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干上がるダムに「黒いボール」で渇水対策?!

森本毅郎 スタンバイ!

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雨不足からダムの貯水率が下がって、この夏の水不足が心配ですが、そんな中「黒いボールが渇水対策に有効」という情報が出てきました。本当なのか?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の1コーナー、素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」で近堂かおりが取材しました!

現場にアタック(近堂かおり)

現場にアタックレポーターの近堂かおり

まず関東の8つのダムの現在の状況を国土交通省関東地方整備局河川環境課の斎藤充則さんに聞きました。

★関東の水がめ、例年の半分!

斎藤充則さん
「国で管理している8つのダムの貯水量が今、1億7442万㎥です。これはダムの大きさの51%という貯水状況となっております。特徴的なのは、平均に対する割合が55%ということで、例年の半分ちょっとしかダムに水がないということは、かなり不安な貯水量ということになりますね」

 

まとまった雨がないですものね。気象予報士の森田正光さんもこの番組でおっしゃっているように、

  • 今年は雪が少なくて雪解け水が1ヵ月ほど早く終わってしまった。
  • また5月の雨も非常に少なかった。
  • その上、これからの季節は、農業でたくさんの水が使われる。
  • 気温が高い日が続いたり、乾燥したりすると、それだけ川の水も必要になる。
  • もちろん生活用水の使用も増える。

それなのに、平年の貯水量の55%しか水がないので、国土交通省の斎藤さんも心配していました。

こうなると、使う水の量に気をつけるのはもちろんですが、それだけではなく、ほかにも何かできないかと、ちょっと変わった渇水対策に出ているところもありました。それは、ここ何年も深刻な水不足に悩まされているというアメリカのロサンゼルス。ではどんな対策なのか?そのロサンゼルスの対策を実際に見たことがあるという方にお話を伺ってみました。公益財団法人・水道技術研究センターの主席研究員、高橋邦尚さんのお話。

★黒いボールで渇水対策!?

高橋邦尚さん
「3年ぐらい前にロサンゼルス市にある浄水場を訪問したことがあるんですが、非常に大胆なやり方なんです。浄水処理してきれいになった水を一時的に貯えておく配水池、湖のようにすごく広い配水地の一角に、直径10センチぐらいのプラスチック製のボールを大量に流し入れて、水の表面を完全に覆うことで日光が直接、水に当たることを防ごうとしていたようです。「シェイドボール」というんですが、シェイドは日本語で日影という意味で、影をつくるためのボール、「日影ボール」という意味ですね。日よけすることで蒸発防止の効果もあるんですけど、現地の方からは、日光が水に直接当たると藻(も)が発生して水質が悪くなってしまうのでそれを防ぐためだと、聞いた記憶があります」

 

直径10センチぐらい。中に水が入っているプラスチック製の黒いボールを70ヘクタール、東京ドーム15個分の広さ配水地に、9600万個(!)も流し入れて、水面に「フタ」をしちゃおうという作戦。遠くから見ると真っ黒な油田のよう?ボールの黒い色は炭素のコーティングで、紫外線による劣化を防ぎ、プラスチックの寿命を3倍に伸ばすのだということでした。

元々は、汚れた池とか、空港近くの水面に水鳥が集まらないように使っていたものを渇水対策に使い始めたそうです。2008年からこの作業を始めて、去年、やっと全てを覆えた、ということ。これを水面で覆うことで、この配水池の水の1割にあたる110万トンの蒸発を防ぐ効果があるといわれているからすごいですね。

ただ、高橋さんのお話だと、実際にこのボールの効果についてはまだ分からないそうです。また、このような対策はロサンゼルスの例しか聞いたことがないということで本当に役立つのかどうか?

そこで、こういう丸いボール、球体を蒸発防止に使うことがあるのかどうか、専門家にお聞きしました。球体の専門家?パチンコ球から精密機械の部品まで、あらゆる球体を専門に作り続けて半世紀。大阪の佐藤鉄工株式会社、盛合正志さんのお話。

★球体で蒸発防止、あります!

盛合正志さん
「そういう球体を、工場内の設備で蒸発防止ということで使っているところはあります。メッキをする水槽ですね。まあずっとリピートしている商品もありますので、そこは効果は出ているのかなとは思っているんですが。広さはさほど大きくはないと思うんです。使う球体の量も知れてますので。10ミリの球で3万~5万個ぐらい。(ちなみにアメリカは9600万個…)はあ、とんでもないですね、その大きさにもよりますけど…。10センチですか。相当な機械で回さないと追いつかないですね」

 

あるんですね!ほかにも工場などで、液体の薬品などを入れた水槽の水面に、小さな球(直径10ミリとか15ミリとか)を敷き詰めて、薬液が蒸発するのを防ぐことに使われているそうです。

であれば、サイズを大きくして、ダムの湖面に敷き詰めればいけるかも??

実際には、ダムの水の蒸発防止用に球体の注文は来たことがないそうですが、盛合さんは「何千万個という数やコストを別にすれば、意外と面白いアイデアかも」ということでした。

それならば、この渇水対策を関東の水がめでやってみたらどうだろう?国土交通省の斎藤充則さんに、この黒いボールを使ったどうかに聞いてみました。

★日本のダムでは・・・・

斎藤充則さん
「外国では気温が高い所または乾燥している地域で蒸発を避けるということで行われていると思うんですけど、日本のダムは一般的に山間地に造られておりまして、そういった条件の所ではないということで、そういう対策は今、考えてはおりません。水面からの蒸発よりも、いかにダムの水をうまく使っていくかということに重きを置いて管理しています」

 

ダムの形が違うからダメとは・・・

日本のダムは蒸発による水のロスは深刻ではないので、やはり私たちの水の使い方が対策としては大きいということでした。

現在、関東のダムは10%の取水制限を実施中・・・。まだ一般家庭での影響はほとんどないけど、貯水量の低下が続けば取水制限が引き上げられると、断水の可能性も出てくるので、ご注意を。


TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
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