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介護の悩みを持つ人々のための雑誌「かいごマガジン そこここ」▼人権TODAY(2020年3月21日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『2020年3月21日放送「かいごマガジン そこここ」』

介護の悩みは“そこ”にも“ここ”にも…

介護の悩みを持つ方々が交流し支え合うために創刊された雑誌が、「かいごマガジン そこここ」です。そのタイトルは、「介護の悩みは“そこ”にも“ここ”にもある」ということから、付けられました。

かいごマガジンそこここ表紙

「そこここ」の編集・発行人は、横浜市に住むフリーの編集者、一条道(いちじょう みち)さん。一条さんに創刊した動機を伺いました。

「かいごマガジン そこここ」編集・発行人の一条道さん
自分で取材をしたいなと思ったのは、やっぱり介護している方っていうのは家庭の中に籠りがちなので、自分と同じ境遇の人がいるということをなかなか知る機会がない方も多いので、雑誌を通して「独りじゃない」ことを、感じて欲しかった。

一条さん

一条さん自身は5年前=35歳の時から、亡くなった父親の後を引き継ぐ形で母親の介護をしています。糖尿病の進行で視力が著しく落ちて、認知機能の低下も進んでいる母の介護を続けながらも去年7月、かつて出版社に勤務した経験を生かして「そこここ」の創刊に至りました。

創刊号は3,000部発行。メイン記事は「それぞれの介護」という特集!内容としては、87歳で要介護5の父親の介護を自宅で行う50代夫婦。病に倒れた65歳の夫を介護する64歳の妻。施設に入院する91歳の母に、月に3~4回会いに行って介護する67歳の娘といった、それぞれの事情に応じた「それぞれの介護」を取材して紹介しています。

そこここ紙面より1

「そこここ」創刊号の読者は、日頃介護で苦労されてる方が多いのかと思いきや、意外にも、こんな読者が多かったそうです。

「かいごマガジン そこここ」編集・発行人の一条道さん
介護真っ只中という人よりは、40代ぐらいの方で、これから介護が始まるかも知れないというどこか不安を抱えている方たちが、最初は手に取って下さっているなという印象がありました。

今の日本は超高齢化社会の中で、誰もが「介護の担い手」になる可能性があるわけです。そんなこともあって、自分の親がそうした年齢に差し掛かっていく40代辺りの関心が、すごく高かったというわけですね。

「そこここ」を通じての交流

「そこここ」は、介護の悩みを持つ方々が交流し支え合うために創刊したわけですが、実際には「そこここ」を一緒に読むといった形の“読書会”「そこここ会」を、喫茶店や介護関係の学校で開催しています。参加者は女性が中心で、年代的には20代から70代まで。現在介護を行っている方から、既に介護を終えられた方、これから介護の担い手になる方まで様々です。既に介護を終えた方から、現役の方やこれからの方にアドバイスを送る光景も見られるとのことです。一条さん自身も、介護サービスに関して今まで知識が薄かった部分を知ったり学んだりする場になっていると言います。また、こんなことを改めて知る場にもなっています。

「かいごマガジン そこここ」編集・発行人の一条道さん
一緒に親と住んでいなくって、しかも遠方なので、兄弟に介護を頼んでいる方というのも結構います。その方たちっていうのも、すごく心を痛めてたりということがするんだなというのを、実際に来た方のお話を聞いて、知りましたね。

近くに住んでないため、親の介護を担えない子どもは、実際に介護にあたってる兄弟などとは、どうしても齟齬やギャップが生じ易くなります。一条さん自身も、自分の姉が子育てなどのために介護にほとんど関われないため、関係性に悩んだ時期があったと言います。そうした部分をフォローしていく上でも、「そこここ会」を通じた交流は、大切なものになっています。

ユニークな視点の特集記事

現在「そこここ」は不定期刊なのですが、次の号を出す際には、是非こんな特集をしてみたいそうです。

「かいごマガジン そこここ」編集・発行人の一条道さん
それは阿川佐和子さんとお医者さんの対談なんですけど、“認知症”になっても一人暮らしをした方が良いということを、その先生はおっしゃってたんですね。そこで私は「ひとりで暮らす」っていうのをテーマに、特集を組んでみたいなと考えたんです。それはやっぱりこれからは自分に置き換えても、私はいつまで一人で暮らせるんだろう?いつまで、病気になってもその環境で保てるんだろう?ってところがが純粋に疑問としてありました。

おととし出版された「看る力 アガワ流介護入門」(文春新書)という本で、医師の大塚宣夫(おおつか のぶお)さんが述べられていたことから、一条さんは「ひとりで暮らす」という特集を思い付いたということです。超高齢化と超少子化が同時に進む日本では、今後の“介護”を考える意味で、確かに必要な視点かも知れませんね。

「そこここ」紙面より2

因みに「そこ」にも「ここ」にも介護の悩みはあるというわけで、雑誌「そこここ」には、更にユニークな視点の記事もあります。創刊号では、動物たちの“老後”や“介護”を考えながら飼育している、福岡県大牟田市に在る動物園を取り上げています。超高齢化社会に於ける“介護”には「人と人」だけでなく、犬や猫をはじめ、「人と動物」という組み合わせもあることから、こうしたページを作ったということです。

★「かいごマガジン そこここ」
https://www.sokokoko.com/
問い合わせ先のメールアドレス… info@sokokoko.com

担当:松崎まこと(放送作家/映画活動家)