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米大統領選、民主党はサンダースで決まり?! 小西克哉さん(ジャーナリスト)

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
2月22日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、ジャーナリストの小西克哉さんをお迎えしました。注目のアメリカ大統領選挙。民主党の候補者指名争いはここまでアイオワ州の党員集会、ニューハンプシャー州の予備選が終わって混戦模様。今日(2月22日)はネバダ州の党員集会、29日はサウスカロライナ州の予備選、そして3月3日のスーパーチューズデーで前半戦の山場を迎えます。アメリカ大統領選挙を30年以上に渡って取材している小西さんは今回の大統領選をどう見るのか。

大統領選挙を取材して30年


小西さんは1954年、大阪府生まれ。東京外国語大学に在学中から国連や官庁・企業の会議の同時通訳の仕事に携わります。東京外国語大学大学院を出たのち、 「CNNデイウォッチ」や「サンデープロジェクト」(いずれもテレビ朝日系列)の司会をはじめ、数多くのニュース番組で通訳、キャスターとして活躍。TBSラジオでは「ストリーム」のパーソナリティ(2001年~09年)、「荒川強啓デイ・キャッチ!」のコメンテイター(1995年~97年、2009年~19年)としてもおなじみですね。

小西さんがイリノイ州シカゴの高校に1年間留学したのがちょうどウォーターゲート事件で全米が大騒ぎになった大統領選挙の年(1972年)で、学校の授業も大統領選を教材にして大変な熱気だったそうです。それがきっかけで小西さんはアメリカ大統領選に関心を持つようになり、1988年以来ずっと取材を続けています。

サンダースの勢いは止まらない?!


トランプ大統領の再選が注目される今回の大統領選、民主党の候補者指名争いはここまで混戦模様。大方のメディアはどの候補が優勢かという話をするのですが、久米さんの関心は2つ。トランプ大統領を倒す候補が民主党から出てくるのかどうか。どうすればトランプに勝つにはどうすればいいか。

「おそらくサンダースがきますね」(小西さん)

上院議員バーニー・サンダース、78歳。ゴリゴリの急進左派。前回の大統領選挙(2016年)でヒラリー・クリントンと民主党候補者指名争いで死闘を演じました。そのときに地上戦を戦い抜いた草の根組織が4年経ったいまもまだたくさん生きている。支持しているのは若者層。サンダースは「歩く経済白書」と言われるくらい、演説の中でいろいろな数字がポンポン出てくるそうです。これがとにかく分かりやすい。だから若い人たちにも伝わるのです。

「この方、本当に元気。そして1970年代から言ってることが変わっていない。アメリカ人にとっては異端なことを言っている。『国民皆保険を導入しろ、私は社会主義者だ』と言って胸を張っているわけです。ずっと胸を張っているってなかなかできないことで、いま若者の間ではユーチューブで昔のサンダースを観ることが流行っちゃってる(笑)。いろんな世論調査でも支持率はサンダースがトップです。ネバダ州の党員集会(2月22日)でも勝つと思います。スーパーチューズデー(3月3日)でも、おそらくバーニー・サンダースは勝つだろうと思います」(小西さん)

大健闘中のブティジェッジはどうなる?


サンダースに肉薄する大健闘をみせているのが、政治経験がほとんどない(インディアナ州サウスベンド市長を務めたことがあるだけ)、若いピート・ブティジェッジ。38歳。

「ブティジェッジは高校生のときに全米作文コンテストで優勝したんです。それがジョン・F・ケネディ財団が主催する作文コンテスト。そのときの写真に一緒に写っているのは元駐日大使のキャロライン・ケネディ。20年前ですけど。それで、作文のテーマが何だと思います? 『バーニー・サンダース』なんです」(小西さん)

「えー、面白い」(堀井さん)

「サンダースのことを尊敬する、これはいまのアメリカにはいない、妥協を許さない政治家であるって書いているんです。これを書いたのは2000年、クリントン大統領の時代。クリントンは民主党なのにまん中の人たち、保守の人たちの支持を集めることで政権を取った人なんです。でもそれっておかしいでしょ、とブティジェッジは言っているわけです。若者たちは白けていて、斜に構えることが格好いいような、そんなアメリカ社会でいいのかと書いて優勝したんです。そして、サンダースはアメリカ議会の政治家の中でも唯一、原則を持って自らを社会主義者と名乗り、その原則を曲げない人である。原則は曲げないけれど、政策は妥協できる。それはまさにジョン・F・ケネディが著書の中で言っていることだ、と」(小西さん)

「いまブティジェッジは中道だと言ってますよね」(久米さん)

「そこなんです。原則を持ってまん中に寄らないバーニー・サンダースがいかに素晴らしいかと言っていたブティジェッジが、いままん中に寄ってきてる(笑)」

民主党候補が化ければ勝てる


小西さんは「民主党の候補はこの先どこかで〝化けたら〟とても強くなる」と言います。オバマ大統領はヒラリー・クリントンとおよそ1年に渡って討論会で戦う中で化けました。ケネディ大統領はテレビ討論で化けました。カーター大統領も初めは「ジミー、Who?」と言われていたけれど、のちに化けて全米で名が知られるようになりました。ビル・クリントンも田舎の知事(アーカンソー州)にすぎなかったが討論会の中で大きく成長しました。高校野球やサッカーワールドカップで勝ち進むたびに強くなるチームがありますが、大統領選挙もそれと同じだと。では、そうなりそうな人物がいまの民主党候補の中にいるのでしょうか。

「サンダースはこれまでにもう3回ぐらい化けていて、もう化けきっている。伸びしろがあるのはブティジェッジとクロブシャー」(小西さん)

「勝敗を分けるのは?」(久米さん)

「アメリカ大統領選挙というのは、数少ない『接戦州』の票で決まるんです。カルフォルニア州とかニューヨーク州は民主党に入れるに決まっているわけだし、テキサスとか南のほうの州はみんな共和党。そうでないまん中の州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州、ニューメキシコ州などが接戦州。そこの州の人がひとりでも多く民主党に入れるかどうかが勝敗を分けるわけです」(小西さん)

トランプが負ける可能性は何%?


「実はバーニー・サンダースというのは、2016年の大統領選のときはトランプの支持層とかぶっていたんです。トランプを支持した人たちというのは、昔は民主党に投票していた人たちなんです。ところがいまの民主党のトップのほうが腐りきっているから、庶民のことを分かってくれるトランプに投票した。だけれども、中にはサンダースに投票した人もいたんです。これはなぜかというと、結局、『右』と『左』の対立じゃなくて、『上』と『下』の対立なんですね。サンダースもエリートなんだけど、彼は筋金入りの庶民運動をやってきた反骨の権化みたいな人です。だから庶民も彼が言っていることが分かるんです。ただ、民主党の候補がヒラリー・クリントンになっちゃったから、みんなトランプに投票したんです。これがサンダースだったら彼に投票したという人が結構いたことが、あとになって調査で分かったんです」(小西さん)

「かぶってるんだ、支持層が」(久米さん)

「つまり白人労働者層の人たちは、トランプでもサンダースでもいい。とにかくエリートを敵にしているんです。だから、そういういまのア懸けてメリカにとってサンダースが出てくるということは、結構、共感できるんじゃないかなと思っています。これは接戦州の話ですよ。ペンシルベニア州の山の中とか、ウィスコンシン州の大平原の中とか、そういった人々です」(小西さん)

「いまの話を聞いてると、トランプに勝てるのはサンダースぐらいしかいないという気になってきました」(久米さん)

「エリザベス・ウォーレンも左派なんですけど、彼女はエリートのにおいがする。だから民主党大会ではサンダースがいちばん得票を取ると思うんですが、ひとつ非常に問題になっているのは、過半数は取れない可能性がある。民主党大会に代議員を送るんですが、全部で3979人いるんです。その過半数が1991人。これをサンダースも取れないということが起こりうるんです。その場合、2回目の投票をやるんです。そうなると、サンダース以外を支持する人たちが競合して寄り集まることができるんです。それがブティジェッジかもしれないし、ほかの人かもしれない。その可能性があるのは、民主党の『特別代議員』という人たち、770人ぐらいいるんですが、これがサンダースじゃないところに行く可能性もある。バイデンだとかに。でもそうなると、民主党の人気はガタッと落ちると思います」(小西さん)

「それでサンダースは、過半数を取れなくてもトップだった人が候補になるべきだって言ってるんですね」(久米さん)

「彼だけが言っているんです。ほかの人はそう言っていない。でも、談合で決まったような候補が出てきたら、本選では100%負けますね。ヒラリーのときがそうでした」(小西さん)

「キャスター生命を懸けて、トランプが負けるパーセンテージは何%ぐらいありますか?」(久米さん)

「いまのところ40%ぐらいですかね(笑)」(小西さん)

小西克哉さんのご感想


久米さんとの出会いは「ニュースステーション」。ぼくは同時通訳として番組に関わっていました。顔を合わせての共演は今回が初めてじゃないかな。久米さんは相変わらず話にスピード感がある。普通のキャスターと違って無駄な言葉がない。感心しました。

ただ、民主党の候補者選びがスタートしたばかりのこの時期に、トランプ大統領が負ける確率をキャスター生命を賭けて答えろというのは無茶振りですよ(笑)。40%と答えましたが正直自信はありません。分かっていたら株を買って儲けていますよ。

大統領選でよく聞かれる質問は「誰々が大統領になったら日本への影響は?」とか、「日本にとって有益な候補は?」というもの。こんなに早い時期から勝ち負けの確率が気になるのは、前回の大統領選で世紀の大どんでん返しを演じたトランプならではなのでしょうね。

ちなみに今日のメッセージテーマの「2番手」ですが、私は「1番手」を独り占めするのは悪いと思って「2番手」になってあげたら番組が終わるという苦い経験をしたことがあります。

「今週のスポットライト」ゲスト:小西克哉さん(ジャーナリスト)を聴く

次回のゲストは、大東文化大学教授・高安雄一さん

2月29日の「今週のスポットライト」には、韓国の経済にお詳しい大東文化大学経済学部教授・高安雄一さんをお迎えします。話題の映画『パラサイト』で描かれた韓国の「格差」のお話を伺います。お楽しみに。

2019年2月29日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200229140000

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