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4月から予防切除が保険適用となる卵巣がんについて

森本毅郎 スタンバイ!

卵巣がんは、早期発見が難しいがんの1つで、卵巣がんにかかる人、卵巣がんでなくなる人は年々右肩上がりとなっています。こうした中で、卵巣がんを予防するために患者さんが、がんになっていない卵巣など切除する手術が、来月4月から保険適用になります。

そこで3月9日(月)松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、卵巣がんの早期発見と、4月から保険適用となる卵巣がんの予防切除法についてお伝えします。

★卵巣がんとは?

卵巣は、子宮の両脇に1つずつある親指くらいの大きさの楕円形の臓器です。重さは6グラム程度で、女性ホルモンを分泌したり、卵子を月経が停止するまで周期的に放出します。

そんな卵巣にがんができるのが卵巣がんですが、この卵巣がん、非常に厄介なんです。というのも、早期の卵巣がんには自覚症状がないんです。腫瘍が小さい場合でも婦人科検診などで早期に発見されることもありますが、卵巣が腫れている状態であっても、かなり大きくなるまで無症状のことが多いのが厄介な点です。

下腹部にしこりが触れる、おなかが張る、トイレが近い、食欲の低下などの症状があって受診することが多いのですが、このような時には既にがんが進行していることも少なくない。

さらに、卵巣がんが進行すると転移します。卵巣がんが転移する場合、おなかの中の臓器にがんが広がっていきやすいです。おなかの中にがんが広がることで、おなかに水が溜まって腹部全体が張ってくる、胸にまでがんが広がることで胸に水がたまって息切れするといった症状が出てはじめて異常に気づくことも少なくないがんです。

その状態で発見されると、5年生存率は20%を切ってしまう厳しいがんなのです。こうしたことから、早期発見が重要ながんの1つとなっています。

★自分でもチェックできる卵巣がんのリスク

卵巣がんは早く見つけたくても早期では自覚症状がなく、早期発見が難しいがんです。ただ、自分が卵巣がんにかかりやすいかどうかは、自分でもチェックできます。というのも、卵巣がんになる原因はいくつかあり、それに該当しているかどうかで、自分のリスクを知ることができるのです。

大きく分けて3つのチェック項目があります。

1つ目は「妊娠、出産経験」があるか、ないかです。卵巣の大きな役割の1つに排卵がありますが、排卵するたびに卵巣の膜は傷つき、修復されて元に戻るということを繰り返しています。この修復の時に、細胞の一部に異変が起きて卵巣がんになると考えられているんです。そのため、排卵の回数が多い人ほど、卵巣がんのリスクが高いのです。妊娠中や出産後は排卵が起こらないため、妊娠、出産経験がある人はリスクが低く、ない人はリスクが高くなると言われています。

2つ目は40歳代以降かどうか、ということです。排卵回数が多い場合にリスクが高くなるため、排卵を繰り返してきた40歳代以降の人もリスクは高くなります。

3つ目は、家族に卵巣がんや乳がんにかかった人がいるかどうかです。卵巣癌のおよそ1割は、遺伝的な要因が関わっているといわれています。実際、家族や親戚に卵巣がんや乳がんにかかった人がいると、そうでない場合に比べて卵巣がんになる確率が高いことがわかっています。

★リスクが高い場合は?

リスクが高い人は、卵巣の腫瘍の有無を確認する「内診」と、「超音波検査」を受ける必要がある。卵巣がんのリスクが高い人や、気になる症状がある人は、半年か1年に1回、これらの検査を受けるようにしましょう。また、遺伝的な要因のある人は、20代、30代から検査を受けることが勧められます。

検査を受けて、卵巣がんが見つかった場合、早期では手術と抗がん剤の治療が基本となります。手術では両方の卵巣、子宮、リンパ節を切除します。なぜ両方なのか、ということですが、あとでもう片方にがんができることが多くあるからです。また、その時すでに片側の卵巣に転移してしまっていることもあるからです。

手術後は2種類の抗がん剤を点滴投与するのが治療としては一般的です。これが標準治療となります。かつては早期の卵巣がんでも生存率は50%と言われていましたが、ここ最近では80%になっています。
ただし、これは早期の卵巣がんの場合で、進行がんや末期がんは厳しいのが実情です。ですので、やはり、卵巣がんのリスクの高い人は、早くに対策を取る必要があります。

★卵巣がんの対策は?

卵巣がんや乳がんは、リスクの高い人がいます。その中で、特に遺伝性の乳がん・卵巣がんの患者さんが新たながんを防ぐために、健康な状態の乳房などを切除する予防切除があります。この予防切除が4月から保険適用になるんです。

対象はある特定の遺伝子に変異があり、「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」と診断された卵巣がんや乳がんの患者さんです。近年では予防切除によって新たな発症や死亡のリスクが低下することが分かったため、手術を受ける人が増加していました。

ただ費用が数十万円から百数十万円と高額なことから、学会や患者さんが保険適用を求めていた。今回、保険適用になることによって、患者さんの負担は3割負担になり、さらに、高額療養費制度が使えるので患者さんの年収によって、5万円や8万円の負担で済むようになる。また、様々な理由で手術を希望したくないという方もいます。

そういう方でも、早期発見のために定期的に受ける超音波などを使った検査が、4月から保険適用になります。卵巣・卵管がんの患者さんでは、「両側乳房切除」「乳房再建」の予防切除が保険適用になります。乳がん患者さんでは「反対側の乳房切除」「乳房再建」「卵巣・卵管切除」です。

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200309080130

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