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密を防げ!「対面朗読」の新しい形▼人権TODAY(2020年9月26日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“密を防げ!「対面朗読」の新しい形” についてです。

★点字図書館の新たな試み「ズームで対面朗読」

読書の秋。視覚に障害のある人が本を読む手段として、点字に変換された「点訳」。録音された音声を聞く「音訳」。そして、ボランティアが目の前で本を読む「対面朗読」という形があります。

きょうは新型コロナウイルスの影響で新たな形を模索する対面朗読について取材。まずは現状について、日本点字図書館、プライベートサービス担当の庄司基一さんに聞きました。

日本点字図書館・プライベートサービス 庄司基一さん
「対面リーディングサービス」という正式名称。利用者が読んで欲しい本を図書館に持ってきて、その場で朗読者に読んでもらうサービス。実用書がほとんど。ビジネス書や、医学書や専門書をお持ちになる方が一定数いる。そんな中、同じ部屋で行なっていたので、「密」になってしまい、休止せざるを得なくなった。ただ、「対面リーディングの再開はいつですか?」というような電話が多く、そういうニーズに答えるために、オンラインでの対面リーディングを考えた。
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日本点字図書館(高田馬場)

今回取材した「日本点字図書館」は、高田馬場にある視覚障害者向けの図書館で、4月から中止していた「対面朗読」を7月から再開。そこで、新たな試みとして、聞き手と読み手が、直接対面はせずに、ビデオ通話の「ズーム」を使って遠隔で対面する方法。本は各自、用意する必要がありますが、サービスは無料。基本的に、1回2時間の予約制で、マンツーマンで朗読してもらえます。

通常、本を点字に訳すのに3ヶ月〜半年位かかるそうなので、すぐに読みたい週刊誌や、資格試験の参考書などで利用する人も多いそうです。

また、この日本点字図書館の他にも、全国の60の点字図書館や、公立図書館の一部で、対面朗読は提供されているますが、今だに休止していたり、制限時間を短く設定したり、なかなか全面再開には程遠い状況のようです。

★読むのは趣味の将棋の本。隣の部屋から聞こえるのは…

では、画期的なズーム対面朗読、実際の利用者はどう感じているのか。10年以上にわたって、2週に1回の頻度でサービスを利用している、宮本博さんにお聞きしました。

宮本博さん(利用者)
将棋の「棋書」。戦法の詰将棋まで多種多様な将棋の本を読んでいただいている。幸いなことに将棋には棋譜があり、9×9の81マスに、7種類の駒でパターンがあるので、大体理解は可能。まず目次を読んでもらって、重複しているところは読み飛ばしてもらったり、それが対面朗読の良いところ。こっちを先に読んでとか色々注文できるので、結構合理的に読んでもらえる。ズームでの対面朗読も最初はどうなのかなと思ったが、いつも通りできてますね。でも、耳を澄ますと読んでる声が聞こえる。まぁ、隣の部屋ですからね。
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お話を聞いた、利用者の宮本博さん

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対面朗読を行う個室。奥のiPadを使ってズームでの対面朗読が行われます。コロナ禍では、一部屋に1名、入室します

実はオンラインと言っても、読み手も聞き手も高田馬場の点字図書館に来館する必要があります。ただし、密を避けるために、隣士の部屋に別れて、備品のiPad を使ってコミュニケーションを取っていくんです。「自宅からできればもっと便利なのに」と宮本さんは話していたんですが、やはり、点字は読むのに時間がかかるし、音源の再生も煩わしい。その点、対面朗読は融通が利くということで、足を運ぶ必要があっても、今後もサービスを利用していきたいと言っていました。

★オンライン化の鍵は、読み手ボランティアの脱・高齢化

そんな中、実は昨年6月、通称「読書バリアフリー法」という法律がが制定され、視覚障害者の読書環境を整えていく機運が高まっています。この動きを味方につけて、今後、対面朗読のオンライン化は広がっていくのか。そして、自宅での対面朗読は実現するのか。日本点字図書館の庄司さんに聞いた。

日本点字図書館・プライベートサービス 庄司基一さん
自宅からということも考えたが、まず朗読者の方に資料(本)を送らなければいけない。実際に朗読者の平均年齢も60歳を超えてたりするので、ズームの操作をスムーズにできない方もいる。ズームで研修会をこの間やってみたが、マニュアルを渡しても、うまくできない方が何人かいたので、始まる何分前までサポートして、結局入れた人と入れない人がいたり、トラブル多数だった。コロナが収束するまでは、こちらに来て頂いて、細々と続けていくしかないのかなという感じ。

特に白杖を持っている人は、雨の日や、真夏の外出は特に大変と宮本さんも言っていたので、確実にニーズはありそう。ただ、ボランティア側の高齢化で難しい状況ということで、一足飛びに、ITをフル活用していきましょう!とも言えないようです。

●おまけ↓

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館内には、補装具、日常生活用部、音響機器、便利用品など、充実したラインアップの用具ショップが開かれています。図書館を利用するよりも、用具ショップに訪れる人の方が多いとか。

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商品名と値段が、点字で表されています

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
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日本点字図書館

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03-3209-0241
※実際に来館することができれば、都民以外もご利用いただけます。
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