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店員さんはロボット。モスバーガーが挑戦する新しいリモートワークの形

森本毅郎 スタンバイ!

このコロナ禍で在宅勤務が広がっていますが、きょうは、中でも新しい形のリモートワークについて、7月30日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200730073800

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

今週から、モスバーガーで、ある実証実験が始まっています。株式会社モスフードサービスの執行役員、金田泰明さんに聞きました。

★期間限定でロボットが接客

株式会社モスフードサービス・執行役員 金田泰明さん
モスバーガー大崎店で、分身ロボットを活用した「ゆっくりレジ」を実験で展開している。大崎店ではレジ横に約20センチ強のロボットを設置していて、そのロボットが身振り手振り色んな動きをしながら注文を聞く。「お店のオススメは何ですか?」 「子供なのでマスタードを抜いてください」等ゆっくり注文を決められる。
実はロボットは大崎にあるんですが、それを操作する“パイロット”と言われる方々は、兵庫県と大阪から操作。また、その2人は障害のある方で外出困難な方ですが、ベッドや椅子の上から操作している。体を動かさなければなかなかできない店舗の動きを、遠隔で対応できるのは、本当に新しい雇用形態だなと感じている。
森本毅郎スタンバイ!

レジ横に置かれたオリヒメ。“パイロット”による遠隔操作で、両手や首も動かせます

7月27日(月)〜8月下旬まで、大崎店で行われている「ゆっくりレジ」という取り組み。通常の有人のレジもありますが、その横に小ぶりのロボットが置かれたスペースがあり、お客さんはこのロボットに喋りかけて注文します。

例えば、「モスチーズバーガーをセットで」と頼むと、遠隔で操作している人が手元のパソコンに情報を入力。そしてそのデータをもとに、隣のレジで会計を行うという流れです。

この「オリヒメ」と名付けられたロボットを開発したのは、株式会社オリィ研究所という企業。いま外食業界も人手不足なので、「これなら無人レジよりも温かみのある接客ができるかもしれない」ということで、モスバーガーの担当者が話を持ちかけたそうです。

★「いらっしゃいませ」が言える楽しさ

では、実際にオリヒメの操作する人はどんな手応えを感じているのか。「脊髄性筋萎縮症」という、筋力が低下する難病を抱えている、兵庫県在住の酒井麻椰さんにお聞きしました。

オリヒメパイロット・酒井麻椰さん
毎日色んな方々と話せるので、それが一番楽しいです。スーツを着ている男性だったら「お仕事お疲れ様です」とか、お子さんを連れてる方だったら「来てくれてありがとう」みたいに話すと喜んでくれます。全然、遠い感じはしなくて、その場で接客している感じ。普段、家族とヘルパーさんしか喋る相手がいないので、楽しいです。
森本毅郎スタンバイ!

オリヒメ。モスバーガーの店員さんと同じ帽子・エプロンを着用しています

この方は、お店では「まやちゃん」という名前で接客にあたっています。幼少期に病気がわかり、車椅子に乗るのも、着替えをするのも、お手洗いも、全ての動作に人の手が必要な「全介助」の状態。今回は、自分の意志で動かせる手を使って、パソコンの前で会話や入力作業を、毎日2時間アルバイトとして行っています。

実は以前オリィ研究所が開催した同様のカフェの店員として、短期間働いた経験はあったそうですが、モスバーガーは初めてなので、新しく商品の名前を覚えたり、実際に自分で食べたり、約1ヶ月かけて準備してきたそうです。

私も店舗に行って接客を受けてきたんですが、本当に目の前で喋っている感じ。他のお客さんを見ていても、ゆっくり会話を楽しんでいる様子で、オススメの商品を聞いたり、ロボットと一緒に写真を撮ったり、普通のファストフードでは見ることのできない光景でした。

★分身ロボットはすべての人が平等に働ける選択肢

まやちゃんは現在23歳。去年、大学を卒業したばかりだそうですが、お話を聞いていると、実は以前こんな葛藤もあったようです。

オリヒメパイロット・酒井麻椰さん
就職活動を大学4年生の時にしたんですが、普段から介助がいるので書類で落とされる。小、中、高校、大学って皆と一緒に進んで来たのに、就職というステップになった瞬間、皆、急に遠くに行って孤独を感じた。自分は必要とされてない、この世から。こんな自分がいてもしょうがないと考えた。子育てや親の介護、そういう人たちもやりたい仕事じゃなくて、できる仕事って何だろうと考えると思う。でもオリヒメを使ったら、やりたい仕事がでる。店に入ったら普通にオリヒメがいる、そういう世の中が来たら良いと思う。

就職活動では30社以上受けて、全て落とされた。自分のせいなのか、自分の「体」のせいなのか…。周りの友達は次々と内定が決まる中で、本当に一人落ち込んだそうです。

ただ、そんな中で、「分身ロボット」という新たな選択肢が生まれています。障害のある・なしに関わらず、高齢者でも、様々な事情で家から出られない人でも、平等に働ける選択肢の一つとして広がって欲しいと、まやさんは仰っていました。

 

 

田中キャスターが以前「オリィ研究所」を取材したレポートはこちら

 

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!