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観て良かった…「ぼけますから、よろしくお願いします。」

ACTION

TBSラジオ「ACTION」(月-金15:30~17:30)、月曜パーソナリティは宮藤官九郎さん。この日のオープニングは、最近みた映画の話から。

宮藤:外出自粛で人に会えないからかもしれないけど、ドキュメンタリーを見ていて。いろんな人を見ると安心するなと思って。

前から見たいと思ってた「ぼけますから、よろしくお願いします。」というドキュメンタリーを、先週、「なんだ、配信で観れるんだ!」と思って見たんです。

信友直子さんという方が監督。

広島の呉に実家があるんですけど、帰ったら、お母さんの様子がおかしいから、お父さんに「お母さん変だね?」って言って病院に連れて行く。そしたらアルツハイマー型認知症だと診断されるんです。この時点でお母さんは87歳。お父さんは95歳。お父さんはしっかりしてるけど、要するに、95歳のお父さんが87歳のお母さんを介護する。という物語が始まっていくんです。

もともと監督は45歳のときに乳がんを患って、そのときはお母さんがしっかりしてて、看病して励ましてくれて、その想いがあるから、お母さんを何とかしてあげたいという気持ちがあるんだけど、

お父さんは、「夫婦の問題だから、俺がちゃんとやるから大丈夫だ」と。信友監督が、「帰ってこようか?呉で暮らそうかな?」とか言うんだけど、「お前はお前の仕事をしろ。俺が面倒みるから」と。

95歳のお父さんが、今まで台所に立ったこともないのに、リンゴを買ってきて、包丁で剥いて。

お母さんが、カメラや書道が趣味で、社交的な、ハイカラなお母さんで、それが認知症になってぼけていくから、人とも会わなくなっていく。

娘としては見るのが辛いんだけど、その記録を2・3年くらいかな?ずっと撮ってて。前にテレビでオンエアして、そのあと、撮り溜めたものをまとめて映画にしてるんですけど、オレ、「もし親がそうなったときに撮るかなぁ?」と。

お父さんが耳が悪くて遠くて、お母さんの言葉も聞こえなくなってきて「え!?」とか聞き返して。お母さんはいつも「ごめんねごめんね」って言ってたんだけど、だんだん言い合いになったりする。その言い合いのシーンも、カメラをパンして撮れてる。

これは、自分の親ということは置いといて、映画の素材として撮るべきだと思ったのか、映像に残すことで、お父さんお母さんと何とか関わりたいと思ったのかわからないんですけど、目の前に撮らないといけないものがある。監督に撮る理由がある映像って強いなぁと思って。

久しぶりに実家に帰ったら、お母さんの瞼が内出血してて、どうしたのか聞いても、お母さん自身は認知症だからわからない。お父さんに「お母さん何があったの!?」と聞いても、「耳が遠いから気が付かなかった」って言うんです。

でも、お父さんがとにかく、悲観的じゃないんです。人生はいろいろあるっていう、たぶん、人生のエンディングに向かっての何年間かをちゃんとやりきろうと思ってるんだと思うんですけど。

お二人、その後どうなったのかな?って調べたら、お母さんは脳梗塞か何かで入院しちゃったんですけど、お父さんはしっかりしてて、もうすぐ100歳なんですよ。まだ介護をしてて。娘と、上映会に一緒に回ったりしてるんですよ。100歳?99歳かな?らしいんですけど。

「ぼけますからよろしくお願いします」のタイトルからして、もう少し和むところ、ホッとするところがあるのかなと思ったら、過酷になっていく。

とにかくお父さんが、お母さんのことを愛してるというか。夫婦って、他人じゃないですか。最初は親のことも考えながら見始めたんだけど、途中から「俺できるかな?」と思って。もし自分の奥さんが先にそうなったときに、楽しんでるわけじゃないけど…、こんなに淡々と介護できるのかなと思って。

こんなにいろいろと考えるつもりで見始めたんじゃないのに…!すごく観て良かったです。