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新たな石油は必要なし!コカ・コーラ社が掲げるペットボトルの「循環利用」とは

見事なお仕事

企業の“見事な”取り組みや新情報をお届けする番組『見事なお仕事』。ポップカルチャーの総合誌「BRUTUS」の編集長でカルチャーに精通する西田善太さんならではの視点で、企業の“見事なお仕事”の内容と秘訣を、インタビュー形式で伺っていきます。

12月15日(日)のゲストは株式会社日本コカ・コーラの柴田充さん。製品製造を環境の視点から監督する柴田さんに、日本コカ・コーラ社の容器リサイクルの取り組みについて教えてもらいました。目標である「新たな石油を使わないペットボトル」、どうやって実現させるのでしょうか?

日本人は「リサイクル好き」?

西田 今日は、ペットボトルのリサイクルについての話をしようと思うんですが……その前に、リユースとリサイクルってどう違うんですか。

柴田 容器を洗浄・殺菌してそのままもう一度使うのがリユースです。

西田 昔、コーラの瓶の回収に協力すると10円戻ってきたじゃないですか。あれは本当はリユースだったんだ! では、リサイクルは?

柴田 容器を分解・合成して、新しく生まれ変わらせるのがリサイクルですね。

西田 なるほど。でも、「環境に優しい」ってよく言うけど、そんなことしてたらリサイクルする過程で新たなエネルギーが必要になりませんか?

柴田 まさにその通りで、どの側面において「環境に優しい」のかは一言で語ることができない難しい問題なんです……。一般的に言われているのはCO2の排出量です。その点でいうと、一から新たにペットボトルを作るのに比べて、リサイクル材を使用したほうがCO2の発生を約25%抑えることができます。

西田 そうなんだ。リサイクルって身近な言葉だけど、その実情はよく知らないんですよね。ペットボトルのリサイクル率ってどれくらいなんですか?

柴田 日本国内ですと、販売されたペットボトルに対のうち約85%がリサイクルされています。

西田 そんなに! 確かに、昔から「資源が足りない」って叩き込まれてきましたからね。日本人って、意外とリサイクル好きなんだ。

柴田 日本人ってとても勤勉なんだなって思います(笑)。

82年に解禁されたペットボトル、90年代後半まで使われなかったのはなぜ?

西田 でも、リサイクルって、捨てる側の僕らの意識ももちろん重要だけど、集める側のインフラ・システムも必要ですよね。

柴田 その通りです。実は日本の場合、食品容器としてペットボトルを使用する許可が国から出たのは1982年でした。にもかかわらず、一般に広まったのは90年代後半。なぜそんなに日があいてしまったか。実は、販売開始直後はペットボトルの回収・リサイクルのインフラが整っていなかったので、メーカー側が販売を自主規制していたからなんです。前に、ミネラルウォーターの「evian」を持ち歩くのが流行したじゃないですか。西田さん、覚えていますかね?

西田 ああ、覚えてる! ペットボトルホルダーに入れて首からぶら下げてね。

柴田 そうですそうです! 当時、国内のメーカーはペットボトル容器の販売を自主規制していたんです。だから、みんな海外メーカーのevianを飲んでいた。ペットボトル容器は軽くて丈夫で持ち運びやすく、人気が出たのですが、そのまま販売を続けるとプラスチックごみが増えてしまうという問題があったんです。ですから、行政と民間でタッグを組んで回収・リサイクルのインフラを整えてから販売しようと。そして、その取り組みが形になったのが90年代後半でした。

西田 なるほど、リサイクルにもメーカー側の努力の歴史があるわけですね。そして今回、日本コカ・コーラさんが宣言したのがペットボトルの「循環利用」。これはどういったものなんですか?

柴田 簡単に言うと、飲み終わったペットボトルを回収・リサイクルし、もう一度ペットボトルに戻して繰り返し使っていくということです。そのために、「容器の2030ビジョン」を目標に掲げ、循環利用が可能な社会の実現に向け努力しています。

西田 どんな内容ですか?

柴田 まずは、使用するすべての容器をリサイクル可能なものに変えます。さらに、新たに作るペットボトルや缶にも、できるだけリサイクル材を使用していきます。現在のペットボトルのリサイクル材の使用率は約17%なのですが、これを90%にするのが、2030年までの目標です。そして残りの10%に関しても、植物由来の原料を使用して、新たな石油を一切使わずにペットボトルを製造していきたいと思っています。

西田 なるほど、その分石油の量を減らせるんだ! 今ある石油だけを繰り返し使う、まさに「循環」ですね。

「家の中だけ」で終わらせないで!

西田 コカ・コーラ側の取り組みについては教えてもらったけど、それって消費者側の協力もないと成り立たないですよね。僕たちがこれから気をつけないといけないことってなんでしょうか。

柴田 ぜひお願いしたいのは、ご家庭で気をつけていることを、ご家庭以外でもやっていただくということです。家ではキャップを外してラベルを取って、中身を洗って分別して捨てている方が多いと思うのですが、外でもそれをしている人ってあまりいらっしゃらなくて……。

西田 それ、耳が痛いなあ(笑)。家だとやるのに、外に出ると忘れちゃいますもんね。キャップとラベルって外したほうがいいんですか?

柴田 はい。リサイクルする際に異物となってしまって、どうしても質が落ちてしまうんです。ペットボトル用のゴミ箱にまとめて捨ててもらって構わないので、ぜひ街中でもキャップとラベルを外していただけるとありがたいです。それと、自販機の脇に置いてあるペットボトル用のゴミ箱があるじゃないですか。調査によると、その中身の約4割は、容器ではなく一般のゴミが捨てられているんです。

西田 たしかに、犬の散歩をしている時にゴミ箱を見かけるんですけど、たいてい「頼むからペットボトル以外は入れないでくれ」って書いてある。

柴田 他のゴミがあると、工場で手作業で分別しないといけなくなるんです。ですので、ペットボトル以外のゴミを捨てないことにもご協力いただけると助かります。

西田 たしかに、僕も身に覚えがないって言ったらうそになるなあ。家では環境に気を使っている人も、外に出ると大衆の一員になっちゃって、自分一人くらいやらなくてもわからないだろうって思っちゃうんですよね。これからは気を引き締めて、外でもキャップとラベルを外そうと思います!

柴田 ぜひお願いします!

編集・執筆:今井雄紀(株式会社ツドイ)