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コロナ禍の美術学生~卒業制作展中止、リモート授業の実態

森本毅郎 スタンバイ!

新型コロナウイルスの感染拡大は学校の授業にも大きな影響を与えていますが、美術系の学校に通う学生の現状とは。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。

 

中村友美の現場にアタック〜コロナ禍の美術学生http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200929073744

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★半年越しの卒業制作展開催

国内で新型コロナウイルスの流行が拡大し始めた2~3月はちょうど卒業シーズン。特に美術系の学校の学生たちにとっては長い期間をかけて作った卒業制作の作品を展示する会が相次いて中止・延期となり落胆する事態となっていました。そんな中、一旦は中止となった卒業制作展を今再開にこぎつけたという学生に話を聞きました。2019年度「女子美術大学付属高等学校卒業制作展」の実行委員長、南部梨央生さんのお話です。

「女子美術大学付属高等学校卒業制作展」実行委員長、南部梨央生さん
元々は2020年2月29日から3月6日までの開催予定だったんですけど、やっぱりコロナの影響で今半年後にやっと展示ができるようになりました。本当は毎年、上野の東京都美術館で卒業制作展を行っていて、みんな飾られるのを想定しながら描いていたので、開催できるって決まった時には本当に言葉にできないくらい嬉しくて、大きな会場、展示会場で飾れるということがすごく嬉しかったです。

南部さんは今、高校を卒業して女子美術大学の1年生ですが、卒業制作を展示会という形で発表することをどうしても諦めきれず、知人の協力を得て、本来の会場である上野の東京都美術館とは別のギャラリー(AOYAMA STUDIO)を青山で借り、仲間達と設営など準備をして、今回開催にこぎつけました。

あくまで南部さんたちが主導する有志のプロジェクトで、卒業生全員が参加してはいませんが、それでも見ごたえがありました。

南部さん自身の作品は縦横2m程度のキャンバスに、2輪の薔薇を大きく描いた迫力のあるもの、構想から半年間かけて作り上げたということです。こちらの展示会は9/26(土)~10/4(日)の10~19時に開催中。土日にはおよそ400人が訪れ、私が伺った平日も次々と新しいお客さんが入ってきて関心の高さがうかがえました。

★リモート授業では大きい作品が作れない

ところで、そんな南部さんは現在の大学1年生。美術大学でも授業はリモート形式で行っているということなんです。授業を受けてみてどう思うか、南部さんに聞きました。

「女子美術大学付属高等学校卒業制作展」実行委員長、南部梨央生さん
やっぱり大きさ的に家でできる大きさと学校でできる大きさって違うので。学校でやりたいなとは思います。箱のデザインを一回授業でしたんですけど、その時は郵送で段ボールが送られてくるんですけど、本来の授業だったら大きいサイズの段ボールが使えるんですけどA3のサイズの段ボールが送られてきて、なるべくその一枚でできるようにと言われたんですけど、大きいサイズのものが私は作りたかったので、あーそれだったら本来の授業でやっぱり大きい段ボールを使って一枚で箱を作りたかったなって思いました。

南部さんは今、建築家を目指して空間などのデザインを基礎から学んでいますが、作る材料を郵送でやりとりする上での作品の規模の制限、また家と学校では環境が大きく異なるという点でも、色々と制約があります。他には、授業で必須となるカッターの使い方も動画配信で教わったそうです。

逆にメリットとしては、授業を受ける際の場所に縛られないので、今回の卒業制作展の開催やそれに向けての準備は授業がリモートになっていなければ実現しなかっただろうと仰ってました。

★ようやく10月より対面授業解禁

大学は現在後期課程が始まった頃ですが、今後の授業形態はどうなっていきそうか。南部さんに聞きました。

「女子美術大学付属高等学校卒業制作展」実行委員長、南部梨央生さん
10月5日に私たちは対面授業があって一回集合しようってなってました。他の学科だとどうしても粘土とか立体のものを作るとなると家だとすごく不便なので、そういう学科の方たちは学校に行って最低限の人数でいろいろ考えながら学校に行ってやってました。あとは卒業制作とか4年生にはあるので、そういう方たちは申請を出して学校に行ってやってました。家じゃ、構想を練るぐらいになっちゃう。先生との面談もすごく大切なのでそれは学校に行かなければできないことかなと思います。

女子美術大学では、9月から対面授業を再開しているようですが、学部や授業によってはリモートが必要ということで、やはり美術のことを学ぶにはリモートはなかなか不便のようです。

なお文部科学省が9/15に公表した調査結果によると大学全体でみても9月以降の後期授業で完全に対面形式に移行するのは2割弱、8割は未だにリモートと対面形式を併用する形になっているそうです。