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「映画監督にとって一番大切なのは人を信じること」行定勲×松岡茉優 が想う映画・演劇の今とこれからとは?

松岡茉優 マチネのまえに

7月26日・日曜お昼12時から放送された『松岡茉優 マチネのまえに』、第17回放送。

『松岡茉優 マチネのまえに』7月26日(日)放送http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200726120000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

行定勲監督のちょっと早い誕生日をお祝い!

松岡:今週もスタジオからお送りしております。普通のことなんですけども、ほんとはね。でも私はちょっとむずむずしております。そして私の眼の前には先週に引き続き、スペシャルなゲストをお迎えしております、映画「劇場」の監督、行定勲さんです!

行定監督:よろしくお願いします。

松岡:監督、来週8月3日に52回目の誕生日を迎えられるということで、ちょっと早いんですけど・・・
(※スタジオの2人の前にあるアクリル板の上から行定監督への誕生日プレゼントを渡す松岡さん)

行定監督:あ、ありがとうございます(笑)

松岡:前に監督から誕生日にもらったクッション、使ってます!あれ、沙莉も持ってて。

行定監督:ウソ!?

松岡:同じやつ!お揃いになりました(笑)

行定監督:ほんと!?偶然だね〜。

「King Gnu井口君の印象的なヒゲ。「永田」と対峙させてみたら意外な感じが良かった」(行定監督)

「あのシーン、すごい良かった!」(松岡)

ラジオネーム「おばっけばっけ」さん

僕はKing Gnuのファンです。なぜKing Gnuの井口理さんにオファーをしたのか知りたいです。

松岡:映画『劇場』のキャスティングについてのメールでした。そうなんです、今回はですね、なんとKing Gnuのボーカリストの井口理さんが出られております。私も最初紹介された時、「あ、あの人だ!!」って思いました(笑)だからちょっとびっくらポンなキャスティングなんですけど。

行定監督:世の中的にはまだKing Gnuがそんな浸透する前じゃない?知ってる人は知ってるよね、音楽好きの人はもちろん。けっこう尖ってて。

松岡:あ、そうか、紅白前か!

行定監督:ぜんぜん前ですよ。あの後に紅白が発表されたんでKing Gnuって、年末のフェスとか盛り上がったんだけど。なんかね、自分が天才かどうかわからない主人公と明らかに自分より認められてる。で、天才って世の中は言ってるんだけど、僕は果たして認められてる人間が本当に天才なのかどうかと色々思うんだけど。対峙した時に、自分は明らかに圧倒的に負けてるっていう思いの圧倒的な差が欲しかった。

松岡:「永田」との・・・

行定監督:そうなんです。で、同年代と同い年という設定があるから、同年代で俳優で探すと共演経験があるかとか。どうしても作り物に思えてしまう。

松岡:交友関係もありますもんね。

行定監督:それってやっぱりどうかなと思ってて。で、「永田」と「沙希」という、ほぼこの二人で引っ張っていく映画だから、そこにとってつけたようなスペシャルゲストが現れても、逆にこの二人の邪魔になるなぁと思って。知る人ぞ知る人でいいなって。誰がいるだろうと思ったら、たまたまスタッフの一人がKing GnuのMVの美術のスタッフをやってて。「なんか井口君は役者とか演劇経験もあるし舞台もやってたし、いろいろやりたいみたいですよ」みたいなことを聞いて。あ、井口理ありだなって思って。彼はヒゲが印象的じゃない?「永田」もヒゲを生やしているんだけど、どっちかというと無精ひげで曖昧なヒゲの感じだけど、彼は完全にヒゲというものが板についてる男で顔のルックスもいいし背も高いし。この二人が対峙したらちょっといいのかもなと思って井口君に言ったら、是非やらしてくれって言って決まった。結果、King Gnuがこんな売れるとは。ここまで売れるっていう・・・

松岡:国民的アーティストになられましたねー。

行定監督:だけど本人のやっぱりその良さが滲み出てるから。ほら、天才で俺様な芝居をするっていうことも出来たわけだよね。そうじゃなくて、実際にそういうふうに勝手に妄想で主人公の「永田」が思っていただけで、会ってみると意外と人に気遣いもあるという。

松岡:あのシーン、すごい良かった!

行定監督:意外とそういうところがあるっていうのが意外な感じっていうか。みんなが勝手に想像している売れた人間と違う人間をちゃんと演じてくれたんで、それはよかったなあと思いますね。

© 2020「劇場」製作委員会

「伊藤沙莉は唯一無二のあの声!信頼感もある」(行定監督)

「松岡茉優と伊藤沙莉は演者として良い関係と感じた」(行定監督)

ラジオネーム「いずむ」さん

茉優ちゃんと伊藤沙莉さんの共演が楽しみです。『劇場』の原作を読んだのですが、もしかして同じシーンには出てこないですか?伊藤沙莉さんの印象はいかがでしたか?

松岡:そうです!お察しの通り、私と沙莉、現場では会っておりません!

行定監督:会ってないんだよね(笑)

松岡:沙莉のキャスティングは・・・なんか緊張するなぁ、親友のキャスティングを聞くのって・・・

行定監督:沙莉ちゃんはね、実は映画『ナラタージュ』にちょっとだけ出てんのよ。

松岡:そうそう!

行定監督:あんなちょっとしたシーンで、まさか伊藤沙莉が出てくれるとは思わなくて。もともと彼女、声が素敵でしょ。唯一無二の声だと思うんだけど。あの声ってすごいよくて、どこでもオールマイティに彼女に役を与えたら彼女なりのその役に色付けてくれるだろうなっていう信頼感もちょっとあるというか。

松岡:はいはい。

行定監督:『劇場』の青山という、ちょっとクセのある女なんだけど。まぁ小説を読んだ時から、伊藤沙莉とかいいなと思ってたんですよ、漠然と。誰がやれるんだろう、これはって思った時に。だから無自覚にしました。だから松岡茉優と親友だっていうことが、あとで飯食ってる時に。そういやそうだよねって、それはそうだ、一緒にやってたって。

松岡:ははは(笑)それが同じシーンが無いというのはどこかで監督の中であったんですよね。

行定監督:それもあるし。逆にいうと同じシーンが無いから、いかに「沙希」と「永田」の2人の関係が今ギクシャクしている状況を察しているという設定だから、友情を感じましたね。「もしよかったら沙莉にこのシーンを見せてもらっていいですか?」みたいな気遣いがね。

松岡:言いましたね。

行定監督:そういうのがあるところが、演者としてすごくお互いに良い関係なんだなというのが感じましたね。

松岡:嬉しいな。

© 2020「劇場」製作委員会

「映画『GO』が世界で評価されたことで、映画の普遍的な考え方を学んだ」(行定監督)

「「沙希」のセリフを絶対言いたい!誰にも言わせたくない!私の口から吐きたいって思った」(松岡)

ラジオネーム「りょおと」さん

「マチネのまえに」で松岡さんは「おはスタ」に合格した時や「桐島、部活やめるってよ」で役をもらった時などターニングポイントとなった作品との出会い、心境などを話されてきましたが、行定さんにもそういったターニングポイントになるような作品や出来事ってありますか?

行定監督:『GO』という映画ですかね。あれは僕にとって未だに世界の映画祭でも『GO』の監督だろって思われるし。僕はまだ31歳だったんですよね。若かったというのはあるんだけど。その時にキャスティング、窪塚洋介や柴咲コウとか、山崎努さん、大竹しのぶさんに支えられてですね。何だろうなぁ、この一本でダメだったらきっと干されるんだろうなという、ちょっと崖っぷちに立ったような気持ちで。そういう時に限って意外と現場がスムーズに事が淡々と進んでいくっていう不安もあって。あの映画で世界の映画祭をたくさん回ったんですよ。それは3作目にして世界の映画祭に受け入れられたのはすごくラッキーだった。僕の映画の作風ってどっちかっていうと、日本人が日本人に向けてちゃんと理解できるものを考えてるし。もっとグローバルに視野を広げてテーマを掘り下げた、どの世界にいても通じる普遍的なテーマを考えることがあると思うけど、僕はどっちかというと、まず日本人が日本語で日本の映画をまず理解することが海外の人がそれを見て面白いと思ってくれたらそっちに広がっていくという考えだったんだけど。あの『GO』という作品は、世界にちゃんと通じるものを作るっていうのも一つの映画のあり方なんだなということを教えられて。3作目にして教えられたから、その普遍的な考え方を学んだ作品だったかなと思いますね。

松岡:30代前半の若い段階で、もうこれでダメだったらって考えておられたんですね?

行定監督:僕ね、監督じゃなくても映画に携わる仕事をやり続けるってのはテーマですよ。今もそうです。だからプロデューサーをやってもいいと思うし、誰かに脚本を書いてって言われれば脚本を書くっていうことでもいいと思ってるんで。役者だけはやらないですけど(笑)

松岡:(笑)

行定監督:映画に携わるという気持ちでずっとやってきたから。今は監督というのが一番求められてるから監督をやることが多いんですけどね。

松岡:それでいうと、今回の『劇場』の脚本は蓬莱竜太さんが担当されてますけど、それはどうしてだったんですか?

行定監督:やっぱりね、演劇人に書いて欲しかった。

松岡:はぁ!

行定監督:又吉さんが演劇の事を何人か知ってる人たちにたくさん取材しながら、しかも小劇場だから演劇のしきたりとか出てこないんで自由でいいんだと思うし、芸人の延長上でもいいと思うし、それで分かると思うし。けど、あの甘酸っぱい感じとか青春のどうしようもなさを演劇人から見た、しかも信頼できる蓬莱竜太が書いてくれたら又吉さんの原作をどう読むんだろうと思ったら意外と忠実に、でもここぞというところはきっちりとセリフを作り込んでくるんで。演劇人がこれを見て、ぐっと来て欲しいなと思ったの、いちばんね。

松岡:蓬莱さんの本のセリフ、「沙希ちゃん」や伊藤沙莉が演じた「青山」もそうだけど、気持ち良いところ、痒いところに手が届くようなセリフで。なんでこんな私たちの気持ちがわかるんだよって思って。原作の事も知っていたし、行定監督の作品でオファーが来たというのもすごく光栄だったけど、セリフにぐっと心掴まれたのが私の最初のスタートダッシュでしたね。これ絶対言いたい!って思った。誰にも言わせたくない、私の口から吐きたいって思ったんです。

行定監督:それは蓬莱は喜ぶね。きっと彼は「そうでしょう」って顔をする、そういうヤツなんでね(笑)

© 2020「劇場」製作委員会

「映画製作は人を信じることが大切。絶対に良い方に導いてくれる」(行定監督)
「私も若いから現場でまだ譲れないことが多くて・・・」(松岡)

ラジオネーム「マイルドとおる」さん

専門学校で映像を学んでいます。映画監督にとって一番大切なことは何だと思いますか?

松岡:ちょっとざっくりだけど。でも知りたいなー。

行定監督:そうね、なんだろうなー。「人を信じること」かな。

松岡:ああ、監督!それはもっと大きな声で言ってください!お願いします。

行定監督:これはね、絶対だね。映画って一人で作れないですよ。大勢で作ってるんですね。今もこのコロナ禍で結構大変ですよ、なるべく少人数でやれとか、入れ替わり立ち代わり。でもね、人のアイディアって自分の気持ちを凌駕するんですよね。自分の考えを押し付けるっていう芸術家はそこに妥協しないわけですけど。でもそういう側面も持ってないとダメだと思うけど、ただまずは人を信じて。僕の場合はだから1テイク目はなんとなく自分の考えを言うけど曖昧、ガチガチにしてない。

松岡:たしかに、たしかに。

行定監督:まず見せて欲しい。それを最初からガチガチに鎖でこっちだって引っ張ると自由な道が本当はあったのに意外と人って見てないから気づかない、自分の道しか見てないから。もっと素敵なものが意外とそこにあるんですよ。僕はそういう寄り道するのは、けっこう良いと思う。

松岡:でもエンドロールの一番最後に出てきちゃうわけじゃないですか「監督」って。だから私たちが好き勝手、俳優だけじゃなくても各部が好き勝手やってるのと線引きってすごく難しくないですか?自分がやっぱり監督作品であり、やりたいことがあって。私もまだ若いから現場で譲れないことがすごく多い。できない、それは彼女はやんないですって思っちゃうことがやっぱり多くって・・・

行定監督:でも、それは重要なんだよね。何で彼女がこれをやれないのかっていうのは松岡が演じてる、例えば「沙希」はこれをやらないっていうことがね、その役をぶらさないんですよ。僕はそう思ってて。そうかできないか、分かった。そのできなかったことはどっかで解消するかもしれないけど、ここはわかったってなるでしょ。で、こういう話があって。例えば拳銃をバーンと撃つシーンがあって。この音がものすごく大きかったとしますよね。そしたら音の編集で音響効果さんに「ボリューム下げてもらっていいですか」「わかったわかった、今のはちょっとテストだから」って、次に下げるんですよ。まだでかいと思うの、俺は。でも向こうは大先輩だし。

松岡:言いづらい(笑)

行定監督:「もうちょっと・・・今の100人ぐらい死んでる感じがするから、この拳銃の音は一人を殺してる感じにして欲しいんです」「わかってるよ!」と下げるんだけど、うるさいんですよ。で、次は本番行きますという時に最後に「もう気持ち抑えめで・・・」「わかったわかった」。で、下げるんだけどこれ以上は下げないです、その人は。ということは、この人の今までの経験も含めて、この音は絶対あった方がいいっていうことがあって。そういう時は自分の中でいろんなことの中でオッケーになるでしょ。1年後ぐらいにそのシーンが来た時に何気に見てたら、ドンってきた音が「おお!」って気持ちに来るんですよ。彼のこだわった一つのポイントというのが1年後ぐらいに冷静になってみると伝わってくる。それって客観性なんだよね、この映画においてこの音は絶対必要だよ、みたいな。役者もそういうことをやってるんだと思うの。だからキャスティングした時点で、ほぼ80%ぐらいは決まってるから、キャスティングってものすごい重要なんです。まあまあ、もういいよ彼女で行こうか、スケジュールが合うから、みたいなことじゃ困る。だからスケジュールを合わせて。やっぱりね、人を信じるのはものすごい重要だよね。絶対に良いところに導いてくれるんだよ。

© 2020「劇場」製作委員会

「映画『劇場』の映画館公開は譲れなかった。全世界配信は日本の作品では“初”です」(行定監督)

「劇場作品と配信作品は両方あっていい。ただ、わかりやすい映画ばかりにならないように」(行定監督)

「映画を愛する監督の口から配信の良さを聞くのは衝撃」(松岡)

ラジオネーム「ラフター」さん

映画『劇場』、とても楽しみにしていたのですが、私の住む山梨県では上映がありません。しかしAmazonプライムビデオで見られるので、絶対見たいと思っています!

松岡:映画『劇場』は、もともと4月17日公開予定として大きな規模で公開されそうだったんですけれども、映画館の上映は全国20館、ミニシアターを中心に公開されます。この話は簡単に聞けないからあれですけど・・・

行定監督:このコロナ禍において、4月に皆が見たかったと気持ちがグッと上がったところで僕らもいよいよ公開のところで断たれてしまったのね。じゃあ次どこで上映するか。なおかつこれね、最初280スクリーンとすごい期待値が高かったの。最初はもうちょっと小さかったですよ。それがどんどん広がって280まで広がったから、宣伝にも多く費用がかかったりしてるんだけど。その期待値が上がれば上がるほど、もう1回やり直すってものすごい大変な事なんですよね。これが低予算の小さな映画だったらフレキシブルにできたんだけど。僕も色々考えて・・・「鮮度」ってあると思うわけ、映画がいつ見たいのか、このコロナ禍で確実に今この人達に届けたいんだって、今見たいと思っている人達に届く方法は何なんだろうって、ずっと試行錯誤していて。ただ、僕は映画監督なんで映画館で上映されないと絶対ダメだということだけ譲れなかったのね。で、これね、Amazonプライムビデオさんから「ストリーミング配信という形で皆さんに届けられたらどうでしょうか?」という提案を頂いた時に、僕は配信がまだよくわかってなくて。どういうことなんだろうと思いながら色々考えたんですけど。ただ、彼らのこの映画に対する評価がものすごく高かったのね。なんて言っても「全世界に配信したい!」って言ってきた。

松岡:あらっ!

行定監督:例えば、2年前くらいにアカデミー賞を獲った映画「ローマ」は Netflixさんだったんですけど、あれは全世界配信をするストリーミング作品なんですよ。だけど、ロサンゼルスの映画館で一週間ぐらい上映してたりするんですけど。それと同じ方法を日本でやれないかなと。

松岡:え!?じゃあ・・・日本の作品としては“初めて”なんですか?

行定監督:初めてです!

松岡:やだー!もう早く言ってくださいよぉ!そしたら私、いろんなところで言ったのに〜。

行定監督:(笑)日本では初めての試みで。全世界の人たちが、山﨑賢人と松岡茉優の二人の芝居を見てもらえるというのはかなり俺も嬉しい。アメリカの彼らがそれを判断したってことは、やっぱ世界に通じるような、男と女の話というのは通じるものなんだなぁと。

松岡:普遍性があって。

行定監督:そうですね。英語タイトルは「Theatre:A Love Story」。海外でも見れますので。

松岡:今回ですね、行定さんはコロナ禍でYouTubeLiveで短編映画を2本配信されましたけど。それはAmazonプライムビデオさんとの配信についての理解というか、悩みを越えてのことだったんですか?

行定監督:超える前です。渦中です。

松岡:じゃあ共鳴し合っていたということですか?

行定監督:どうなんだろうと。まず配信を知らない。今、配信の作品を新作でなかなかコロナの状態で作れないって言ってたけども、実はZoomみたいなものを使えばできるのかなと思ってやってみたんですね。だから、配信の良さって僕らが今作ってる、コロナ禍の状況の中でいる男女の話を作るとしますよね。それがすぐに観客に見てもらえるんですよ。

松岡:うん。

行定監督:完成しました、で、いろんな準備して宣伝して1年後に劇場で公開するのを待つよりもすぐに世界中に配信できる。このスピードは今までに自分は感じたことがない。だからコロナ禍にみんなでZoom飲み会をしてる話を作ったんだけど。そしたら、みんなが実際やってることを俳優たちがやってるのを見せられるというのは、気分としては作品が同時代性を感じるというか。今までとちょっと違うものに見えるよね。

松岡:監督の口から配信の良さを聞くっていうのが、私はけっこう衝撃です。私はてっきり映画館だけで公開するほうが、監督やプロデューサーさん、映画を愛する人達にとってはそれが眩しい形だったんじゃないかなって思っちゃってたから・・・

行定監督:でも、もちろんでそれはそうなんですよ。僕が一番映画館でたくさんの人に見て欲しいという思いが・・・スタッフ、キャスト含めてみんながそう思ってるのは前提なんだけども。ただ、それだけじゃないよねと。今後は配信を見たら、こういう状況が起こる状況もあるし。だから僕はね、観客の皆さんは映画館を欲していると思うんですよ。で、逆に言うと自分は映画館で見たかったんだけど Amazon で見るしかない。でも見たら、いてもたってもいられなくて「これ、やっぱり劇場で見たいよね!」と思う気持ちが起こると思うんですよね。だからそういう作品を作っていかないといけないんだろうなと改めて思ったというのはありますよね。

松岡:今後の映画界としては・・・二人で話すのもあれですけど、配信と手を取り合って行けると思いますか?

行定監督:僕はセパレートして考えてますね。配信と果敢に組む作品、それとやっぱり王道の劇場で見てもらうというのは完全に自分の中で両方あっていい。

松岡:なるほど。

行定監督:こういうコロナの状況から先のことを考えると、次に作る映画は“確実に回収できる映画”になってくる。となると、みんなが喜ぶファミリー向けとか、アクション映画とか大きな仕掛けのものじゃないとできないけど、こういう『劇場』みたいなささやかな二人の演技の緻密さみたいなものを追い求めてる映画は、どっちかというと回収というよりは“いい映画”として作られるというものじゃない?そういう時になかなか大きな王道の、今から公開する映画の中で組み込めなかった時に、例えば『ナラタージュ』なんか10年待ったんですよ、10年経ってやっと出来たんですけど。そうじゃなくてもしかしたら、配信はどっちかというともっと多様性、いろんなものを世界中で見せるという発想だから、こっちに企画を通して、映画祭を通して、映画としてまずは披露して、配信をやりながら「この作品はもったいない、映画館で見せたいよね」というところにミニシアターと組んでやるのは健全なやり方だと思う。そうじゃないと、みんな分かりやすい映画ばかりになっちゃうのは僕らとしては避けたいなという気持ちはありますね。

松岡:今回の『劇場』、私もさっき初めて聞いたけど、Amazon プライムビデオさんで日本初の世界配信の作品となりましたが、ユーロスペースをはじめ全国20館のミニシアターでも公開中でございます。監督がおっしゃったようにどちらがきっかけでも構いません。この映画にもし触れてもらえる機会があったらとても嬉しいです。詳しくは映画『劇場』のオフィシャルサイトでご確認ください。最後に映画『劇場』の見所をお願いします!

行定監督:松岡茉優の芝居です!

松岡:ヤダァァァ!山﨑賢人もって言って!

行定監督:山﨑賢人と松岡茉優の、このなんだろう・・・僕はこの一瞬一瞬を録り逃さないようにしなきゃっていうふうにカメラマンと照明技師とみんなで緊張感を持って、良い現場の空気が流れていて。それが皆さんにたぶん伝わると思います。是非ともそれを堪能してください。

松岡:「マチネのまえに」初登場で初ゲストでしたけども。監督、また来てくれますか?

行定監督:もちろん!よろしくお願いします。

松岡:じゃあ映画『劇場』がさらなる飛躍をした時に来ていただいて。今日話せなかった話もたくさん伺いたいなと思います。

行定監督:また映画を一緒にやりましょう!

松岡:いいんですか!?ぜひ、アクリル板越しに待っております!ゲストは現在公開中の映画『劇場』の監督、行定勲さんでした!監督、本当に呼んでください!

※映画『劇場』の劇場情報はこちら!

※Amazonプライムビデオの配信情報はこちら!

© 2020「劇場」製作委員会

松岡:来週の「マチネのまえに」は、ふたたび『おうち収録』に戻ります。戻るんかーい(笑)どうですか、音、違いますか?

初ゲスト、映画『劇場』の監督「行定勲さん」のお話の感想、そして映画『劇場』を見たよ!という感想メール、ぜひぜひ送ってください!

そして、2週ほどお休みしてましたが・・・シェア中の「学校や地域の催し」「熱い・ぬるい部活の話、珍しいクラブの話」や、『おうち収録』ならではの「一緒に作ってみようシリーズ・第4弾のお題」、「リクエスト曲」「質問」「その他」なども、引き続き、大募集中です! すべてのあて先は番組のメールアドレス mmmm@tbs.co.jp まで。『松岡茉優 マチネのまえに』から「m」を4つです!

番組Twitterも稼働中。ハッシュタグも #mmmm です! 余力のある方は #松岡茉優 も付けてくださるとありがたいです! 毎週日曜日お昼12時から、ぜひ一緒に「マチネのまえ」の時間を過ごしましょう。

(TBSラジオ『松岡茉優 マチネのまえに』2020年7月26日(日)放送より)