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コロナ禍で見えたコンパクトな経済圏。「チリンチリン三鷹」の取り組み

森本毅郎 スタンバイ!

新型コロナの影響で、最近外食が減って、デリバリーを利用する人も増えたと思いますが、この春から東京の三鷹市内で始まった新しい配送サービス「チリンチリン三鷹」について、8月6日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200806073813

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

新しい配送サービス「チリンチリン三鷹」とは、どんなサービスなのか、「チリンチリン三鷹」の代表、濱 絵里子さんに聞きました。

★三鷹版ウーバーイーツ、自転車でお届け!とは

「チリンチリン三鷹」代表 濱 絵里子さん
三鷹市内にある飲食店や、三鷹の農家のお野菜を、自宅や職場に、自転車を使って配達しています。お弁当とか朝採れの新鮮野菜など多岐に渡るが、私自身もコロナの影響でスーパーに買い物行くの怖いと感じた時期があったので、それをきっかけに始めた。最初3名から始めて、子供向けの工作教室をやってる方、お花教室やってる方など、コロナ以降、事業が回らなくなった友達をどうにかしたいなと思って、この方達に配達員として動いてもらったら良いのではないかと考えました。
森本毅郎スタンバイ!

「チリンチリン三鷹」ホームページ

森本毅郎スタンバイ!

季節のおすすめ商品(「チリンチリン三鷹」ホームページより)

まさに“三鷹版・ウーバーイーツ”。

最近、飲食店の休業によって行き場を失った食料を、直接消費者が買い取る、様々なサービスが登場しているんです。例えば「食べチョク」や、「ポケットマルシェ」といった、全国の生産者から、仲卸などを通さずネットで注文できるサービスが台頭してきているんですが、「チリンチリン三鷹」のポイントは、商品を作る、運ぶ、購入する、の全てが、三鷹市内で回っているという点です。

商品は、市内の中華料理店や居酒屋。さらに野菜やお花、卵を扱う農家など、全てが三鷹産。利用者も基本的には三鷹市民で、配送料が500円がかかりますが、ホームページに載っている商品一覧を見て、ネットや電話で注文。配達員は、スポーツクラブのスタッフだったり、就活がうまく行かない学生など、およそ10名の三鷹市民が関わっていて、注文窓口は、市内の葬儀会社が担っています(濱さんのお知り合い)。

★チリンチリンで救済された、行き場を失った「苗」

まさに「地域総動員」で運営されているんですが、実際に野菜を販売する農家にも話を聞きました。チリンチリン三鷹の立ち上げから協力している、三鷹市北野の「森屋農園」、森屋賢さんのお話。

三鷹市北野「森屋農園」 森屋賢さん
チリンチリン三鷹が始まった時は、週3日だけ限定10セットで野菜を販売していたが、全部出払うぐらいの注文が入った。あと、JAの直売所で、毎年ゴールデンウィーク前から「苗市」という夏野菜の苗を販売しているが、そのイベントが出来なくて困っていた。それを濱さんに話したら、それも一緒に販売しようと。やはりスーパーの買い占めが起きて、農産物も無くなり、買えなくて困っている状況が3月終わり位から始まっていたので、今まで興味がなかった人も、チリンチリンを通して知ってもらえて良かった。需要はかなりあった。

今は、枝豆や玉ねぎ、ゴーヤ、茄子、キューリなど、旬のものを、500円分セットにして販売。森屋さんは、三鷹で農家を営む4代目なですが、春先はたまたま給食用の野菜を扱っていなかったので、休校の影響は少なかったようです。ただ、苗の販売イベントの中止が大きな痛手となったそうですが、チリンチリンである程度、補填できたと仰っていました。

しかも最近は、販売店同士の繋がりも生まれていて、チリンチリンでお弁当を売っている飲食店向けにも野菜を卸し始めたそうです。家族経営で人手が足りなかった森屋農園ですが、配達を任せられるので、販路が広がったと喜んでいました。

★コロナ禍で求められるコンパクトな経済圏

そして、東京で農園を営む「都市農業」ならではの課題も話してくれました。

三鷹市北野「森屋農園」 森屋賢さん
僕ら「都市農業」をやるためには色んな問題があって、大きな一つがどんどん畑がなくなっていくこと。でも、「家の近くにも畑あったんだ。だったらそこの野菜を買えばいいよね、スーパー行かなくても」って今感じてもらえているので、大変な状況ではあるけれど、これはチャンスにも繋がる。非常事態の時こそ、市民・地域の人たちとの繋がりを大切にしていくことによって、僕たちの存在意義が出てくると考えている。

今、地域のつながりという言葉が出てきましたが、実は「チリンチリン三鷹」の代表の濱さんによると、ただの配達サービスだけでなく、それを通した地域のつながりを作りたいというのが狙いの1つ。濱さんは、訪問診療の仕事を長くやっていたそうですが、地域との繋がりを持たないまま、誰にも相談できないまま病状が悪化して、末期になってからようやく訪問診療につながった、というケースを多く見てきたそうです。

地域の繋がりをどう作るかが、有事のいまだからこそ見直されていました。このコロナ禍で、経済活動を地域の中で小さく回していくことも、大事なのかもしれません。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!