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地域の「燃料インフラ」であり続けるために。カーシェアから発展させるガソリンスタンドの新たな可能性

見事なお仕事

企業の“見事な”取り組みや新情報をお届けする番組『見事なお仕事』。ポップカルチャーの総合誌「BRUTUS」の編集長でカルチャーに精通する西田善太さんならではの視点で、企業の“見事なお仕事”の内容と秘訣を、インタビュー形式で伺っていきます。

2月16日(日)のゲストは、出光興産株式会社の福地竹虎さん。出光興産は、地域の燃料インフラであるガソリンスタンド数を減少させないために、ガソリンスタンドを電気自動車のメンテナンス拠点として発展させていく構想を持っています。さらに、超小型電気自動車のカーシェアサービスを通して、電気自動車の更なる普及をも目指していくとか。今後の自動車事業の発展についてお話しをうかがいました。

ガソリンスタンドは多事業化へ

西田 最近、ガソリンスタンドをあまり見かけなくなったような気がします。

福地 だいぶ減りました。一時は日本全国に約60000ヶ所のSS、つまりガソリンスタンドがあったのですが、今は30000ヶ所を切っています。

西田 全体で約半減。それは自動車の量が減っているからなんですか?

福地 量は減っていないんです。主な原因は、車の高性能化です。燃費が良くなり、SS同士の競争が激化しました。

西田 淘汰されてしまったと。

福地 はい。ただ、SSはガソリンだけでなく、暖房用の灯油や農業用の燃料なども扱っていているので、地方にとって大切な燃料インフラの拠点なんです。

西田 なるほど。場所によってはライフラインに相当するほど必要不可欠な存在なんですね。

福地 ですから、これ以上燃料インフラを減らすわけにはいかない、ということで我々はSSの多事業化を試みてきたんです。今までは、いろんな業種の方とタイアップをしてきて、軽食を買えるようにしたり、コンビニを併設したり、喫茶店なんかもやりました。今は新たにピザショップやコインランドリーをSSの中にオープンしています。

西田 たしかに、SSの敷地は広いですから、発展性がありそうですね。「あのSSにはピザ屋さんがあるから行こうよ」なんて会話が車の中で繰り広げられるわけだ。

福地 それを狙っています。ガソリン自体で価格競争をするのが難しくて、しかも性能差もわかりにくいので、他との差別化ができないんです。

西田 買う側からすれば、タンクの中に入ってしまえば同じだもんね。

福地 その通りです。そこで、新たな付加価値を業態として作ることにしました。他ではないサービスをすることで「選ばれるSS」になりたいと思っています。

西田 SSが今はそんな風になっているんだ。全然知らなかったです。

2人乗り自動車でスイスイ岐阜観光

西田 出光さんは、他にもSSで新たなサービスを計画中なんですよね?

福地 はい。今後普及していく電気自動車、いわゆるEVですね。そのメンテナンスサービスを導入していきます。

西田 EVは、本来ガソリンとは縁遠い存在ですよね。

福地 たしかに、EVにガソリンは不要ですが、日々のメンテナンスはガソリン車と同様に必要です。SSをEVのメンテナンス拠点として全国に配置したいと考えています。

西田 なるほど。立ち寄ってタイヤやエンジンオイルをチェックしてくれる、メンテナンスセンターとしての機能をSSに持たせるわけですね。

福地 そうです。ガソリンが必要なくとも、そういったサービスは必須なので。SSなら、車にとっては一等地にあって立ち寄りやすいですしね。

西田 たしかに。SSの付加価値が高まりそうです。

福地 はい。同時に、EV事業にも着手しています。今は、超小型EV「ジャイアン」の導入を開始しました。

西田 なんだかわがままそうな名前だなあ(笑)。超小型というのはどれくらい小さいんですか?

福地 2人乗り用です。軽自動車よりもさらに一回り小さいサイズですね。

西田 公道は走れるんですか?

福地 まだ許可が下りていないんです。ただ、限定的な実証実験として、岐阜県の飛騨市と高山市で超小型EVを使った観光用のカーシェアサービスを開始しました。

西田 ジャイアンに乗って岐阜観光ができるわけですね。電気だけでどのくらい走れるんですか?

福地 夏場にクーラーをかけながら走っても100キロはもちます。それに、家庭用のコンセントで充電できるので、緊急事態の場合でも電気を借りて走り続けられます。

西田 それなら観光も安心だ。超小型と言っても、普通免許は必要ですよね。小さいことのメリットって何ですか?

福地 やはり、運転のしやすさですね。運転間隔をつかむのが簡単なので、高齢者の方でも動かしやすいです。

西田 安全性が高いわけですね。

福地 それに加えて、今回の実証実験では、最高速度を45キロに抑えています。

西田 車体も軽いから、ブレーキもききやすい。高齢者の自動車事故が問題になりましたけど、これなら事故を減らせるかもしれませんね。

福地 その通りです。また、今後は千葉の館山でも超小型EVの実証実験を行うのですが、その際は出光が新たに開発している太陽光パネルを車に設置しようと考えています。

西田 そこで生まれた電気で充電できるわけですね。

福地 そうです。館山の太陽の恵みを生かして、再生可能エネルギーだけで走らせてみようと。

西田 このカーシェアサービスはいずれ全国展開されていくんですか?

福地 はい。今年度中には公道を走れるようになりますので、協業しているタジマモーターコーポレーションさんと開発した新型の超小型EVも導入予定です。

西田 カーシェアって、自分の車を持たないのに寂しい思いもあったんだけど、見方を変えれば、都市を自由に走り回れるすごく可能性のあるサービスですよね。

福地 まさにその通りです!

西田 僕も観光をするときは超小型EVに乗ってみます。ありがとうございました!