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東京新聞紙面連動企画 こちら特報部「モーリシャス重油流出 支援何ができる?」

森本毅郎 スタンバイ!

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画ですが、最終回の今日は8月18日のこちら特報部「モーリシャス重油流出」という記事に注目しました。

日本から一万キロ離れたインド洋の島国モーリシャスで、日本の貨物船が座礁し、燃料の重油が流出した事故について、事故の概要をはじめ、重油で何度も痛い目に遭っている日本の教訓を生かすにはどうすべきか?何より今回は「加害国」として支援は何ができるのか?かなり大きく取り上げています。

 

近堂かおりの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200831074113

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★弊紙も含めて報道が少ないのでは?

まずは、なぜ、特報部ではこの事故を大きく扱うことにしたのか。記事を担当した東京新聞・特報部デスクの加藤裕治(ひろはる)さんにお話を伺いました。

加藤裕治デスク
「モーリシャスの事故が大変な事故なのに、弊紙も含めて報道が少ないな、という印象を持っていたので、一度大きくまとめたい、と思いました。私、以前に重油事故を多少経験したこともあるので、少し物足りなく感じていました。
いかに回収するかということによって、その影響の大きさっていうのは変わってくると思います。写真でしか見たことが無いですが、非常に美しいサンゴ礁に油、と思うとゾッとしますね。陸地も植物に対する影響もあるでしょうし、住民に対する影響っていうのもある。
主には経済面。あの辺はサンゴ礁の関係で、ホテルとかが立ち並んでいるリゾート地と聞いています。油で汚れちゃったら客は普通で考えると減ると思います。それから漁業とかも、海に出れないということもあるでしょうし、出て獲っても値段が付かない、ということも起きるのではないか、と想像されます。

この事故について、日本は報道が少ないんですよね。美しい自然におよそ1000トンの油が流れ出てしまった今回の事故は、モーリシャス史上最悪の環境災害と言われています。サンゴ礁やマングローブ林にまで、油が入り込み、こびりついた油の除去は非常に難しく、しかし、薬剤を使ってしまうと生態系を壊す可能性がある、といいます。また、住民への健康被害はもちろんですが、主要産業が観光であるモーリシャスにとっては、住民への経済的な被害も大きい。

★ナホトカ号の事故の二か月後、福井県の海で・・・

経済的なことを特に心配するのは、加藤さんが重油事故を経験しているから。それは1997年のロシア船籍タンカー「ナホトカ号」の座礁事故でした。

加藤裕治デスク
「ちょうど私、福井で働き始めたのがナホトカの事故の二か月後で、着任してきて、その海を見に行ったんですけど、まず。その時には、遠目で見る分にはきれいでしたね、もう。見た目だけですね、まだ、やっぱり。
まず、浜に降りると場所によってはニオイがします。というのは、砂とか岩の割れ目に、この場合、油がですね、なんというか、ぶにょぶにょの固体になっているんですね、そういうものがいっぱい残っているんです。
だから目に付く所の部分は取られているんですけども、ちょっと見えにくいところには、まだいっぱい残っているんですね。それがニオったり、身体に付いたりしました。海で遊べば付きます、黒いの付きますよ、かなり。あ、付きましたね、当時。うーん、やっぱり身体に油付いて黒くなっているのを見ると悲しい気持ちにはなりますよね。
これで、その地元としては早くお客さんに戻ってきてほしいと思っていたんでしょうけども、キレイになった、と思って来たお客さんが、この状況見たら、もう来なくなっちゃうんじゃないかな、と心配になりました。」

今回の6倍、6000トンもの重油が流れ出たナホトカ号の事故。島根県の隠岐島沖の日本海で座礁し、油は、東北から山陰にかけての日本海沿岸に、流れ着きました。(油まみれになった水鳥の写真を覚えている方も多いのではないでしょうか?私も鮮烈な記憶です。)

その事故の二か月後に、福井県に赴任した加藤さん。福井県はナホトカ号の船首部分が漂着し、海水と混ざってムース状態になった油の塊で真っ黒になってしまった海岸・・・。ですから、その夏の行楽客が戻るか、というのが注目されていたため、実際に海で遊んでみたのだそう。

しかし、透明になって綺麗に見える海なのに、泳いだり、磯遊びをすると油の臭いがしたり、身体に黒い油が付いた。砂と砂の隙間に入り込んだ油は回収のしようがないのだそうです海水浴のお客さんは減り、海産物は風評被害を受けました。

★住民の気持ちは「日本は何をしてくれるのか?」

加藤さんも体験したナホトカ号をはじめ、日本は何度も重油事故を経験しています。それならば、その経験を生かして支援できるのでは、と、加藤さんはおっしゃいます。

加藤裕治デスク
「場所が遠いから難しい面もあるし、コロナもあるので、というところはあると思いますけれども、支援はできると思います。すごい卑近なところではお金ですよね、まず。
それから、もう初動の段階はおわっちゃっているんで、環境にそういう影響が、今実際に出てきていて、それを無くすためにはどうすればいいのか、というところの調査と立案みたいなところは協力できるのかな、と。かなりノウハウもあるし、体制も作っていると思います。
責任はそりゃあ企業だと思いますけれども、何といいますかね、だからと言って俺たち知らない、という話ではないと思います。っていうのは、ナホトカ号(の事故)が起きたときも、地元の人たち、もちろんナホトカにも怒るんですけれども、やっぱりロシアという国を考えますよね、被害を受けた人たちは。
補償をちゃんとしてもらえるんだろうか?船会社はそんなに払えるんだろうか?ロシアは何かしれくれないんだろうか?という話が出ますよね。たぶん、モーリシャスの人たちも、日本に対してそういう思いを持っていらっしゃるんじゃないかな、と思います。」

被害住民としては、ナホトカ号にも怒るが、その向こうの国にも怒るものだ、と。つまり、今回ならば「日本は何をしてくれるのか?」と思っているに違いないと。

この重油事故で積極的に動いて評価を上げているのは旧宗主国のフランス。

一方、当事者の日本は、国交省が援助隊を、環境省が職員と専門家を派遣したが、あくまで「民間企業が起こした事故だ」(政府関係者)として消極姿勢。

現地メディアでは「日本とモーリシャス政府の対応は遅い」と批判。その現地で、今、モーリシャス政府の対応を批判するデモが起きている。日本も真剣に取り組む必要・・・

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。