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童話という大人向け作品【魔法の店・後篇】ゲスト:光浦靖子さん

ラジオシアター~文学の扉

毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】

先週に引き続き、ゲストにタレントの光浦靖子さんをお迎えして、H・G・ウェルズの【魔法の店・後篇】をお届けしました。

さて、待ちに待った後篇です!
前篇に引き続き、親子はまだ店の中で翻弄されています。次第にぐんぐんとこの店と魔法に惹き込まれて行くジップと、異変、不安、信じ難いものへの対処に引き返したい母。
それもそのはず。はじめジップの目を輝かせていたその魔法たちは、今では母に白羽の矢が立ち、母の心の内を見透かしたような、終いには赤い小悪魔までもを召喚し母を驚かせます。

…ここで少しこぼれ話ですが、この赤い小悪魔、いや、赤い小悪魔ちゃんとでも呼ぶべきでしょうか。
もう現場の全員が光浦さん演じるこの赤い小悪魔ちゃんに魅了され、一瞬で虜になり、脚本家の横山さん立ち会いの元なんと台詞が増えたり。。笑
もっともっと他の役も見たい!演じて欲しい!と思わずにはいられない、それほどにお二人の演じる1つ1つの役が魅力的です。

物語は終盤。
それまでファンタジックな、ポップな世界観から一転、消えるジップに、不思議な言動に拍車がかかる店員の雰囲気に、途端に緊張感が走ります。
予測も出来ない流れに急転直下な覚醒の瞬間、そして、じっとりとしたラストで筆が置かれます。

ジップの純朴さに影を見るような、狂気と紙一重だったことを考えさせられるかのような、静かに響く言葉。
トンネルを抜けると同じだったはずのものが別のものに見えるような、思わず「どういうこと?!」とその作品への理解を深めたくなるような、これぞ”文学”、”名作”というような終わり方だったのではないでしょうか。

対談のコーナーで、「結局童話は大人のために書かれているものなのかもしれない」と、読書家の光浦さんがおっしゃられる言葉に頷かずにはいられません。
また、そんな光浦さんならではの本屋での本の選び方もご紹介されているので、読書好きの皆さんも、本を読んでみようかな?という皆さんも、是非ぜひ聴いてみてください。

2週にわたってお送りしたH・G・ウェルズの「魔法の店」
目の前で起こる不思議なことを、純粋に面白いと思うのか、奇妙だと思うのか、それだけでも世界の広がり方は変わりそうですね。

それでは、来週はゲストに髙汐巴さんをお迎えして江戸川乱歩の「黒蜥蜴」をお送りします。お楽しみに!
それではまた来週。

by 北村健人


 

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