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放送中

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高齢者を支える「館ヶ丘団地」の取り組み

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・住民の高齢者を支える「館ヶ丘団地」の取り組み

「館ヶ丘団地」とは?

今回は八王子市にある「館ヶ丘団地」の様子を取材してきました。
ここは29ヘクタール(東京ドーム6個分)の広さに今年の3月時点で、
住民はおよそ3500人。そのうち65歳以上の割合は51%と半数を超えているんです。
日本全体の平均は去年の国勢調査の速報値で26.7%ですから、その多さが際立ちます。

高齢者を支える「八王子市シルバーふらっと相談室 館ヶ丘」

今回紹介するのは、この館ヶ丘団地の高齢化に伴う問題に対応している
「八王子市シルバーふらっと相談室 館ヶ丘」の取り組みです。

相談室エントランス

シルバーふらっと相談室館ヶ丘

商店街の入り口にあるこの施設、どんな場所なのか。
「八王子市シルバーふらっと相談室 館ヶ丘」室長の今泉靖徳さんに聞きました。

今泉靖徳さん
一言で言うと、地域の高齢者の相談支援窓口ですね。
ですからお悩み事ですとかお困り事の相談を受けて、お手伝いをしたりとか、
場合によっては然るべき行政機関にお繋ぎをする。
実はこの高齢者見守り相談窓口という事業が地域の包括支援センターとか
高齢者の施設に併設されているところが大半なんですね。
なおかつそこに単独で立っている相談室にカフェを併設しちゃってるというのは
都内でも極めて珍しいみたいですね。

こちらの相談室はただの相談窓口ではなくて、カフェがあるんです。
私が取材したときは、20畳ほどの広さに12ある席がずっと埋まっていて、とても賑やかでした。

カフェの様子

ふらっとカフェの様子

元々この相談室は5年前に東京都の事業として、
『高齢者が地域の中で気軽に相談できる場所を作ろう』ということで始まり、
その半年後に「ふらっとカフェ」という名前の施設を併設したんです。
1杯100円、ドリップしたてのコーヒーを6人ほどで飲んでいた高齢の女性たちは

80歳の女性
できてから良かった。結局うちにいるよりも、ここさたまに来て
コーヒー飲んでみんなでおしゃべりできるし、だからいいですよ。
86歳の女性
ここでワイワイ言うて喋って笑ったりするでしょ。で家帰ると、まあ寂しいよ。

と話してくれました。
みなさん、顔見知りですが待ち合わせをする訳でなく、いつも自然に集まるんだそうです。
「家に帰るのが寂しい」と話していましたが、館ヶ丘団地の住民半分以上を占める高齢者のうち7割以上が1人暮らしなんです。
先ほどの女性のひとりは、いつもカフェで3時間ほど過ごすと話していました。
去年一年間のカフェの利用者は延べ1万3500人。
カフェにに立ち寄る人が増えてたことで、隣にある相談室にも訪れる人が増え、
文字通り「ふらっと」立ち寄れる場所になっていました。

坂の多い団地内を走る「自転車タクシー」

相談室の取り組みは更にあります。次に紹介するのは「自転車タクシー」です。
館ヶ丘団地は広いだけでなく、高尾山のふもとにあるので坂が多いので
高齢者でなくても歩いて出かけるには不便な場所なんです。
そこで自治会と協力をして3年前から始まったのが、この自転車タクシーです。
自転車タクシー1
自転車タクシー2

利用者は電動自転車の前についている2人掛けの座席に座り、その後ろで漕ぎ手が運転します。
利用は無料で、相談室のスタッフや団地に住む元気な高齢者、そして地域の学生が
ボランティアとして漕ぎ手を務めています。
住民の畑野慶子さんを送る自転車タクシーに同乗させてもらうと、

畑野慶子さん
やっぱり坂を上がったり荷物があるときは助かります。
乗り心地はとてもいいです。いつもその坂の所まで送ってもらいます。この坂がきついんですね。

と話してくれました。
例えば、私の足で歩いて10分の距離でも、高齢者の方は途中ベンチで休みながら
1時間以上かけて歩くことも珍しくないそうで、荷物があるときは特に助かる重要な移動手段になっています。

団地を活気づける「学生ボランティア」

これらの取り組みに欠かせないのが、学生ボランティアの存在です。
相談室では、今泉さんのような職員のほかに、近くにある法政大学多摩キャンパスの
ボランティアサークルの学生が5年前から活動を手伝っています。
先ほどの自転車タクシーの漕ぎ手やカフェのスタッフで働く他、相談室が休みの日に
休日カフェを開いたり、夏祭りでお神輿を28年ぶりに復活させたりするなど、
団地の盛り上げ役になっています。
住民とのやりとりについて法政大学のボランティアサークル「たまぼら」のメンバーは、

3年生 齊藤彩乃さん
住民さんって、色んな考えを持っている方とか色んな技術を持っている方がいるので、なんでしょう料理だったりとか、ここわかんないですけどとか
言って教えてもらったりすることもあって。なんか遊びに来ているような。
本当に自分が楽しくて来ちゃっているので。
あんまりボランティアっていう感じじゃないですね。
代表の木村高啓さん
この館ヶ丘団地の住民さんは例えば高齢者の方って病気の話だったり死の話だったりとかが多かったりもするんですけど。この団地は特殊で。
そういう話を元気に明るく前向きに話す人が多いんですよ。
どんな存在か?えっもう第二、第三のおじいちゃんおばあちゃんみたいな感じですかね。

と住民の皆さんといい関係が築けている様子を話してくれました。
住民と学生はお揃いのポロシャツを作るほど仲良しなんだそうです。

お揃いのポロシャツ

お揃いのポロシャツ

学生主催のカフェの様子

学生主催のカフェの様子

現在は法政大学の他、早稲田大学など5校以上の学生がボランティアに来ています。

活動が広がる意義

最後に室長の今泉さんに活動が広がる意義について聞きました。

今泉靖徳7さん
ここで安否確認をするために一軒一軒回ろうとするとすごく膨大な時間と量が必要なので。そう考えてみると何か活動を通じて見守りとか、活動を通じて支え合いの気持ちを作るみたいなことというのは実はすごく大事なことだと思いますね。
だから活動をいっぱいやっているんですね。楽しいですけどね。毎回色んなことがあるとね。

今後は8月の1ヶ月間、高齢者に熱中症予防を呼びかける活動「おむすび計画」を行う予定です。

おむすび計画寄せ書き

去年の参加者の寄せ書き


今年で5回目となるこの活動は、学生と住民が力を合わせて団地内に給水所を設けたり、高齢者世帯に冷たい飲み物を届けます。住民から寄付されたお米でおむすびを握って参加者にお昼を振る舞うことから「おむすび計画」と名付けられました。これまでの参加者は下は2歳~上は92歳まで。
8月中のため、戦争を体験した住民から当時の話を聞く会や子供たちのために木工教室を開くなど、ボランティアの枠を超えた、団地のイベントになっています。
他にも毎朝のラジオ体操や地域農園作りなど住民と楽しみながら見守る取り組みがどんどん広がっています。
今後はどんな活動が増えていくのでしょうか?楽しみです。

(担当:岡本祥子)