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「目立ちたがりなのに、恥ずかしがり」武田砂鉄による、DJ松永インタビュー

ACTION

TBSラジオで放送中の「ACTION」。水曜パーソナリティは、Creepy NutsのDJ松永さん。

9月9日(水)のゲストは、ライターで金曜パーソナリティーの武田砂鉄さん。「Creepy Nutsが忙しいときにケツを拭くのは武田砂鉄」ということで、武田さんは2週間前の水曜日も代打パーソナリティーとして来てくれました。今日は、ゲストの武田さんによる、松永さんへの逆インタビューに。今回は、その3分の1くらいを公開。詳しくはradikoタイムフリーで!

武田:松永さんって小学3年生ぐらいのときに、絵を描くことが好きだったんですよ。

松永:なんでそんな細かいこと知ってるんですか!

武田:それで、教室に絵を貼ってたんですよね。そうしたら「松永って絵上手いよね」となり調子に乗ったというエピソードがあります。誰よりも自分が目立ちたいという思いがありつつ、今はR-指定さんと2人で活動しているじゃないですか。そういうもののバランスってどう取っていますか?

松永:俺ってすごく目立ちたがりなのに、恥ずかしがりだったり怯えたりするんです。俺は、もともとラッパーになりたかったんですけど、ラッパーになるということは、誰よりも前に立って、自分の感情を歌詞にして、自分の考えたメロディに乗せて人前で大声で歌うことじゃないですか。それってめちゃくちゃ恥ずかしいと思って、1個ずらしてDJだったんです。ステージに立って承認欲求は満たせるし、めちゃくちゃ自己主張している人の横に立てるからクールに見えるというスケベ心でDJを始めたんです。

武田:でも小3のときは「俺の絵を見ろよ!」っていうスタンスだったじゃないですか。

松永:そこで傷付いたんです。周りの誰もが俺の絵を見なくなったり、あと小4から部活動が始まるんですが、そこでなにがイケてるのかという価値観が変わってくるじゃないですか。その現実を目の当たりして恥ずかしくなって絵をやめたんです。そういう小さい挫折を味わってきたので、分かりやすく人前に出ることが億劫になって、1個ずらしてDJになりました。

武田:2人でライブをやってると、ものすごく近い距離で人前に立っている人を見るわけですよね。その後ろ姿に対して、「俺もこっちに行きたかったかも…」という思いはありませんか?

松永:それはライブの立ち位置で解消しています。普通はラッパーは前、DJは後ろなんですが、俺らは上手(かみて)と下手(しもて)で分けてるんです。「なんで後ろに下がらないといけないんだよ!」という思いがあるんですよね。どのグループもDJって後ろなんで裏方と思われがち。

松永:もちろん裏方の人に対してどうこう思ってるわけじゃないんですが、自分は表舞台に立つためにDJをやっているのに、一歩引かなきゃいけない理由が分からなくて。裏方と思われる必要は全くないと思うので、ゴリっと前に出ています。そこに対してはR‐指定もすごく理解してくれています。これってRHYMESTERの影響なんですよ。RHYMESTERってDJ JINさんの存在を宇多丸さんもMummy-Dさんも推すんですよ。DJが何をしているのかをお客さんに伝えるのが上手で、そこにRも影響を受けているので、「ラッパーとDJで作っているライブ」ということを伝えようとしてくれていますね。

武田:松永さんは「目立ちたいけど、目立ちたくないけど、目立ちたい」をずっと回っていますよね。

松永:目立ちたいけど、リスクは背負いたくないんですよね(笑)

武田:はっきり言って、ものすごく人気が出てきたじゃないですか。そういったときに、今の「隠れたり隠れなかったり」というのも、ファンの人は全部肯定してくれるじゃないですか。でもそれって、少し前の松永さんだったら、「肯定されないことでガソリンを溜めながら肯定をゲットしていく」みたいなことがあったと思うんです。それが、「肯定できない自分も肯定される」となると、ちょっと息苦しくないですか?

松永:それは実はないんです。ルサンチマンを武器にやっていくつもりは全然なくて。これってオードリーの若林さんの影響なんです。あの人はもともと人見知りや社交性の足りなさを武器にやってたけど、芸能界の段階をちゃんと踏んでいくにつれ、ゴルフが好きになった話とか、全部ラジオで話してたんです。それが自然だったんですよね。あんなに腐していたゴルフを好きになった話を聞いたときはビックリしたけど、信用できるなと思ったんです。この人は味方を作るためじゃなくて、マジなことをずっと言っていたんですよね。その誠実さに惚れたので、俺も自然な変化を伝えようと思って。あとヒップホップってリアルな精神を伝える文化があるという意味で、嘘つかないようにしようと。売れてきたら正直に「売れてきた」と言ったほうがいいし、ルサンチマンもなくなってきたら正直に「なくなってきた」と言おうと思っています。

武田:若林さんの本を読んでいると、ある段階で「自分を卑下しすぎることをやめよう、自分の立場を受け入れよう」ということをお書きになっていますよね。今度、若林さんの文庫版の解説を松永さんが書かれるということで読むのが楽しみなんですが、その一方、文學界の「ミックステープ」第4回が掲載されていませんでした…。

松永:やべぇ…!

※参考 文學界7月号(砂鉄さんも連載しています)

武田:僕も文學界で連載していますから。目次のところで「ミックステープ」休載の旨が書かれていました。早めに連絡いただけたら、こっちが4ページ分プラスで書きますから(笑)

松永:そんなに俺のケツ拭いてくれるんですか!

武田:拭きますよ(笑)締切4日前にいただけたらなんとかなります(笑)

松永:ありがたすぎる…!いや、本当に書くことが時間かかるんですよ。

武田:初めての連載で、しかもご自分のことを書くってなったら、そりゃハードル高いですよね。

松永:自分の過去を遡るのも時間かかりますもんね。音楽、ラジオ、テレビの仕事も使う脳みそが全然違うので。1日休みがあるからって書けるわけでもない。皆さんすごいなって本当に思いますよ。

武田:ある意味でご自分が売れてきたという自覚があるから、昔に戻る段階が増えたというのはあるかもしれませんね。それこそ2年前ぐらいだったらすぐそばにあったものが。そのチャンネルを変えることが難しい。ということだそうですよ!文學界の編集部の皆さん!

松永:本当、すみません!

幸坂:アドバイスとかないですか?

武田:それはないですよ。松永さんの文章がどう読まれるかというのと、僕が書いた文章がどう読まれるかというのは全くチャンネルの違うことなので。ストレスも全然違うと思いますよ。

松永:武田さんがおっしゃったように、現状やマインドが違うと過去の記憶を遡るのは時間がかかりますね。特に卑屈だったころの記憶を掘り起こすのは時間がかかります。で、掘り起こす作業を甘くすると薄い文章になっちゃいますね。心の底からしんどかったはずなのに、書いてみると上っ面な文章になっちゃうので、もっと真剣になるために瞑想の時間に入りますね。

武田:4日前に連絡いただけたらなんとかしますので(笑)

松永:嬉しいけど、それは良くない!ちゃんと締切守ります!

 

これでも実際のインタビューの半分もありません。全編は、radikoのタイムフリーで

9月9日(水)のGUEST ACTIONを聴くhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200909162745

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)