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東京パラリンピックまで1年。各競技団体の現状は▼人権TODAY(2020年8月29日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『東京パラリンピックまで1年。各競技団体の現状は』

本来だったら今は、4年に1度の障害者スポーツの祭典「東京パラリンピック」の真っ最中でした。ですが新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年8月24日に開幕が延期となっています。そこで今回は、パラリンピックに出場する2つの競技団体の現状について取り上げます。

ゴールボール女子日本代表は長期の合宿中

1つ目は「ゴールボール」。視覚障害のある選手が目隠し=アイシェードをして、1チーム3人で、鈴の入ったボールを相手チームのゴールめがけて互いに投げ合うという競技です。今回、女子日本代表の監督、市川喬一さんにリモートでお話を聞いたところ今まさに長期の合宿中ということです。

ゴールボール女子日本代表監督・市川喬一さん
選手たちの練習の環境を安全に作ってあげたいという所で、今もう、ほぼほぼ一か月選手たちと一緒に住み込んでトレーニングしている状況ですね。外を出歩いてしまうと感染のリスクが高まってしまうので、同じ施設の中で共同生活をすることによって感染の予防にもつながるし、いい環境で練習をさせてあげたいという所で今、新たな生活スタイルとして取り組んでいるところですね。

緊急事態宣言中の4月5月は選手たちが集まっての練習が全くできず自宅でのトレーニングがメインだったのですが、6月に緊急事態が解除されてから、都内のトレーニング施設が使えることになり、そこに選手やコーチが住み込む形で、集中的に練習をしているということです。

視覚障害がある選手達の「接触リスク」を軽減

また、ゴールボールの練習中の感染対策ですが、競技の特性をふまえてとりわけ注意を払っている点があるといいます。

ゴールボール女子日本代表監督・市川喬一さん
1つのプログラム終了ごとに、床とかボールとかゴールなどを徹底的に消毒している状況ですね。やはりゴールボールという競技自体が、床の上をボールが転がってきたりとか、体にボールが激しく当たったりとか、床の上を自分たちで体でディフェンスしたりとかする競技なので、どうしてもやっぱり、あまりきれいではないという所はありますので。アイシェードも、目が不自由な人たちが多いので、自分のアイシェードと他の人のアイシェードを間違えてつけてしまう可能性もありますので、そういったところの衛生管理から、自分でしっかりと管理させるとことまでしてますね。

ゴールボールは、守備側の選手たちがゴール前の床に寝そべる状態になるので必然的に床に触れますし、視覚が遮られているため周囲に「触れる」ということがプレイをする上でとても重要です。そんな中で、30分ごとに練習場の消毒をすることで感染リスクを軽減。また、目隠しについては、直接目の周辺に触れないように間に使い捨てのキッチンペーパーを挟む選手もいるなど、対策をしながら1年後に向けての練習をしています。

多様な選手が出場する「パラ馬術」

さて次にご紹介するのはパラリンピック版馬術「パラ馬術」です。フィギュアスケートと同じような採点競技で、選手は馬を操ることで、柵の中で決められた経路にそって歩いたり走ったりして、その正確さ、美しさを競います。どんな選手が出場しているのか。日本障がい者乗馬協会・事務局長の河野正寿さんに聞きました。

日本障がい者乗馬協会・事務局長の河野正寿さん
今、強化指定選手が5名おりまして、グレード1、一番重いクラスの方は脳性麻痺を生まれた時から持たれていて、自足がほぼ困難な方。また中にはグレード4の高嶋選手は元々競馬のジョッキーだったんですけども、落馬の事故で右半身まひ高次脳機能障害を持たれている方とか。世界的に見ますと視覚障害の方も結構おりまして、視覚障害の方にはコーラーという補助をするパートナーがつきます。その声の距離感で、そこの方向に向かっていくというような形で演技をしております。

例えば右半身が不随のため左半身だけで手綱を握りながら馬を操るなど、皆さんがハンデをものともしない演技を行っています。

コロナを機に、障害者と健常者が同じ大会に出場

そんなパラ馬術がいま困っていることの一つは、海外の渡航制限。選手たちはこれまで本場ヨーロッパの試合で経験を積むことも多かったのですがそれが難しい状況にあります。そんな中で、なんとか国内で実戦を行うため、今取り組んでいることがあります。

日本障がい者乗馬協会・事務局長の河野正寿さん
健常者の馬場馬術という競技と、このパラ馬術という競技は、ほぼルールが多少違うだけで、環境的には同じような競技になっておりますので、非公認の試合として組み込んでもらうということも一部やっております。やはり共生社会とかそういうことが叫ばれる中で、障害を持たれている方と持たれていない方が一緒に競技の場にいるということは、これはとても意義深いということに感じております。

8月に静岡県御殿場市で健常者の馬術の大会があり、そこに併催という形でパラ馬術が1競技行われました。今まで安全上や規定上などの理由でこの2つが一緒に行われることはごく稀でしたが今回コロナを機に実現したということです。今後オリンピック・パラリンピック全体としても「共生」の動きが広がっていくといいですね。

(担当:中村友美)