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松岡宗嗣×武田砂鉄、LGBTとハラスメントについて

ACTION

TBSラジオで放送中の「ACTION」。金曜パーソナリティは、武田砂鉄さん。

8月7日(金)のゲストは、ライターの松岡宗嗣さん。LGBT法連合会の事務局長を務める神谷悠一さんとの共著『LGBTとハラスメント』では、ゲイの当事者として本を書かれています。今日は同じライターである武田砂鉄さんが、LGBTやハラスメントについてのお話を伺いました。

武田:2019年にパワハラ防止法が成立して、この本の帯が「部長、『ウチにLGBTはいないから』は通用しません!」と書いてありますが、もうこういうことを言うのは法的にしてはいけないことになっているんですよね。


松岡:そうですね。パワハラ防止法というのは厳密には、ハラスメント自体を罰する法律ではなく、あくまで企業に防止対策を義務付ける法律なので、ハラスメントをしても処罰対象になるわけではないですが、この帯文のようなことを言って笑い者にしたり、侮蔑的なことを日常的にしているとハラスメントになるので、少なくとも企業は防止しなければなりません。

武田:「いっけね、言っちゃった」という段階を本当はもう超えているというところから認識しなきゃいけないですよね。

松岡:おっしゃる通りです。法律の適切な知識を得てもらう啓発や、重要な知識を届けるということは企業の措置義務の一つなので、「LGBTはよく分からない」というのは実は法律上ではダメなんですね。


武田:こういったハラスメントの話になると、「いろいろ言いにくい世の中になっちゃったね」という声が出てきます。むしろ泣き寝入りするしかなかった人たちがたくさんいるんだぞということなんですが、どうもチャンネルの切り替えをしない人たちが多いですね。

松岡:「なにも言えなくなる、笑えなくなる」という人も多いですね。でもそれはすでに、誰かを踏みつけて傷付けながら、笑い者にしながら、特定の人たちが楽しめる社会だったということですよね。それがもっと多くの人が、今までの自分だったら見えてこなかったような人も含めて楽しめる社会を作ったほうが、総量としてはハッピーな社会になると思います。

武田:2017年にとんねるずさんの番組で保毛尾田保毛男というキャラクターが問題になったり、去年は『かんさい情報ネットten!』という番組で、見た目で性別が分かりづらい人に「保険証を見せろ」と迫る内容を放送をして問題になりましたが、松岡さんは「LGBT報道ガイドライン」を作られたと聞きました。これはどういう内容ですか?

松岡:たとえば報道の中で、記者がLGBT当事者にインタビューするときに、「普通の人は~~~なんですが、」という、当事者を普通扱いしない形で傷付けたり、「それって趣味なんじゃないの?」と言っちゃうこともよくあったんです。記者側がLGBTに対して適切な知識を得ていないまま報道してしまうことで、より偏見が強化されてしまうことが散見されていました。本書も「LGBTへの勘違いを解きほぐす」ことを目的としていますが、記者さんも適切な報道をしたい意志はあるはずなので、その距離を埋めるために「LGBT報道ガイドライン」を作りました。

武田:テレビにはずっと「オネエタレント」が出ていますが、本来はその人たちを入口に性の在り方を考えられたらいいのですが、どうしても目立つから「ああいう人はああなんだ」と閉じちゃいますよね。テレビが与える影響と現実のズレについてはどうお考えですか?


松岡:まずは「オネエタレント」の人たちの活躍によって、性への好奇心とか知りたいと思った人もたくさんいると思います。でもLGBTって多様な性の人たちのことを表しますが、LGBTの全員が所謂マツコ・デラックスさんのような人だと思い込まれちゃうんですよね。たとえば私もいろんな学校や企業、自治体などで研修をさせてもらうことがあるんですが、「私もゲイの当事者です」と言うと、すごくビックリされることがちょっと前までは多かったです。「その辺りにいそうな人でビックリしました」と言われることが多かったです。本書でも取り上げましたが、たとえば「”ゲイの人は男心も女心も分かる”という思い込み」というのは、ドラマや映画みたいなところで、良き相談相手としてゲイバーのママ的な描かれ方をされて、女心も男心も分かって良いアシストやアドバイスをする、みたいなものだけが表象されてきたことによって、現実社会に生きるゲイの人たちもそういった役割を担わされてしまうとか、そういったことが積み重なってしまうんですね。

武田:確かに良き相談相手のイメージは強いですね。もちろん、相談に乗ることが得意な人もいるし、そんなことやりたくもない人もたくさんいるだろうし、それは立場によって変わるのは当たり前なんだけど、それも強化されたイメージによってそこに乗っからなければいけない場面もあるのかもしれませんね。

引き続き、LGBTとハラスメントについてお伺いしました。GUEST ACTION全編はradikoのタイムフリーで。

8月7日(金)のGUEST ACTIONを聴くhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200807162940

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)