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コロナ時代の芸大生にむけて~澤和樹さん

コシノジュンコ MASACA

2020年5月31日(日)放送
澤和樹さん(part 1)
1955年和歌山市生まれ。1979年に東京藝術大学大学院を修了。イザイ・メダル賞、ボルドー音楽祭金メダルなどヴァイオリニストとして国際的に活動し、2015年には英国王立音楽院の名誉教授に就任。2016年からは東京藝術大学の学長を務めています。

JK:私が澤先生とお会いしたのは、亡くなられた副学長の松下功先生。すごく積極的で、ファッションとベルリンフィルとか、過去にやったことないことをどんどんやったでしょう。面白かったわね。

澤:松下さんは藝大同期なんですよね。だから学生時代から一緒にいろいろ悪企みしてました(^^)

JK:あら本当! いろんなことを実験的にやるから、本当楽しかった。それから宮田先生。文化庁長官に突然なられたでしょう?

澤:そうなんですよ、とても迷惑を被って(笑) 宮田先生は私も大好きで、今から4年ちょっと前、それまで10年学長をされてさらに6年延長が決まっていたんですけれど、突然2月28日とかに文化庁長官になられることになって。当然兼任はできませんから、私が翌日3月1日に指名されて・・・。

JK:思ってもみなかったでしょ?

澤:まったく予想していなかったんです。それこそマサカでした(^^) 2月28日に藝大の事務局長から呼び出されて、「先生、明日から学長になりますよ」って。実際は4月1日からでしたが、ふつうは数か月前から分かっていて、心の準備もできると思うんですけど・・・青天の霹靂ってこういうことを言うんだと思いました。

JK:お気の毒っていうのか、使命だったのか(^^) 突然やってくるのは大変ですけど、でも今は定着してますね!

澤:まぁ慣れるまで1年ぐらいかかりましたけどね(^^;)

出水:今年は新型コロナウイルスの影響で入学式ができなかったそうですが、代わりに大学のwebサイトで新入生の皆さんにメッセージを掲載していらっしゃいますよね。

JK:コロナだから皆さん注目して真剣に聴かれたと思うんですが、素晴らしかったです。ここで全部引用してもいいぐらい!

澤:でも難関を突破してせっかく入学した学生たちが、本来だったら藝大が誇る奏楽堂でご家族を交えてお祝いできるのですが、今回はできなかったので、コロナを乗り越えてほしいという気持ちで演奏も交えてね。

出水:今は授業ができないということで、オンラインで指導していらっしゃるそうですね?

澤:そうですね、いわゆる普通の大学の講義ですとオンラインもそれほど違和感はないと思うんですが、やっぱり私たちのように、ヴァイオリンとかピアノとか声楽のように、美術も含めてですけれど、マンツーマンの指導がウリなものですからね。音楽の場合は一応SkypeとかZoomとかそういうツールを使ってもできるんですが、やっぱり音質の問題とか時間差があったりとか、なかなか難しいんです。ただ、いま世界的に同じような悩みを抱えながらみんな頑張っているので・・・。

JK:そこでどういう風にするかがクリエイティブですよね。

澤:そうですね。だから逆に新しい発見もあったりするし、オンラインならではの良さも最近分かってきたり。意外とふだんは気が付かなかった学生のクセが画面上でより見えたり。マンツーマンの場合はなんとかそれもできてるんですが、一方でいま一番の悩みは、オーケストラとか合唱。そういうものはなかなか難しいですよね。

JK:大人数ですもんね。

澤:今、いろんな人たちがひとつの画面で「すみれの花咲くころ」とか「パプリカ」とか同じ歌を歌ってるけど、あれはそれぞれが別々に撮ったのを後で編集している。本当にリアルタイムでたくさんの人が合唱するとかオーケストラで演奏するところまでは行ってないですね。オーケストラとか室内楽をオンラインで十分音質的にも演奏のレベルも担保できるようなことができないか、とYAMAHAさんなどの企業と相談しています。

JK:でもせっかく奏楽堂があるから、無観客で演奏はできるんじゃないですか?

澤:そうですね。たくさんの人が一緒に、というのはまだ難しいですが、少人数で距離を取って、無観客で演奏したものをライブ配信するとかね。そういうのをちょうど今考え始めていて、6月ぐらいから発信できればいいなと思っています。

出水:澤さんというと、世界的に活躍しているヴァイオリニストを育てていらっしゃいますよね! よろしければ何人かご紹介いただけますか?

JK:私もヴァイオリニストに会うと、澤先生の弟子なんですって人に何人も会うのよ!

澤:ついこの間、京都の永観堂という由緒あるお寺でバッハを収録して、YouTubeでも話題になった加野景子さん。今はNYを中心に活躍されていますが・・・

JK:はいっ! あの時の衣装は私です!

澤:そうなんです! コシノ先生の素敵なドレスで演奏していたのが印象に残っています。それからUNESCO親善大使として世界中で演奏している二村英仁さん。それから藝大出身ではないですが、諏訪内晶子さんも中学時代に少し教えたことがありますね。

JK:すごいベテランになっちゃいましたね。

澤:N響のコンサートマスターの伊藤亮太郎さんとか、読売交響楽団の長原幸太さんも私の弟子です。あとはポップスで大活躍の葉加瀬太郎さん、NAOTOさん、大内明日香さんもアイドル系で頑張っていたり。

出水:そういった人々が活躍している姿を見るのも嬉しいですよね。

JK:やっぱりバヴァイオリンといえば、子供のころからやっている人も多いですよね。だけどものすごく高いじゃないですか。現実的ですけど。先生がお持ちのものには特別なストーリーがありますよね?

澤:私が40年以上使わせていただいているのがグァルネリ・デリジェス。ストラティヴァリウスと東西の横綱みたいな感じで比較されるんですが、1978年、私がまだ23歳のときにロンドンで世界のユースのオーケストラのコンサートがありまして、私がソリストで行きました。その時持っていった楽器の調子が悪くなりまして、ロンドンの楽器屋さんを訪ねて調整してもらおうと思ったんですが、すぐには直らず。そこの楽器屋さんからいい楽器をお借りできて、演奏会は大成功したんですけれど。

JK:ご自分のよりもよっぽど良かったんですか? ラッキーね!

澤:そうなんです。さらにラッキーだったのは、演奏会が終わって返しに行ったときに、ストラティヴァリウスやグァルネリなど世界的名器を何台か弾かせていただいたんです。その時、自分としてはグァルネリ・デリジェスを離したくない、とその瞬間に思って・・・でも当然23歳の私に手に入るものではなかったんですが、日本に帰ってきてから、出身校の先輩にあたる大きな病院の院長さんに話をしたら、お仲間8人ぐらいに声をかけてくださって、その楽器を購入して貸してくださることになったんです。それ以来40年です。

JK:うわぁ~! 和歌山って文化度が高い方が多いんですね! それを理解するって!

澤:そうですね、紀州徳川家のお膝元ということもあるのかもしれないですが。

出水:実は今日、その楽器をお持ちくださっているんですよね! 拝見してもいいですか・・・うわあ~! これは何年に作られた楽器なんですか?

澤:これは1732年にイタリアのクレモナというところで作られたものです。290年以上。

出水:そうは見えないですね! つやっつやで・・・

JK:写真とっちゃお(^^)その世界ってすごいですね、つねに歴史が生きてるっていうか、これからもずっと伝わっていくんですもんね。

=OA楽曲=

M1. 浜辺の歌(生演奏)/澤和樹

M2. 愛の挨拶/澤和樹・蓼沼恵美子

「コシノジュンコ MASACA」
TBSラジオで、毎週日曜17:00-17:30放送中です。ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。