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バッドエンドから得る学び【ある母親の物語】

ラジオシアター~文学の扉

毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】

先週に引き続き、ゲストにソプラノ歌手の岡本知高さんをお迎えして、アンデルセンの【ある母親の物語】をお届けしました。

さて、今週は何と言っても「語り」役で聞ける岡本さんの低音ボイスに、耳先から痺れた方も多かったのではないでしょうか。
声のバリエーションに朋子さんも舌鼓を打ち、年齢、雰囲気、はたまた空間の広さまでも操る岡本さんの声はまさにプロフェッショナル!
休憩時間に朋子さんはその声帯についてお聞きしたりしていました。

普段この「文学の扉」では、朋子さんが何役も受け持ち、ゲストの方が1役ということが多い傾向にありますが、今回は真逆です。
まさに七色の声の様な、次々と声色が変化していきます!
後の対談でもお話しされていましたが、映像などによる視覚的なイメージをすると声を作り易いとのことで、今回のいくつかの役も、観た映画などによって作り上げていったそうです。
そんな風にして、息子を連れ去られた朋子さん演じる「母親」に、次々と演じ分ける岡本さんの役たちが、悪魔の囁きを重ねていきます。

自己犠牲、はたまた自己中心的なのか、それは紙一重だなということを強く知らされる今回の物語。
その果てにあるのはヒヤッとする結末でしたが、アンデルセンはそこに何を暗示していたのか、「花」や「イバラ」や「湖」など、人間じゃないからこそ何故そのキャラクターたちなのか、そこに意味を探すのもまた、こういう世界観の物語の楽しみかもしれませんね。
このコロナ禍において、やはり自分の身は自分で守らなきゃとそういう考えになりがちですが、時にふっと視線を上げて、自分ばかりでなく他人を思いやる気持ちを大切にしなきゃと、そんなことを今、この作品が教えてくれているような気もします。

台詞同様トークの軽快さでも楽しませてくださった岡本さん。
今回のハッピーエンドとは言い難い作品から、だからこそ前を向いて行かなきゃねと、そんな気持ちを教えてくださいました。
コロナが落ち着いた折には是非、皆様コンサートにも足を運んでみてください!

次回はゲストに石川さゆりさんをお迎えして、泉鏡花の「天守物語」をお送り致します。お楽しみに!
それではまた来週。

 

by 北村健人

 

 

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