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「憂鬱な日々にそっと寄り添う最新女性シンガーソングライターおすすめアルバム」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム(2020/04/24)

「憂鬱な日々にそっと寄り添う最新女性シンガーソングライターおすすめアルバム」

高橋:本日はこんなテーマでお届けいたします。「憂鬱な日々にそっと寄り添う最新女性シンガーソングライターおすすめアルバム」。家にこもる時間が長くなるなかでじっくりと聴き込める、かつ不安な心を癒してくれるような女性シンガーソングライターのアルバムを、ここ一ヶ月ほどのリリースから4タイトル選んでみました。日々の自粛生活の気分転換になれば幸いです。

スー:よろしくお願いします。

高橋:1曲目は、フィオナ・アップルの「I Want You To Love Me」。4月17日にリリースされた8年ぶり通算5枚目のアルバム『Fetch the Bolt Cutters』の収録曲です。

フィオナ・アップルは1996年にデビューしたニューヨーク出身のシンガーソングライター。90年代を代表するシンガーソングライターであり、いまもなおカリスマ的な存在感を放っているアーティストですね。最近ではジェニファー・ロペス主演の映画『ハスラーズ』で彼女の「Criminal」が効果的に使われていました。今回の新作もリリースされるなり欧米の音楽メディアがこぞって大絶賛しておりまして。現時点で23本のレビューが公開されているんですけど、そのすべてを集計した平均点が94点という驚異的な数字になっています。

スー:おかしい! すごいことになってる!

高橋:そうなんですよ。これから聴いてもらう「I Want You To Love Me」はアルバムのオープニングナンバー。実質歌とピアノとウッドベースだけの非常にシンプルな編成の曲なんですけど、これがもうものすごい迫力で。きっと皆さん冒頭から一気に引き込まれることになると思います。

M1 I Want You To Love Me / Fiona Apple

高橋:堀井さん、いかがですか?

堀井:首をカクカク動かしながら聴いていました。いくつぐらいの方なんですか?

高橋:確か40代かと……42歳ですね。

堀井:ああ、そうなんだ!

スー:我々と変わらないですね。

堀井:そうなんですね。やっぱり声が大人だなと思って聴いていました。

高橋:ピアノの音色も含めて心地よいですよね。では次、2曲目はエリスの「Pringle Creek」。こちらは4月3日にリリースされたデビューアルバム『Born Again』の収録曲です。エリスはカナダ出身のシンガーソングライターで、本名のLinnea Siggelkowの印象からするとドイツ系の方なのかな? 2018年にデビュー後、今回ようやく初めてのアルバムを完成させました。これがダークななかにもメロウな甘さがあって、寄り添い力/包容力ということでは今回紹介する4作品の中でも特に沁みる内容になっています。

M2 Pringle Creek / Ellis

スー:ちょっとなんか懐かしい感じもありますね。

高橋:ノスタルジーを刺激されますよね。

スー:ギターの感じとかも含めてね。

高橋:堀井さんは頬杖をつきながら目を瞑って聴いていました。

スー:女子高生みたいだね。

堀井:私、こんな歌い方を忘れたね……。

スー:フフフフフ、歌ってたのか?(笑)。

高橋:堀井さん、こんな歌い方していたんだ(笑)。

堀井:もう歌えないよ、ドスがきいちゃって(笑)。

高橋:次はさらに若いアーティストですね。3曲目はジョーダナの「Jackie’s 15」。こちらは3月27日にリリースされたデビューアルバム『Classical Notions of Happiness』の収録曲です。ジョーダナは、アメリカはメリーランド州出身の19歳。今回紹介するのは去年彼女が自主制作で発表して話題を集めたアルバムで、今年に入ってから有名インディーレーベルと契約したことを受けてボーナストラックを加えて再リリースしたものです。これはまさにいま、昼下がりのまどろみのなかでぼんやり流しておくには最高のアルバムですね。

スー:いいですね。皆さん、換気などしながら聴いてほしいですね。

高橋:はい。ちょっと気だるくて、倦怠感のある感じがとても心地良い曲です。

M3 Jackie’s 15 / Jordana

スー:ない悩みが浮かんでくるような曲ですね。

高橋:フフフフフ。

スー:取るに足らない、ない悩みがこう浮かんでくる感じ。なんかアンニュイ。

堀井:だんだん気だるくなっていきますね。退廃感があるというか、ダメになっていく(笑)。

スー:これはなんにもやる気が起きなくなるね。

高橋:では最後の曲いってみましょうか。4曲目は、U.S.ガールズの「4 American Dollars」。これは3月6日にリリースされた通算7枚目のアルバム『Heavy Light』の収録曲です。U.S.ガールズはトロント出身のシンガーソングライター、メーガン・レミーのソロプロジェクト。彼女が2007年に始動させたプロジェクトです。おととし発表した前作『In a Poem Unlimited』がカナダ版グラミー賞のジュノアワードで最優秀オルタナティブアルバム賞にノミネートされるなど、高い評価を受けて広く知られるようになりました。

楽曲によって大きく表情が変わるアーティストなんですけど、これから聴いてもらう「4 American Dollars」は1970年代のフィラデルフィアソウル、オージェイズやスリー・ディグリーズなどに代表されるフィラデルフィアソウルにインスパイアされたようなゆるいディスコグルーヴが気持ちいい曲です。

M4 4 American Dollars / U.S. Girls

高橋:というわけで、本日は「憂鬱な日々にそっと寄り添う最新女性シンガーソングライターおすすめアルバム」として4作品紹介しました。最初に触れた通りどれもアルバムとして非常に聴き応えがあって、かつささくれた心を癒してくれるようなところもあるアルバムです。お疲れの際にはぜひトライしてみてほしいですね。

スー:いやー、やっぱりこれぐらいのよく晴れた日にだらっとこういう音楽を聴くと「贅沢してるな!」って感じがするね。

高橋:うんうん。怠惰な生活のBGMとしてもバッチリだと思いますよ(笑)。