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東京新聞紙面連動企画 こちら特報部『気象庁 懐事情“警報”で HPに広告』

森本毅郎 スタンバイ!

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」。毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画。

今日は7月17日の『こちら特報部』、【気象庁 懐事情“警報”で HPに広告】という記事に注目しました。9月から、気象庁のHPに1ページにつき2、3か所で広告を載せる予定だ、ということなのですが・・・。

 

近堂かおりの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200727073929

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★年間79憶回閲覧!広告媒体として価値あり!

気象庁は、なぜHPに広告を掲載することにしたのでしょうか?そもそも、そんなに懐事情がキビシイのか?記事を担当した、東京新聞・特報部デスクの大村歩さんに教えていただきました。

大村歩デスク
「財政事情が厳しいのでそれを補うためにやります、と。気象庁のHPというのは、天気予報、豪雨災害、地震とか、いろんな時に皆さん見ると思うので、ある意味人気のあるHPだと思うんですね。年間79億回もページビューがあるということで、その収入になるだろうということだったそうですけども、毎年災害も、豪雨災害も含めて起きていますし、当然政府から、ちゃんと予算を割り当てられて充分な予算でやっているんだろうと思っていたんですけども、情報発信だとかシステムの維持費だとかが色々お金かかりまして、それに対して充分な手当がないようで。9年前から比べると、約3億円減っているという状況なんですね。だから、お金は無いみたいです。結果としてアメダスとか、そういう観測器の整備費を圧縮するとか、そういう工夫をしてなんとか凌いでいる、と。」

毎年災害が続く中で、およそ3憶円も予算が減って、そのやりくりの中で、計測器の整備費を圧縮、という話と聞くと、災害などの予報は大丈夫なの?と不安になります。

どこも、財政がキビシイ、というのは同じで、自治体の民間広告活用は増える傾向にあり、自治体のHPの最多閲覧数は170万回。それに比べて、気象庁のHPの79億回という年間の閲覧数は、広告媒体として非常に価値がある、と言えます。そう考えると、財政事情のキビシさを、広告収入で補いたい、というのも、分かります。

ちなみに、広告収入はHPの維持運営費、他には回らない。でも広告収入によって隙間ができれば、他の対応すべきことへの余力にはなるのでは、と気象庁は言っています。

★国の機関が一般企業の広告を載せる。これは問題ないの?

ただ、気になるのは、気象庁のHPは、災害時のライフラインともいえる重要なもの。民間の広告を入れることは弊害にはならないのでしょうか。

気象庁は、広告を掲載することで、必要な情報を探す邪魔にならないように不適切な内容が掲載されないように、また動画などサイズの大きな広告を掲載することでHPの動きが悪くならないように、細心の注意を払う、と言っています。さすがに充分に監視はするようです。

しかし、もう一つ気になる点があります。それは国の機関が一般企業の広告を載せる、というのは問題ないのか、ということ。大村さんに聞きました。

大村歩デスク
「非常にちょっと微妙だなとは思います。国の機関とかが載せているページにある広告となると、かなり信用が高まってしまうので、そこのところも注意しなきゃいけないんじゃないか、と思います。前にやったことがあるということで、外務省にも問い合わせましたが、結局やったのかやってないのかも含めて回答は無かったんですね。それくらいあまり良い思い出じゃなかったようですけども。気象予報士の森田正光さんに伺ったところ、『気象事業全体に対してなかなかお金が落ちてこない状況がある。国の財政がキビシイ中で民間の資金導入は賛成ですね。ドイツとかでは国が低気圧の命名権を売っているくらいだから。』とおっしゃっていたんですね。それ(低気圧の命名権を売る)はちょっと驚いちゃったんですけども、世界的には必ずしも国の予算で全部賄わなければいけない、という発想でもなさそうですね。」

気象庁によれば、4~5年前に外務省が民間広告を載せていたが、他の省庁ではしていない、と。(外務省は思い出したくない思い出のようですが)しかし、ドイツでは国が低気圧の命名権を売って、それを財源にしている、という森田さんの話を聞くと、世界的には珍しい話ではないようです。

★この国の防災への姿勢は・・・

それにしても、森田さんの言う『気象事業になかなかお金が落ちてこない』というのは、災害が多発しているのに国の予算というのはどうなっているのかな?と思いますよね。大村さんも、取材を終えて、こんな風におっしゃっていました。

大村歩デスク
「防災全般でもっと予算を増やすべきだという風に、東京大学の関谷直也准教授はそうおっしゃっているんですね。『人命とか公共の福祉にかかわる問題なので、財政難だからと言って民間広告やHPの閲覧数に頼ってたんじゃダメだ』と。やっぱり私も思いますけども、減ってますからね、9年前と比べて。9年前というと2011年。東日本大震災があって以降の話ですからね。それを考えると、あれがあったんだったら、なおさら増やすべきなんだろう、と思いますけどね。減っている、というのはちょっと理解しがたいな、と思いますね。例えば防波堤を造るとか、そっちにお金まわしてるんだから、それは防災予算だ、っていう言い方もあるかもしれませんけども、防災って気象情報を先取りして国民全体がそれに備えるっていうこともすごく大事なことだと思うので、そっちの方にもお金を払うべきなんじゃないかな、と思いますね。いま、GO TOキャンペーンとか、本当にその予算の使い方でいいのか、という批判があると思うんですけど、まさに、この気象庁の件などは予算の配分をもっとこういうことに使うべきなんじゃないか、という声が国民から上がって来るんじゃないかな、と思います。」

東日本大震災があって防災全般の予算が増えた、ではなく、逆に減っている、というこの現実・・・。大村さんと同じく「理解しがたいな」が正直な感想。記事のおしまいには、『この国の防災への姿勢が出てしまっている』という東京大学の関谷准教授のコメントがありますが、この予算配分では、そう思われても当然、という気がしました。

ちなみに、2020年の気象庁の予算は555憶円。アベノマスクの予算は466憶円。

最近の豪雨災害では、線状降水帯の予報が課題、と言われている中で、マスク二枚とちょっと、という気象庁の予算は、どうなのでしょう・・・。まさに政府の姿勢が問われますよね。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。