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二本松の中心からオペラを叫ぶ ~樋口達哉さん

コシノジュンコ MASACA

2019年3月1日(日)放送
樋口達哉さん(part 2)
1969年、福島県生まれ。武蔵野音楽大学・大学院を卒業後、イタリアのミラノに留学。カルーソー国際声楽コンクールなど受賞歴多数。1998年にはハンガリー国立歌劇場『ラ・ボエム』のルドフル役でヨーロッパデビューを果たし、国内でも新国立劇場や二期会を中心に活躍されています。

出水:今はテノール歌手としてご活躍していらっしゃいますが、最初はテノールではなかったそうですね??

樋口:大学生のころはバリトンっていう男声の低いパートを勉強してたんです。当時僕の先生がバリトンで、あるとき「お前の声はテノールかなあ?」って言い出して。それでテノールの先生のところに連れていかれて、その日から僕テノールなんです! 結局音色なんですよね。高い声が出るからテノール、低い声が出るからバリトンって思われがちなんですが、声の出てくる音色というんですか・・・結局大学4年生ぐらいからテノールの勉強を始めた。

JK:全然違うものなんですか?

樋口:どうしてもテノールって高い声を求められるので、曲が難しいんですね。だから苦労しました。出し方は変わらないんですけど。

JK:プラシド・ドミンゴもそうよね。

樋口:まさに今言おうとしてたんです(笑)ドミンゴさんも当時バリトン歌手だったのがテノールに変わって、テノールで大活躍した後に、またバリトンに戻ったんですよね。ちょうどこないだリサイタル行きました! まだ元気な、張りのある声でね・・・

JK:でも声って老けないでしょ?

樋口:いやそれがね・・・老けないと思いたいんですが、最近は消耗品じゃないかと思うようになってきて。だから本番以外は、極力本気で声を出さないです。本番に取っておく。それ以外はフンフン~♪みたいな(笑)

JK:でも私もオペラ関連で衣装とか関わってるでしょ。みんな声が高いじゃないですか! 普段から高いでしょ。

樋口:高いですし、うるさい(笑)動物園ですよ。

出水:ジュンコさんも・・・(^^;)

樋口:女性だったらよそいきの声ってあるじゃないですか。それが常に聞こえてくる(笑)

JK:そうそう! それが面白くて。内緒話も全部聞こえちゃう(笑)それでいったん声出すとうるさいのね! あちこちで張り上げて。

出水:(^^;)

JK:私大好きなのが、オーケストラとの音合わせ。チューニング? あれ好き。始まる感じがする。

樋口:たしかにワクワクしますよね、始まるぞって。でも思うんですけど、オーケストラの方は弦の関係でチューニングは必要でしょ。でも僕らってステージ上でチューニングできないじゃない? 僕はやりたいんですよ。ステージに上がってお辞儀するでしょう、まじめな顔で歌うでしょう。その前に「アァアァ~、フゥーン、ハァ~」とかってやりたい(笑)

出水:たしかに、歌手の方にはそれは許されないですね!

JK:まぁ日本がこんなにオペラファンが多くなったのは字幕スーパーがあるから。あれがなかったら、イタリア語とかドイツ語とかさっぱりわからないんだから、見た目がわかってても深く入っていけない。泣けないわよ。

樋口:いくら予習して行っても、やっぱり同時にわかったほうがね・・・でも面白いことがあって、オペラって真面目なオペラと面白い喜劇があって。喜劇のとき、日本人の方は内容じゃなくて字幕で笑うでしょ? そうすると遅れて笑ったり、先に笑ったりっていうことが起きる(笑)


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「樋口達哉のオペラ」実行委員会主催: オペラ『道化師』
日時:2020年10月10日(土)開演15:00
会場:紀尾井ホール
料金:SS席12,000円/S席10,000円/A席:6,000円

お問い合わせ:「樋口達哉のオペラ」実行委員会
https://tatsuyanoopera.com/
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出水:「樋口達哉のオペラ」という実行委員会は、どういった会なんですか?

樋口:もともと僕の生徒さんがご主人と一緒に立ち上げてくださって。「やりたいオペラをやりましょうよ!!」っていうことから始まりまして、昨年5月に第1弾をやりまして、今年は待望の『道化師』というオペラを10月10日に上演します! これは僕の夢でしてね!

JK:うわぁ、すごい! 今年は最高にツイてるじゃないですか! それに道化師ってぴったりなような気がする。可愛らしくて。

樋口:それこそ何もしらない大学生の時に、初めてテノールに憧れた歌手がイタリア人のマリオ・デル・モナコ。日本に来た時の『道化師』の白黒映像を見たんですけど、もう震えたっていうか・・・! お芝居もして、歌で表現もできる。『道化師』は旅一座の座長が主役で、ピエロ=道化の役をするわけです。でも実生活ではかなり歳の離れた奥さんがいて、その奥さんが浮気をする。それをわかっていながら、自分は道化をしながら舞台にあがらなくちゃいけない。最終的には主人公が妻をがぁっと刺してしまう。だからかわいらしいものではなくて、ドロドロした人間の怒りとか、悲しみとか、おしろいを塗りながら泣き笑いをする心の葛藤とか・・・それを聞いてほしいです!

出水:樋口さんは二本松市の観光大使も務めてらっしゃるんですよね。どんな場所ですか?

樋口:二本松のみなさん聞いてますか~??(^^) そうですね、二本松市は福島県の真ん中あたりにあるんですけど、空気がきれい! 水がきれい! お米が美味しい! どこの田舎もそうかもしれないですが・・・。二本松ならではでいうと「提灯まつり」っていうのがあります。日本三大提灯祭りって言われてまして、7つの山車が出て、提灯が300個ぐらいついてて、それが街を練り歩くんです。お夜なんかきれいでね! それから二本松の「菊人形」っていうのがあります。

JK:昔菊人形ってあったけど、まだそういうのやってるのね。

樋口:やってるんですよ! 菊の花を着物に見立てたり。千輪咲きの大きな菊があったり。だいたい10月1日から11月半ばぐらいまで、1カ月半~2か月弱やってます。それから温泉も有名でね! 岳温泉。ご存知だと思いますけど『智恵子抄』の高村智恵子が生まれたところなんですから。生家が記念館になってるんですけど、実家から歩いて5分ぐらい。安達太良山と阿武隈川が両方見える小高い丘があって・・・。

JK:素敵なところね~!

樋口:帰るたびに、心が安らぎます。高校時代は、そこを抜け出して東京に行きたいと思ったんですけど(^^;)いまは故郷です。

JK:本当よね。これだけ自慢があるもの。さすが観光大使!

樋口:お酒も美味しいよ! 日本酒の有名な酒蔵が4つもあるんですよ!

JK:福島のお酒って世界一になったんですよ。私も福島とはいろいろあるから、知ってます(^^)

樋口:本当、みなさんいらしてくださいよ! 温泉最高ですから!

出水:最後に、これから取り組んでみたいことってありますか?

樋口:もちろんオペラが大好きで、これからもオペラ歌手として、舞台人として一生歌っていきたいというのが一番ですが、もうひとつオペラ以外のものにも挑戦したい。クラシックじゃない曲、自分のオリジナルの曲も歌ってみたい。いい曲だったら、皆さんにも聞いていただけるし、それによって、オペラにお客さんを呼び寄せたいなと。オペラって敷居が高いと思われがちで、食わず嫌いになる人がたくさんいらっしゃる。お客さんも口ずさめるような曲を僕が歌う、それによってクラシックやオペラのほうに興味を持っていただけたら嬉しいなと。今だからできることかなと思います。

=OA楽曲=

M1. 『道化師』 ~ “衣裳をつけろ” (レオンカヴァッロ) / 樋口達哉

「コシノジュンコ MASACA」
TBSラジオで、毎週日曜17:00-17:30放送中です。ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。