スタンバイ!

きょうは、10月1日からはじまった「GOTOイート」について、10月8日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20201008073609

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

外食を促す目的で始まった「GOTOイート」。大手居酒屋チェーン「鳥貴族」を使った「トリキの錬金術」という問題がありましたが、一方で、中小の飲食店は、この飲食店支援のキャンペーンで恩恵を受けているのか?客足は戻ったのか?取材しました。

まずは、新宿にある居酒屋、「やまちゃん日本酒セルフ飲み放題」の店主、山上 博三(やまがみ・ひろぞう)さんのお話。

★新宿の居酒屋「GOTOでも、お客さん戻りません!」

「やまちゃん日本酒セルフ飲み放題」店主 山上博三さん
いやーほとんど効果がない。1日あたり4〜5名入ればなんとか家賃が払えるが、今だとGOTOイート含めても一週間で4〜5人。全然ですね。「食べログ」だと、ご予約一人当たり、200円の手数料取られちゃいますし、うちみたいに安い居酒屋だと、ほぼほぼ利益持っていかれるようなもんで辛いですね。「新宿」とか「夜の飲食店」がもの凄いNGワードになっちゃって、うちら新宿の普通の居酒屋は関係ないんですけど本当にばったり来なくなった。

新宿に店を構えている飲食店は散々な状況。新宿=夜の街のイメージがいまだに強く、GOTOでも客足は戻らないと嘆いていました。

さらに悲鳴が出ていたのが「手数料」。どういうことかというと、そもそもGOTOイートには、「オンライン予約によるポイント還元」と、「プレミアム付き食事券」の2つの事業があり、このうち、10月1日から全国で始まったのが、「オンライン予約によるポイント還元」です。

消費者からみれば、「食べログ」や「ぐるなび」等の予約サイトを経由して食事をした場合、昼は500円分、夜は1000円分のポイントが付与される仕組みで、お得感があります。

ただ、飲食店側からみれば、こうした予約サイトに登録しなければ、GOTOに参加できない仕組みで、ここの負担が大きい。それがお話にあった「手数料が200円」という話。多くの予約サイトでは、サイトを通じてお客さんが来た場合、1人当たり 50〜200円程の「送客手数料」を飲食店側が支払う必要があります。しかも、掲載手数料がかかる場合もあるので、小規模のお店だと、GOTOでお客さんが来ても、手数料でもうからない。山上さんからは、お客さんはそれほど増えないのに手数料がかかると、悲鳴がでていました。

★家族経営の飲食店「何がGOTOイートだ!」

では、東京以外の飲食店はどうなのか。栃木県にある家族経営のレストラン「キッチン・セブンスターズ」の店長、有江 爽(ありえ・さやか)さんのお話。

「キッチン・セブンスターズ」店長 有江 爽さん
恩恵があるキャンペーンではない。でも、波に乗らないといけないのかな、というジレンマもあるし、さあ行きましょう!って呼びかけることに戸惑っている。実は給付金の件でも、飲食店はもう少し手厚い保証をしてもらえると思ったが、対象として外れてしまった。裏切られた。好きでやってるんでしょと見放されちゃう。国には頼れない、ガッカリ。
森本毅郎スタンバイ!

オーナーのお父さんのツイート。飲食店の現実が書き込まれています。

こちらは、GOTOイートに参加していないお店です。一緒にお店をやっているお父さんが、元トラックドライバーというのもあり、「ボリューミーなものを、安く、美味しく提供したい!」という信念を持っています。安売りなので、利益が少ない。そのため、やはり手数料がネックとなり、予約サイトと契約を結ぶわけにもいかない。そのためGOTOの制度自体に乗っかれないていない状態で、苦しんでいました。

しかもこちらのお店は、「持続化給付金」の時もつらい目に合っていて、学校の休校期間中、利益度外視の300円という破格でお弁当を提供していたのですが、利益が出ないのに「売り上げ」は上がったということで、売り上げ基準で給付される「持続化給付金」の対象外にされてしまったそうです。

台風がくる度に炊き出しをしたり、地域のために貢献し続けてきた自負があるのに、自分たちが大変な時、国は助けてくれない・・・。

お父さんがやっているお店のツイッターには、「何がGOTOキャンペーンだ!何がGOTOイートだ!上等だよ、ビーフステーキ330グラムで、ライス・サラダ・ドリンク付きで、土日限定、1580円で提供するぞ!」と、GOTOではなく、あくまで安く美味しくを貫く決意が書き込まれていました。

★一番の問題は、中間業者の介在

実は、今回取材をする中で、こういったお店が少なくない印象を受けました。では、このGOTOイート、何が問題なのか?食の問題に詳しい消費者問題研究所の代表、垣田 達哉さんに聞きました。

消費者問題研究所・代表 垣田 達哉さん
一般的な飲食店は、予約はあまり受け付けない。来た人を処理していくのが普通の飲食店で、予約が必要なのは居酒屋や高級な飲食店など限られるので、そもそも「オンライン予約」は多くの飲食店は向いていない。一番の問題は、間に中間業者を入れてる点。良い例が、イギリスがこの間までやっていた、お店に行けば半額になるというやり方。間に中間業者が一切入らず、消費者にとって分かりやすく利用しやすい。飲食店にとっても簡単で難しい手続きがいらない。日本は直末端と国がやる事はほとんどない。一体誰のためのキャンペーンなのか。
森本毅郎スタンバイ!

「オンライン飲食予約」の割り当ては、616億円(出典:農林水産省「Go To Eatキャンペーン事業」)

森本毅郎スタンバイ!

「プレミアム付食事券」の割り当ては、868億円(出典:農林水産省「Go To Eatキャンペーン事業」)

森本毅郎スタンバイ!

複数の中間業者に委託しています。(出典:農林水産省「Go To Eatキャンペーン事業」)

現状、割り当てられている予算は、「オンライン予約」が616億円。これから都道府県で始まる「プレミア付き食事券」が868億円。そして、それとは別に、300億円近い金額が運営事務局となる中間業者に支払われる予定で計上されています。

店頭で半額になるイギリス方式なら、どのお店も参加できるし、事務費300億円分も、店舗と消費者に還元できる。果たして、誰のためのキャンペーンなのか・・・。垣田さんも疑問視していました。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!