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俳優の犬飼貴丈さん、『あつまれ どうぶつの森』で島作りのセンスがなさすぎてわけのわからない島を爆誕させる

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

犬飼貴丈さん完全版トーク後編はこちらから↓↓

■破壊はできても、創造はできなかった

「マイゲーム・マイライフ」のゲストは前回に引き続き、俳優の犬飼貴丈(いぬかいあつひろ)さんです。
『どうぶつの森』シリーズがお好きな犬飼さん、『あつまれ どうぶつの森』もやっているようですが……、今作で初登場した島クリエイト機能で大きな壁に阻まれたとのこと。


犬飼「(あつ森の)島クリエイト、あるじゃないですか。結構な失敗をしまして」

宇多丸「ほうほう。失敗」

犬飼「あのですね、わけわからない島になっちゃったんですよ、要するに」

宇多丸「はははははは!」

犬飼「いやー、本当に説明しづらいんですけど……」

宇多丸「どんな島なんですか(笑)。島の名前は?」

犬飼「『俺の島』っていう島なんですけど」


宇多丸「俺の島。俺のハンバーグみたいな」

犬飼「適当につけちゃった。恥ずかしいな、ここでバラされると思わなかった(笑)」

宇多丸「ははははは」

犬飼「僕、ファンの方に聞かれても答えてないんですよ。恥ずかしいな」

宇多丸「俺の島(笑)」

犬飼「で、島クリエイトできるところまでいって、すべての生命を一度ゼロにしたんですよ。草抜いて、樹も全部」

宇多丸「更地」

犬飼「更地に。そこでイチからやっていこうかな、と思ったんですけど。なんかもう、あれって、建築家の方とかがすごくうまいじゃないですか」

宇多丸「はいはいはい」

犬飼「そういう知識も少なからずいるから」

宇多丸「本当にいいやつ作ろうと思ったらね。結局、インテリアに長けている人がいいの作ってるじゃんって」


犬飼「そうなんです。で、僕、気づいたんですけど、そのへんのセンスがゼロなんですよ。だから、更地にする才能はあったんですけど、破壊はできても創造ができなくて

宇多丸「はははははは」

犬飼「だからもう、更地にして、もう一回また樹を生やして、また普通の村に戻ったんです」

宇多丸「ただの村(笑)」

犬飼「なんだこれ、と思って」

宇多丸「要は、自由にクリエイトしていいですよーって言われて、その自由にやる能力が凡庸だった、と」

犬飼「そうなんですよ。一回ゼロにして、また元に戻しただけで」

宇多丸「結構、残酷にセンスの差が。今って色々な人のを見ることができるから、ああ~これ俺は無理だなっていうの、ありますよね」

犬飼「ありますねー! プロっぽい人が教えるキレイな街の作り方(動画)があるんですよ。当たり前のように『まずここを一回整地して』とか。でも、まず整地してって、どうすればいいのかもわからないし、見よう見まねでやるんですけど、やっぱりそこに知識がない分、どうしても見劣りしてしまう」

宇多丸「だからさ、結構残酷な話というか。自由に何でもしていいですよ、のんびり過ごしてください、自分のペースでいいですよって言ってるのに、ほかと比べられるようになると、これただの現実では……っていうさ」

犬飼「そうなんですよ。センスのなさも自覚させられる」

宇多丸「センスのなさ、金や時間の使い方の下手さ」


犬飼「それに、人間関係っていうのもあって、嫌だなって思う住民を追い出せるんですよ。区役所かなんかに行って陰口叩くこともできて。こんなことできるの!? こわ! って(笑)」

宇多丸「そういうね、そういうピリッとしたところもあるのがミソなんだと思いますけどね。『俺の島』、ちょっと見てみたかったですけどね」

犬飼「もうお披露目する機会は一生ないんじゃないかな……っていう島になってしまいました」

宇多丸「ピントのボケまくった、特にこれといって個性も見せ場もない(笑)」

犬飼「ただの島なんですよ」


宇多丸「お話を伺った上で見れば、それも犬飼さんらしい味わいがありますけどね」

『あつまれ どうぶつの森』は本当にその通りでして、島クリエイト機能を最大限まで使いこなせるのは、建築やデザインやイラストなど、もともとそっち方面の能力が高い人なんですよね。ですから、丸腰で色々な人のスゴい島を見に行くと、確かに少しへこみます。こんなの自分には無理だ~、とやる気を失わないコツは、「SNSやYouTubeなどで“いいね”がたくさんついている島は、手が届かない教科書のような存在」と自分に言い聞かせて参考程度に見るか、あるいは、そもそもほかの人の島をわざわざ見に行かないことです。また、「もともとの島の地形を活かしたい」と最初に自分でポリシーを決めてしまうのもひとつの手。元の地形を活かすと、基本的にはスゴすぎる島にはなりませんが、うまくできていかなろうが、島に最初からあった川や窪みをなるべく変えたくないから、と言い訳が立つわけです。
「あつ森」をやっていると、「マイペース」もひとつの能力なのだなぁ、とつくづく思い知らされます。「あつ森」に現実世界での“センスの差”や“知識量”、“競争”のようなものが持ち込まれてしまうかどうかは、自分の気持ちの置きどころ次第。他人を気にしない、比べない、自分だけの世界で自分だけの城を作る。「あつ森」をプレイするのに何より必要なのは、そんな「マイペース力」なのではないかと私は思うのです。……って、そんな深いゲームでしたっけ?

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

■今回のピックアップ・フレーズ

(『ぼくのなつやすみ』シリーズの話)

犬飼「主人公がお姉さんに、『ねえ、いつになったら大人になるの?』って聞いて、お姉さんが『じゃあ逆に聞くけど、あなたはいつまで子どもでいたい?』っていうセリフがあって。あ、そっか、大人だって思ったら大人だし、自分が子どもだって思っているならばずっと子どもなんだっていう、深いメッセージ性がこのゲームにはすごく含まれていて! ぜひ大人になった方にやってほしいなと思うゲームですね」

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

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