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世界で活躍する日本の「全自動PCR検査機」でも日本では使えない?

森本毅郎 スタンバイ!

前回6月4日、「唾液」を使ったPCR検査が導入されたという話をしましたが、今回は、PCR検査の効率を大幅に上げると言われている「全自動PCR検査」を取材。6月11日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが報告しました。

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200611073752

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

まずはどんなものか、このシステムを開発した、千葉県の会社、プレシジョン・システム・サイエンス株式会社の、田中英樹さんに伺いました。

★新たなPCR検査「全自動PCR検査」とは?

プレシジョン・システム・サイエンス株式会社 広報・田中英樹さん
従来だと、手作業で検体から遺伝子を抽出し、それを増幅・解析する工程があるんですが、全自動だと検体を装置にセットすれば、あとは抽出・PCR増幅・検出ができる。5~6時間かかっていた作業が、全自動化により、2時間弱で検査結果が出る。その日のうちに、その場でわかる。ですから、感染率が圧倒的に減るというのも、重要なポイントだと思います。
森本毅郎スタンバイ!

「全自動PCR検査システム」(例:ELITech社OEM製品のELITe InGenius)。EU圏でのCOVID-19検査実績があるようです

PCR検査は時間がかかるというイメージがあります。検体の中の遺伝子を抽出したり、それを試薬と混ぜて増幅したり、多くの工程はこれまで手作業で行われてきたんですが、こうした作業を文字通り「全自動」で行います。

つまり、専用の装置に入れてボタンを押すだけで解析できるので、これまで1つの検体を検査するのに5〜6時間かかっていたものが、2時間ちょっとで出来ちゃいます。

当然、人の手を介さないので、検査ミスも減り、検査員の感染リスクを防ぐこともできます。

しかも一度に「12検体」を検査にかけられるそうなんですが、見た目は非常にコンパクトな箱形の装置です。

従来は検査所の大きな装置で解析する必要がありましたが、場所を取らないので病院にも置けます。そのため、病院で検体をとったら、検査機関に運ばず、そのまま結果が出せるので早いんです。

気になる精度も、手作業に比べると格段に上がるそうなので、「早い」「正確」「人出もいらない」と、良いことづくしのシステムだそうなんです。

★日本で作ってるのに、日本で使えない

では、このシステム、実際の医療現場で使われているのか、聞いてみました。

プレシジョン・システム・サイエンス株式会社 広報・田中英樹さん
2015年から販売していて、特にヨーロッパ圏を中心に、50数カ国の海外の医療現場で活躍しています。このシリーズでは500台以上が販売されています。そもそもPCR検査って、遺伝子検査であらゆることができるんですが、当初、臓器移植の感染リスクを調べるために使われていたんですが、昨今のCOVID-19の問題に対してお役に立っている。残念ながら日本ですよね、認可されていないので利用できない、実績はゼロです。

日本では、ようやく5月末に、国に保険適用の申請を行った段階。

一方で海外では、フランス、イタリア、ベルギーなどのヨーロッパを中心に、現在稼働中。その活躍が評価され、4月下旬には、フランス大使から感謝状が届いたということです。

では、どうして、海外で普及が進んでいるのか。その違いは、国の認証方法の違いにあるようです。

田中さんによると、海外・特にヨーロッパの場合は「自己宣言型」の認証。一方の日本の場合は、専門の機関による「チェック型」の認証。どういうことかというと、「自己申告型」は、事業者が安全性などを証明して届け出ればOK。一方の「チェック型」は、事業者が申請したあと、国や第三者機関が審査します。当然、「自己宣言型」の方が導入までハードルは低く、結果としてスピードも速いということでした。

★5月末にようやく申請。あとは認可を待つのみ

それにしても、4月にフランスから感謝状が届くのに、日本での申請が5月…。なぜか?田中さんは、こんなところも、障害になっていたとお話していました。

プレシジョン・システム・サイエンス株式会社 広報・田中英樹さん
我々自身の問題でもある。海外で実績があるというのは「OEM販売」なんです。PCR試薬を持ってるメーカーのブランドで自動化装置を販売していたが、今度は自社ブランドで、全自動PCRシステムの認可申請を取る、この手続きに、不慣れで多大な時間を要している。我々もルールに則って、申請の手続きを行っている段階です。やはり保険適用されてそれなりの補助がないとこういう検査はできないと思う。第2波・第3波、しかもオリンピックという問題もあるので、早急に認可・申請手続きを終えたい。ここで日本でやらなかったら、今まで何やってたんだって感じ。

保険適用の認可を受ける為には、PCR検査全体、つまり、検査用の薬から検査結果を出す機械まで、セットで申請しなければならないんですが、こちらの会社は、機械の会社なので、検査用の薬を、自分の会社の機械用に作れなかった。

海外では、検査用の薬の技術がある会社に、この機械の技術を売っているので、その会社が申請して、スムーズに認可が下りていたそうです。

機械だけ認可してもらえないんですか?と聞いたんですが、「それはダメなんです」ということ…。

ようやく申請を済ませた今は、一日も早く保険適用の認可が下りることを期待していました。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!