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観光立国:日本をめざして ~本保芳明さん

コシノジュンコ MASACA

2020年3月8日(日)放送
本保芳明さん(part 1)
1949年北海道生まれ。東京工業大学大学院を修了後、運輸省に入省。初代観光庁長官、世界観光倫理委員会委員、国連世界観光機関アジア太平洋代表など、観光政策に関わる要職を歴任され、2016年から国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所の代表を務めていらっしゃいます。昨年、瑞宝重光章を受賞。

本保:地味な人を呼んでくださって、ありがとうございます(^^)

JK:いや、私にとって本保さんは「すべては1人から始まる」っていうときの「1人」なんですよ! 本保さん知らなかったら、100人ぐらい知らないよ。それもみんな重要な人ばっかり。

出水:本保さんとジュンコさんの出会いはいつごろ?

本保:1999年じゃないかなと思うんですよ。

JK:都庁でね。東京を観光都市にしようっていうシンポジウムに呼ばれて。

本保:そのシンポジウムで初めてジュンコ先生にお会いして、ペチャペチャお話ししたのが始まり・・・

JK:どういうわけか仲良くなっちゃってね。夫婦で。

本保:それからすっかりジュンコ先生には観光の世界で応援いただくようになりました。しばらくして観光庁の長官になったんですが、仕事のひとつが、多くの方に応援していただこうということで・・・

JK:あの当時はまだ観光庁ってなかったのよね。それを作った人なのよ! 初代観光庁長官。その時にVISIT JAPANの観光大使に選ばれたの。

本保:第1号で、ご夫妻でご参加いただきまして・・・いろいろありがとうございました。

出水:当時からインバウンドを見据えて本保さんが陣頭指揮を執ってらっしゃったんですね。

本保:去年の数字で3180万人。当時はまだ800万ちょっとだったんです。これを何とか増やしたいと言うことで。政府の目標は1000万人だったんですけど、もっといけるはずだし、やり方次第だと思ったんで、力強い応援団がいればもっと前に進むだろうということで、ジュンコ先生にお手伝いいただきましたm(_ _)m

JK:いやいや。でもあっという間に2000万、3000万になって。今はこういう状況だから先はわからないけど、この間震災もあったし、いろいろあったけど、着々とインバウンドは成功しましたよね。

本保:世界の人口は70億人強ですよね。何人ぐらい年間に海外旅行しているかご存知ですか?

出水:ええ~???

本保:去年1年間で14億人以上なんです。5人に1人は海外旅行をしている計算になるんです。

JK:えっ本当?! でも日本人も外国に行くの好きですよね。

本保:好きなんですけど・・・実は我々にとって一番の悩みのひとつは、日本人が海外旅行に行かないことなんですよ。2019年初めて2000万人を突破して大喜びしたんです。観光庁ができたのは2008年ですけれど、その時の日本人観光客の目標が2000万人。

JK:やっと突破したって感じね。

本保:実は2000年から全然増えてないんです。2000年当時が1800万人弱で、そこからちょっと増えたり減ったりしながら、やっと2000万人。国民がどれだけ海外旅行するかっていう数字で見ると、日本は先進国で一番低いほうなんです。

出水:その理由は何か分析はあるんですか?

本保:なかなか難しいんですけど、ひとつは日本国内の観光資源が豊か。だから世界中から人が来られるわけですね。同じように少ないのがアメリカなんです。例えば、日本と台湾を比べると台湾のひとは4倍ぐらい海外に出ているんです。本当に違うんですよ。

JK:積極的なんですね。

本保:積極的。だから日本人は消極的という見方もありますが、それ以上に1人当たりのGDPが増えていないっていうのが一番大きいんじゃないでしょうか。つい最近20年前の数字を請えたぐらいですから・・・1990年の1人当たりのGDPを超えるのに20年かかったんです。ちょっと悲しい現実でしょう。

JK:何とかしなきゃね。オリンピックも来るし、2025年に万博もあるし。そういう意味では先は明るいように見えますけどね。

出水:国連世界観光機関(UNWTO)というのはどういった組織なんでしょう?

本保:一言で説明するのは難しいんですが・・・国連の専門機関ってございますよね。皆さん知っているUNESCOとか、そのファミリーのひとつで、観光を専門に扱っている組織です。マドリッドに本部がありまして、実は多くの専門機関は各地に事務所を置いているんですが、UNWTOは日本にしか事務所がないんです。

JK:東京ですか?

本保:奈良に連絡事務所を置いていて、そこの代表をやっています。世界に約160の国が参加している専門機関なんですけれども、観光政策を議論して、共有して、各国各地域の観光を盛んにしていく仕事をしている、と思えばいいと思います。これまではどうやって観光を大きくして、外貨収入を増やしていくかが大きな目的ですから、成長を中心に議論してきたんですが、このところはガラッと変わりまして、成長は成長でも「持続可能な成長」をどう進めていくか。SDGsの達成と併せてどう進めていくかに主眼が移っています。

出水:なるほど。

本保:その理由は、先ほど14億人と言いましたけれども、観光人口がものすごく大きくなって、それによって大きなメリットももたらされているんですが、デメリットの面も目立ってきて、バランスを取らないと地球環境の保存も合わせて上手くいかない、というのもあると思います。

JK:日本人が日本をもっと観光してもいいですよね。それを外国の人に「素敵だよ」って紹介する。もっといいところがいっぱいあると思うんですよ。世界から見たら日本ってものすごく恵まれてて、いろんな土地土地に特徴があって。そういうのをもっと知らせていけばいいかなって。

本保:ジュンコ先生のように幅広くご覧になっている方々は次々いろいろ日本のあちこちでいろんなものを見つけるんですけど、ついつい見慣れちゃっているところもあるんですよ。だから最近は外国人が新しい面白いものをみつけてくれて、そこに日本人が行くっていうのが流行ってるんです。

JK:日本人が目覚める、ってね。わりとそういう習性がありますよね! 外国人て目ざといっていうか、日本人が気が付かないところを見つけてくるのよね。そうだったの?!みたいな。直島とか瀬戸内芸術祭とか、日本人がいっぱい行ってるよりは、外国の人がしっかり見てて、遠くてもそこまで行くんですよ。

本保:本当にすごいですよね。本当にいいところがあるんですけど、ファッションを含め、日本の持っている総合力って文化とか芸術に集約していると思うんですね。これをいかにして世界に知っていただいて、お客さんに来ていただくのが一番の課題だと思っています。

JK:そういうものを美術館にしても、もっと積極的に・・・パリに行くと、あれだけ美術館があっても、必ず新しいことをどこかでやってるんですよ。だから見るのが忙しいくらい。だからストとかあると大変なの(^^)

本保:ものすごく汗かいてますよね。

JK:イベント好きというか。観光の世界一って今までパリだったでしょう? 今は違う?

本保:お客さんの数だけだと、バンコクという説もあります。だけどやっぱり、パリとロンドン、NY。この3つは突出してすごいと言われていて、だんだん東京が近づいてきている(^^)

出水:おっ、なんとも頼もしい! 今の若い方たちは、アートが目的で旅をするという傾向があるんですか?

本保:それとアニメ(笑)

出水:あー!

JK:どの街で何をやってるか目標にしてそこに行きますからね。ただの計画性のない観光っていうのはないですよね。何を見たいか。

本保:とがったものを目指してきている、ってことでしょうか。そういう意味では、ジュンコ先生みたいな発信力のある方、宣伝じゃなくて、面白いって伝えないとだめなんですよね。

JK:日本のものをもっと世界に見せないと! 日本に来たけど、こういうもの見たいけどどこに行けばいいかわかんない、っていうのは困りますよね。

出水:ジュンコさんは沖縄で花火もデザインされていますね。琉球海炎祭。海外の方もよく見に来てますよね?

JK:沖縄ってのびのびできるわね! もう10年ですよ!

本保:10年ですか! すごいですね。やっぱり地域のよさって生み出していかなきゃいけないんですが、継続して努力を重ねないと絶対成果は出ないんです。結構途中で息切れすることが多いんですけど、沖縄で花火がやってると、みんな「4月に行けば・・・」って楽しめますよね。

JK:私が始めたのは途中からなんだけど、「ショッキングピンクは出ないの? トルコブルーでやってちょうだい」とか(笑)

出水:職人さん泣かせですね(^^;)本保さんも昨年沖縄の観光シンポジウムで基調講演をされていますね?

本保:まさに「持続可能な観光」というテーマになったんですけれど、今沖縄に1000万人が来てるんですよね。そのうち300万人が外国人で、本当にブームになってるんですけれど、素晴らしく貴重な自然や文化が受け継がれてきてますよね。やや部分的には来過ぎているところもあって、自然環境の部分が心配だったりします。こないだもサルディニアの方が「ごく沖縄はいいところで、サルディニアと同じ、あるいはそれ以上だ」と言ってくださったんですが、でもプラスチックのごみの漂着が信じられない、って言っておられて。そういう問題にも立ち向かっていかないと長続きしないと思うんですよね。そういう話を皆さんでしました。

JK:本当ですね! 私、美ら島大使なんですよ。もともと沖縄でサミットがあったでしょう? その時にかりゆしシャツを作ったんです。あの時はクリントンさんもいらっしゃったんで、アロハシャツって言えなくて「かりゆしシャツ」になったんです。

本保:えっそうなんですか?! 今はかりゆしが正装ですよね??

JK:そういう責任もあって、花火とかなんだかんだ。そういう思いがないと。美ら島大使になったのも、沖縄のために何かしたいなと思ったからポンっと乗ったわけ。

本保:花火もそうだと思うんですが、日本の文化には素晴らしいものがたくさんありますよね。でも、そのまますべて外国人に伝わるわけじゃなくて、一工夫したり、より分かりやすくしないと、なかなか伝わらない。上手に解説をつけてあげるとか、花火とオペラを組み合わせて、世界の人がわかるようなスタンダードに日本的な色合いを加える。そうすると、自分たちが共有している文化の上に日本の文化がのっかってくるので、親しみも出てくるし、より分かりやすくなると思うんです。

JK:それで最後は必ずカチャーシー! 沖縄って単純で、だから大好きなんだけど、どんなエライ人でも、最後は踊るのよね!

本保:あれいいですよね! キューバと通じるものがある。

JK:なんか共通してるでしょう? あのラテンが沖縄にはあるのよ。日本で唯一のリゾートだと思います。

=OA楽曲=

M1. 前田節~さふえん節~稲摺節 / 嘉手苅林昌

「コシノジュンコ MASACA」
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