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宇野維正から聞く、2010年代ポップカルチャー総括

ACTION

3月19日(木)のゲストは映画・音楽ジャーナリストの宇野維正さん。今年発売された音楽評論家の田中宗一郎さんとの共著『2010s』では、世界を変えた2010年代のポップカルチャーについて総括していますが、今日は「キーワードで読み解く2010年代のポップカルチャー」と題して、羽田圭介さんがお話を伺います。

フィメールポップ

宇野:日本って”サブカルチャー”という言葉がわりと一般的じゃないですか。僕はなるべく、喋る言葉や書く言葉にしても”サブカル”という言葉を使わないようにしていて。”ポップカルチャー”と何が違うのかというと、社会とのつながりというのが”ポップカルチャー”の肝なんですね。音楽で”フィメールポップ”がキーワードで出てきましたが、特に2010年代前半ですが、日本でも特に人気のあったレディー・ガガ、テイラー・スウィフト、ケイティ・ペリー、あとはリアーナとかアリアナ・グランデとか。やっぱりそれは、社会における女性の地位向上みたいなものと密接にリンクしていたんです。

羽田:レディー・ガガって日本での伝え方だと、奇抜なことをしている印象でしたね。

宇野:彼女も女性だけではなく、LGBTQみたいなものの代弁者みたいな形で、自分のお客さんを「リトルモンスター」と呼びましたけど、ようは一人ひとりは歪だけどそれを肯定していくというメッセージであり、だからこそ彼女自身も歪な格好をしていたんだけど、その歪さだけが日本では取り上げられてしまうという。そうじゃなくて彼女は、世界中の変わった人を勇気づけるというメッセージを発していたわけですよね。

幸坂:テイラー・スウィフトも過去のボーイフレンドに対する曲を書いていましたね。

宇野:シスターフッドという言葉が向こうにはありますが、女性同士の友情みたいな。昔の恋愛ソングって、「女性がフラれて悲しい」みたいなのが多かったけど、そうじゃなくて「見返してやる、乗り越えてやる」とか、そういうのを含めて女性の時代だったんですよね。それが2010年代後半に行くにつれ、ちょっと政治性を帯びてきて、フィメールポップのポジティブなだけの時代は前半までだったかなというのは本でも書いてありますね。

日本の音楽環境のガラパゴス化のSpotifyの上陸

宇野:ストリーミング自体は2015年ぐらいからあったのですが、あんまり普及しませんでした。理由はメジャーのアーティストが入らなかったという単純な理由なんですが、ここに来て星野源さん、サザンオールスターズ、L’Arc~en~Cielであったり、もう入っていない人を探すのが難しいですよね。ようやく2020年、日本でそれが主流になりましたが、はっきり言って10年近く遅れてますよね。その違いは大きいですよね。

羽田:なんで日本のアーティストは配信にあまり参加しなかったのですか?

宇野:やっぱり利権ですね。音楽業界がまだCDが売れていたので、「売れている限りはこの状況を保とう」という業界の総意みたいなものが効いていたのでしょうね。

宇野:今面白いのが、配信の再生回数もチャートに反映されている、たとえばビルボードチャートを見てみると、半分ぐらいが髭男なんですよ。これはアメリカにも起きた現象で、たとえば数年前だったら半分ぐらいドレイクだったり。今だとリル・ウージー・ヴァートというラッパーがビルボードの11位までに4曲が入っているんですけど。そういう1人のアーティストや曲に人気が集中してしまう。だからストリーミングっていいことばかりじゃないんです。

羽田:それはオススメの再生とかに出てきちゃうとかもありそうですね。

宇野:あとメディアに力がなくなっちゃったから、みんなが聴いているものを聴くになっちゃいますよね。だから難しいです。もちろん、ドレイクや髭男もいいものなんですけど、「チャートの半分が髭男で果たしていいの?」というのはありますよね。でもこれはしばらく続くんじゃないですかね。

宇野:日本もガラパゴスだったのに、現象として起きていることはアメリカと同じですよね。去年でいうとあいみょんとかね。特定のアーティストにあまりに人気が集中しちゃう。だから、20年代どうなっていくかというのは、この状況がどれだけ続くのか。そして必ずしもいいことばかりじゃないよということから考えなきゃいけないですよね。

このほか、映画やドラマのお話も。GUEST ACTION全編はradikoのタイムフリーで。

3月19日(木)のGUEST ACTIONを聴くhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200319162835

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)