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脳梗塞を再発させない!最新治療が保険適用に

森本毅郎 スタンバイ!

脳の血管がつまる「脳梗塞」、年間およそ18万人が発症し、およそ6万人がこの脳梗塞で亡くなられているんですが、実はこの脳梗塞、再発率も高いという病気。ところが、近年、その再発を防ぐ治療が登場し、2か月前に保険適用になりました。今回は、東海大学医学部循環器内科の伊刈裕二教授と、岐阜大学大学院脳神経外科の岩間亨教授に伺ってきたので、2月3日(月)松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、脳梗塞の再発を防ぐ治療について紹介しました。

★再発率の高い脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管がつまる病気で、厚生労働省によると、2017年は、およそ6万2000人の方が脳梗塞で亡くなっています。そしてこの中には、脳梗塞の再発によって亡くなるった方も少なくありません。というのも、実は、この脳梗塞、再発率が高いことで知られています。

脳梗塞を早めに発見して治療をすると、血栓がなくなるので症状が緩和されたり改善されるので、命の危険はなくなります。ただこれで完治したと思っても、およそ20%~30%は3年以内に再発するというデータもあり、しかも、脳梗塞は再発をするたびに重度の症状が起こります。

その結果、最初は早期発見で軽度の症状で治ったとしても、もう一度起きた時にはそれよりもひどい症状になってしまう、最悪、命を落としてしまうこともあります。

★再発を誘因する心臓の穴

では、なぜ再発するのか?これまではよく分からなかったんですがそれが最近分かってきました。 脳梗塞の原因のうち、ある特徴がある方が再発しやすいんです。それは、心臓に穴があるケースです。

多くの脳梗塞は、動脈硬化や心房細動などが原因ですが、もう1つ、生まれつき心臓に穴が開いているという病気で発症するケースがあります。

心臓には心房と心室が左右2つずつあって、それぞれ壁で仕切られているため、通常は4つの部屋に分かれています。ただ、生まれる前は、右の心房=右心房と左の心房=左心房の間の壁に、穴が開いています。この穴は、通常、生まれてから数週間から数か月以内に自然に閉じますが、実は、成人の3~4人に1人は、この穴が完全に閉じていないで、うっすら幕が張っているていどになっているんです。

★心臓の穴と脳梗塞の関係

ただ多くの場合、穴が完全に閉じず、膜になっているだけでは、具合が悪くなるなどの症状が現れることはありません。そのためすぐに治療する必要はありません。

しかし、トイレで強烈に力んだりすると、30代くらいの若い人でこの膜が開くのです。その時に静脈から血栓が入ってきていると、血栓が右心房から穴を通って左心房に入ってしまう。その血栓が心臓から大動脈を通って、そして、脳に到達してしまい脳梗塞を起こすことがある、ということがわかってきたんです。

これまで、動脈硬化や心房細動などといった病気を持っていなかった人が脳梗塞になると、原因不明ということで、なかなか再発を防ぐ手立てがありませんでした。ただ、動脈硬化、心房細動など脳梗塞の原因となる病気がない場合、この心臓の穴が脳梗塞の原因である可能性が高くなります。そのため、この穴が原因で脳梗塞を起こした方は、再発しないためにこの穴を塞ぐ治療を行わないといけません。

★脳梗塞の再発防ぐ治療とは

右心房と左心房の壁に穴が開いている場合、治療の選択肢の1つとなるのが、カテーテルを使ってこの穴を閉じる治療です。どうやって閉じるかというと、この穴に網状の傘のような形をした器具をはめ込んで塞ぎます。

具体的には、まず、治療が始まる前に、鎮静剤と局所麻酔が行われます。その後、右脚の付け根の血管からカテーテルを挿入して右心房へ運びます。ここで穴から左心房に入り、左心房側と右心房側の両方に網状の傘のような形の器具を設置して閉じます。1か月もすると自分の細胞内皮で穴が閉鎖される、という仕組みです。

治療は通常、右脚の付け根の皮膚を少しだけ切開して行うので、切開部分が小さく済むので、患者さんの負担も少なく、また治療にかかる時間も多くの場合1~2時間程度です。

★効果は?

カテーテル治療の有効性ですが、467例の患者さんでチェックしたところ、成功は463例=つまり成功率は99・1%だったということなんです。さらに、重大な合併症もありませんでした。このため、去年12月に保険適応になりました。

★費用は?

費用ですが、ある病院では検査費・治療費、3、4日の入院費なども含めて、およそ170万円。ただ、これが今は保険適用になっているので3割負担51万円となります。さらに保険適用なので高額療養費制度の対象になるので、例えば収入が370万円から770万円の方はおよそ10万円。収入が370万円以下の方は、およそ5万8千円で済みます。

この治療が受けられるのは東海大学病院、慶応大学病院、国立循環器病センターなど36の施設。

原因不明の半分くらいといわれていますので、およそ1万2千人が対象になります。これまで治療がなかっただけに、2次性脳梗塞を心配して、不安な日々を過ごすことがなくなる。原因不明の脳梗塞を経験した方は、この可能性もあるため、しっかり調べてもらうといい。

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200203080130

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