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沖縄を加えた新しい話し合いのテーブルを 玉城デニー知事 × 久米宏

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
6月20日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、沖縄県知事・玉城デニーさんが登場。

「ハイサイ、グスーヨー、チュー、ウガナービラ」沖縄県庁の一室からリモート出演の知事は、回線テストがわりの第一声でいきなりウチナーグチ。グスーヨーは「御衆様」つまり「みなさん」、チューは「今日」、ウガナビラは「拝なびら」つまり「お目にかかります」。全体で「やあ、みなさん、こんにちは」といった意味の挨拶の言葉です。知事のひと言でスタジオは一気に和やかな空気に包まれました。デニー知事はブルーのかりゆし。久米さんもグリーンと黄色のかりゆし。相手に対するお二人の敬意が伝わってきました。

沖縄の頭越しに日米政府が決めたことばかり


「辺野古の工事がしばらく止まっていたんですけど、また始まってしまった。辺野古に関しては県民投票があって、あれだけ多くの人が反対だっていうのに、平然と…。しかも、最近土木工事関係者の論文みたいなのを読んだんですけど、ちょっとあの土壌が、事前に調べた土壌よりもはるかにやわらかくて、ちょっと不可能じゃないか、あの上に滑走路を造るのは。それを、いつできるかも分からないのに無理やり再開するって、面子のために工事を始めるとしか思えないんですけど、あれは地元の方は工事再開はどう思っていらっしゃるんですか」(久米さん)

「そこにはマヨネーズ並みの軟弱地盤というのがありまして、それが海面から下まで90mぐらいの深さにそういう軟弱地盤があるらしいんですが、そもそも日本は90m下まで届く機械を持っていないうえに工事をしたことがないそうなんです。なおかつ期間が私たちの計算だと12年ぐらいかかるということもありますので、もうこれ以上新しい基地を無理やり作り、普天間基地の危険性を10年以上も放置するのは絶対認められないというのが、多くの沖縄県民の率直な思いです」(玉城さん)

「あれは土砂を投入して工事してまた杭を打っていって、たぶんできる見通しはないって専門家は言っているところに、国の面子で無駄なお金を毎日投入しているって、なんとも悲しい話だと思って見ているんですけどねえ」(久米さん)

「アメリカも実は大きな基地をひとつ所に集中させる、つまり、今の沖縄のように空軍のメインの基地も海兵隊のメインの基地もあったりするのはよくないので、海兵隊は小さい部隊にしてアジア全体を隈なく巡回するような兵力編成にしていこうという考えまで出てきているんですね。ですからそれと照らしても、このあと10年以上かけて辺野古を埋め立てて基地を造るという計画は、もうすでに破綻が決まっているような無謀な計画でしかないというのが、私たちの認識です」(玉城さん)

「アメリカ軍としては、ずいぶん前に、西太平洋地域10万人規模の兵力を維持するんだっていうことを決定して、それに固執しているわけですけど、ご存じの通りドイツから9500人引き揚げるって、つい最近(註:ドイツに駐留しているアメリカ軍3万4500人のうち9500人を9月までに撤退させるようトランプ氏が命じたと、6月5日のウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました)。ドイツにまだそんなにいたんだって驚いている人もいたりするぐらいなんですけど、ドイツは米軍基地跡地がいっぱい残っているんですけど、どうして沖縄だけが基地だらけなのかって。ほんと、矛盾の塊みたいになっているわけですね」(久米さん)

「今までの流れは、日本側の代表とアメリカ側の代表が基地の運用とか規模も、全部、沖縄の頭越しに決めたものばかりなんですね。ですから私は、県知事に当選して安倍総理と菅(官房)長官にお会いしたときに真っ先に言ったのは、アメリカと日本政府と、沖縄を加えて、新しい第2ラウンドのテーブルを作ってくれと。将来に向けてどういう安全保障のあり方が日本にとっても沖縄にとっても、もちろんアメリカにとっても、お互いにウィン・ウィン(Win-Win)の関係になるのかということを、ぜひ話し合いをさせてくださいということを、率直に申し入れたんですね。ところが、もう日本とアメリカが決めたことだからということにこだわっていて、『辺野古が唯一』と国会でもそうお答えになっていらっしゃいます。でも肝心の私たち県民は、例えば日本全体で10ヵ所ぐらい基地を並べて「○」「×」「△」を付けて、沖縄の皆さん、ここが○で、ここが△で、ここが×ですよという、そういう丁寧な説明を受けたかというと、全くないんですよ。つまり、日本政府とアメリカ政府が決めたのでその通りやりますということが、『辺野古が唯一』という言葉のロジック。まあ、なんて言うんでしょう、魔法の言葉みたいに、基地問題を見えなくさせてしまっているような状況になっているんだと思います」(玉城さん)

なぜ住民の声を聴こうとしないのか


「沖縄の問題になるとすぐ日本国政府が言うのは、基地の問題は日本国の安全保障の問題なんだ、それから日米安保条約にかかわる問題なので地方自治体が首を突っ込む問題とは全くレベルが違う話なんだというのが、日本政府の決まり文句ですよね。ただ、これ何回もこの番組で言ってるんですけど、日本全国の中で沖縄の面積の割合って0.6%で、その沖縄にアメリカ軍基地の70%が集中しているわけです。こういう状態で、沖縄県の人が、つまりそれを代表する沖縄県知事が、いくら安全保障、日米安保条約に関係あるからと言って、全く口を出す権利がないんだっていう、これは通用しないだろうとぼくは思うんですよ。どう考えても」(久米さん)

「そうですね。私たちは民主的な投票という、県民・国民の有権者の意思表示によってえらばれた代弁者ですから。基地に賛成する人もいらっしゃるかもしれませんし、当然、反対だという方もいらっしゃいます。ではなぜ賛成するのかということもしっかりと聞かせていただき、なぜ反対ですかということも聞かせていただいたうえで、沖縄の過去に学び、今を見つめ、将来を考えるためにはどうすればいいのかということを、きっちりと筋を立ててお願いをしている、お話をさせていただいている。安全保障は国の専権事項だというのは、今まではそうだったかもしれません。しかし、地方自治法の改正によって国と地方は対等・協力の関係だと、そう法律も決まったわけですから。ですから日本国憲法に基づいても結構ですし、法律に基づいても結構ですので、対等な立場で話し合って、私たちのこの国の政策をいかにして国民がしっかり安心・安全、納得して支えてくれるのかということを真摯に探求するという姿勢は、私はどこの都道府県の知事さんでも同じ考えだと思います」(玉城さん)

玉城さんは、アメリカ政府関係者とも会って沖縄の現状を直接伝え、日米両政府できちんと地域に住む住民の生活や生命・安全を考えて話し合いをしてほしいと訴えてきました。

ハワイにあるカネオヘ・ベイ海兵隊航空基地を訪ねたときに、玉城さんは司令官に対してこう聞いたそうです。「基地周辺のコミュニティから『この日は訓練をしないでほしい』『この日は演習をしないでほしい』という要請があったときにはどうなさいますか」と。すると基地の司令官は『当然、周辺地域、コミュニティ、住民の協力がなければ私たちは軍を維持することができません。ですから常にコミュニケーションをとっています』と、堂々と答えたといいます。

「つまり、アメリカはその状態で基地を運用しているのになぜに日本国にある外国の基地である米軍基地が、日米地位協定の厚い壁はあるにしても、日本の法律にも、日本の住民の声にも全く答えずに基地を運営することができているのかということを、アメリカでもその疑問をぶつけて、だからこそ日本政府とアメリカ政府はきちんとその住民の声をもとに話し合わなければ本当の民主主義の、国民主権の国家とは言えないのではないか。だからお願いします。そういうふうなお願いをしているんですね。ただ単に基地がいらないから、多いから反対だと言っているだけではなくて、しっかりと民主主義のルールに基づいた協議を我々は求めていますという、そういうスタイルでお願いをしています」(玉城さん)

沖縄の独立は考えませんか?!


「永六輔さんと筑紫哲也さんと非常に親しくさせていただいたんですけど、お二人とも沖縄に関しては非常に思い入れの深い方で。450年間続いた琉球王国というのがあって、これが無理やり日本領になってしまったという話を永さんや筑紫さんとしていると、ぼくもそれに毒されているところがあるんですけど。筑紫さんがいつもお酒を飲むと言っていた『沖縄は絶対、独立すべきなんだよ』っていう話が冗談とはとても思えなくなって、いつも沖縄が、特にアメリカ軍基地の問題に関して日本政府からいじめに遭っているとしか思えないんです。そういう様子を見ていると、よくまあ沖縄の人は我慢するよなって。普通は堪忍袋の緒が切れるよって。堪忍袋の緒が切れたらどうなるの? 独立だよっていうふうに、思っちゃうんですよね。これって知事はあまり考えたことはないテーマなんですか?」(久米さん)

「知事という行政の職にいる立場からすると、やはり沖縄は日本の47の都道府県のひとつの行政地域ですので、そこはきちんと日本国の法律と憲法に則って運営をさせていただくということです。しかし、その琉球王朝時代から続いている『組踊(くみおどり)』という、伝統的な芸能があるんですが、これが300年続いていて、今でも若い人たちがしっかりと継承しているという伝統があって。昨年10月31日に残念ながら焼け落ちてしまったんですが、首里城を中心とする琉球王朝の文化や芸能・芸術、工芸などは、今でも沖縄は独立王国だなとみなさんに感じていただけるような、そういうものをずっと継承して生きている。そういうところでもあります。それは私たちの誇りであり自慢でもあり、これからも琉球らしさ、沖縄らしさをずっと伝えていかないといけない。独立国家ではないんですけども、私たちの中には、独立したアイデンティティを持っている。そういう地域に住んでいる者として、これから大切にしていかなければいけないなあという責任も重々感じているところです」(玉城さん)

玉城デニーさんのご感想


私も東京に住んでいた頃はよく久米さんのラジオを聴きながら仕事をしていたことがありまして、憧れの方と沖縄のことについていろいろ話ができたのは非常によかったなあと思います。

沖縄には独特の歴史や文化があって、だから独立論でもいろいろな話が出てくるんだと思います。沖縄もまた観光が楽しめるシーズンになるかと思いますので、どうぞそのときには久米さんにも来ていただいて、私も呼んでいただいてぜひ独立論についていろいろと話をさせていただきたいと思います(笑)。今日は本当に貴重なひとときでした。ありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:玉城デニーさん(沖縄県知事)を聴く