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入院中の子供たちに芸術体験 ~コロナでどうなる~ ▼人権TODAY(2020年7月25日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権TODAY」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

コロナで病院ボランティアが中止

杉並区のNPO「スマイリング ホスピタル ジャパン」は、入院している子供たちにワクワクするような楽しい時間を過ごしてもらおうと、プロのアーティストが病院を訪問して一緒に歌を歌ったり工作をしたりする「参加型」の芸術活動を提供しています。
2012年に神奈川県内のこども病院で活動が始まり、現在は全国の病院や障害児施設など44か所、訪問回数は年間540回にのぼっています。

ところが今年に入って新型コロナの影響が出始めます。病院の中という、とてもデリケートな場所での活動のため、3月から面会制限がかかり、どのボランティア団体も病院に入れない状態になってしまいました。このため、子供たちが参加する体験型の活動はできず、アーティストの病院訪問を取りやめることになりました。

「スマイリング ホスピタル ジャパン」代表・松本恵里さん

松本恵里さん

いろんな工夫をしてもコロナを100%防げるわけではないので「もう来ないでください」みたいに言われてしまうと、子供たちは今まで楽しんでくれたし、成長期の子供たちにとっても「情操活動ってすごく大事だよね」っていうところが、また振り出しに戻ってしまう。今までさんざん活動して苦労して現場に理解してもらって「子供たちにこういう活動は大事でしょ」ということを理解してもらうために、ずっと実績を重ねてきたにもかかわらず、コロナによって「ほらやっぱり危ないからやめようよ」みたいになってしまうと、今まで頑張ってきたのが水の泡だし、子供たちの笑顔もどんどん減ってしまうのかなと思うのが辛いですね。

4か月ぶりに再開

3月からコロナの影響で病院の訪問は中止となりましたが、7月になって広島の病院から「ぜひ来てほしい」と訪問依頼がありました。先日、広島県内の病院を訪れたのは、地元で活動する打楽器奏者の折田新さんと、ラテンピアニストのアルバル・カスティージョさん。3年ほど前からこちらの活動に携わっているということです。

アルバル・カスティージョさん(左)と、折田新さん(右)

4か月ぶりの病院訪問に、入院している子供や保育士さんが集まり、アニメの歌や季節の童謡を歌ったり、雨の音が出る道具や手拍子で遊んだりと子供たちが楽しみました。

折田新さん

しっかり反応する子もいれば、反応が小さい子もいるんですが、この前病院に行った時は今まで全然反応がなかった子がいて、何度か会ったことがある子なんですけど、その子の目の前に行って、僕が楽器を鳴らしたんですね。そうするともう大爆笑で「あれ?この子こんなに反応する子じゃなかったのに」と思って、ちょっと慣れてくれたのかなと思いました。病院の子たちって、ずっと病院にいる子もいて、そういう子たちにとって時々僕らが行くことは、ちょっとしたレクリエーションというかエンタテインメントというか、疲れとかストレスが飛ぶような瞬間だと思うので、活動を許可していただける場所があればどんどん行きたいと思います。

音楽や手拍子で遊ぶ子供たち

コロナの見えない終息と活動の転換

こうした病院の訪問は徐々に増えていくと思いきや、7月に入ってから再び全国的にコロナ感染者が増加。今のところ病院の訪問が新たに決まったところはないということです。再開の見込みが立たない中、今後の活動はどうするのでしょうか。

松本恵里さん

いつまた停止になるかわからないし、停止になっている病院もこのままずっと停止になってしまうのではないかという懸念は拭えずにいますので、それに代わる活動、たとえば動画の配信だったり、塗り絵などのアクティビィティのプレゼントだったり、自分でできるようなものを提供することをやっているわけなんですけど、私たちが大切にしている参加型の芸術活動がなかなかままならなくなってしまっていることには大きな懸念がありますね。3密回避を心がけて万全な対策をしてるつもりでも「うつしてしまったら」という不安は付きまといます。「来てください」と言ってくださる限りは行きたいし、大切な成長期の子供たちに学びや活動の機会をこれ以上奪ってはいけないという考えは、たぶんどのボランティア団体も感じていることだと思います。

スマイリング ホスピタル ジャパンでは、病院訪問ができない現在、アーティストオリジナルの塗り絵を病院の子供たちに送ったり、YouTubeのチャンネルを立ち上げて、病室でも楽しめるような工作や手品などの動画を配信したりしています。松本さんは「コロナの影響は必ずしも悪いことだけでなく、新しい活動を模索したり実行するチャンスになった。参加型活動の意義を再認識できた」と話しています。

(担当:進藤誠人)

■取材協力
認定NPO法人 スマイリングホスピタルジャパン

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