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「校閲は時間との戦いです」朝日新聞校閲事業部長から聞く、ディープな校閲の世界

ACTION

TBSラジオで放送中の「ACTION」。水曜パーソナリティは、Creepy NutsのDJ松永さん。

6月24日(水)のゲストは朝日新聞のメディアプロダクション校閲事業部長で、文章コンサルティング会社「未來交創」代表の前田安正さん。今日は文章の直しを行う前田さんから校閲の仕事について、文章の新連載が始まったDJ松永さんがお話を伺いました。

松永:そもそも校閲ってどんなお仕事ですか?

前田:皆さんがイメージするのは間違いを探す仕事だと思うんですが、これは結果としての話で、校閲というのは記者が書いてきた原稿を逐一全部確認する作業なんです。言葉や送り仮名はもちろん、そこに入っているデータもです。例えば「去年より3%上昇した」という文章があったら、去年のデータと比べて計算して本当に3%なのかを確認するんです。

松永:そんな細かいところまで!

前田:だから結果的に間違い探しになっています。

松永:校閲って何人体制でやっているんですか?

前田:僕の時代は東京で80人ですね。

松永:1日の新聞を大人数で見るんですね!それはどういう役割分担ですか?


前田:基本的には1ページに1人担当がつきます。今は出てきた原稿を皆で順番に読むやり方もあるみたいですが。それはウェブ原稿も見なきゃいけなかったりで。でも主なメインの面は担当者が1人ついて、デスクが1人いる感じですね。

松永:時間はどれぐらいかけますか?

前田:夕刊だと朝の9時から昼の1時ぐらいですね。朝刊だと夕方3時ぐらいから始まって夜11時ぐらいかな。僕の時代はデスクでいうと、昼の1時半に行って終わるのが夜中の3時半ぐらいですね。

松永:すごいハードだ…!

幸坂:追い込みで原稿が来たときはどうするんですか?

前田:締め切りギリギリで来て、スペースが空いていて、「◯行で入るから空けとく」と打って、見出しをパッと入れて、2〜3分でダッと読んで、最低限間違っていないところがないかを探して。

幸坂:時間との勝負ですね。

前田:新聞は時間との勝負ですね。

松永:校閲って記者さんにダメ出しをする作業でもありますよね。そこで険悪なムードになったりすることもありますか?

前田:僕が若い頃入ったときは、社会部のデスクで「うるせぇ!俺は忙しいんだ!」って言われたりしました(笑)

松永:お互いお仕事なのに(笑)しかも記者がベテランのときもありますもんね。

前田:そうですね。自分が20代のときに40代の人と直でやり取りをしなきゃいけないんですね。だからこちらも理論武装しなきゃいけなくなるんです。「なぜいけないのか」を論理的に説明して相手を納得させなきゃいけないんです。

松永:そうなってくると、自分自身が言葉にどんどん強くなってきますよね。伝え方も問われますし。

前田:だから直しのところは忙しいので、プリントアウトしたものにパッと指摘を書いてFAXを送るんです。すぐそこにいるのに(笑)時間がないから。だからものすごく短い文章で的確に伝えなきゃいけないので、校閲の人って文章が上手じゃなきゃいけないんです。

松永:前田さんは何故新聞社の校閲になられたんですか?


前田:僕はもともと記者志望でした。それで試験を受けたんですけど、最終面接で落ちたんです。「また来年か…」と思っていたんですが、たまたま校閲の試験もあったんです。練習のつもりで試験を受けたらスルスルと通ってしまって。

松永:それでその道へ行ったんですね。

前田:だから嫌で嫌でしょうがなかったです(笑)逃げることばかり考えてて、35歳まで転職試験を受けていました(笑)

前田:数年前に漢字ブームや日本語ブームが来て、そのときに「校閲でなにか書けないか」と社内オファーが来たんです。そのときに誰も書くことを意識してなかったので、漢字の成り立ちについて専門家の先生にお願いしようと思って回っていたんですけどたまたま皆さん忙しくて捕まらなくて。それで「お前が書けよ」となってしまい(笑)それで書いたらたまたまGOサインが出て。それが落語みたいなオチもつけちゃったので、他の人が書けないものになってしまって。それで勉強しながら本を書いていました。

松永:ライターにも向いていたということなんですね。じゃあ前田さん1人でライターも校閲もできますね。

前田:実は僕はすごい酷い原稿を書いてしまうんです…(苦笑)

松永:えぇ?でも校閲のプロなわけじゃないですか?

前田:これは書いていくと書くモードの人になってしまい、客観的な校閲ができなくなるんです。

松永:使う脳みそが違うんですね。じゃあ記者と校閲って人間が分担しないとダメなんですね。

前田:自分の原稿は校閲できないですね。

このほか、ありがちな文章のミスやダメな文章について伺いました。GUEST ACTION全編はradikoのタイムフリーで。

6月24日(水)のGUEST ACTIONを聴くhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=202006241629300

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)