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25年前の震災を機に生まれたNPOが運営する 神戸市長田区の「ふたば国際プラザ」

人権TODAY

1月17日で、阪神淡路大震災からちょうど25年。その翌日、18日に、震災で大きな被害を受けた、神戸市長田区、新長田駅南側の地域にある市の「ふたば国際プラザ」に取材に行きました。

神戸市長田区二葉町。ふたば国際プラザの入っている「ふたば学舎」

「ふたば国際プラザ」は、定住外国人の支援や国際交流の拠点として2019年6月にオープンしました。震災をきっかけに生まれたNPO「神戸定住外国人支援センター」=KFCが実務を委託されています。プラザのある長田区や隣の兵庫区は朝鮮半島にルーツのある人が昔から多く住んでいる地域ですが、現在はベトナム人が急増していて、長田区では、国籍別で2番目に多いんです。

1月18日は「相互理解講座」として、「世界の子育て~ベトナムから日本に来て~」というタイトルで、2人のベトナム人女性が子育てについて話す講座が開かれました。例えば、ベトナムでは女の子が生まれるとすぐに病院でピアスを開ける習慣があり、赤ちゃんはそれで男女の見分けがつくそうです。ただ、ベトナムで育った子供が、日本のピアス禁止の学校に通うようになり、つけていても、すぐに怒らず、丁寧に説明してほしい、という話が出ていました。子供が身につけている文化や習慣を知って対応してほしいということです。

また、二人とも子供の「しつけ」については、ベトナムではしつけとして立たせたり、おしりをたたいたり、は普通です、と話します。ズオン・ゴック・ディエップさんは日本に来て約15年、中学生の二人の子供は日本生まれです。ディエップさんは「ベトナムでは子供は親の言うことを聞くのが、親孝行とされています」と話したうえで、自分の体験として「子供が私の言うことを聞いてくれない、と思っていたら、子供から『ママ、大人はいつでも正しいわけではないよ。間違っているところもあります』と言われました。よく考えてみて、反省しました」と話します。もう一人の、グエン・ティ・ハイ・イェンさんは日本に来て約6年、ベトナムで生まれた子供が二人、日本で生まれた子供が二人います。イェンさんは、ベトナムでは食べ物の好き嫌いについては子供に甘いとして、「日本に来たら、好き嫌いあかんと言われます。でも、ベトナムは違います。ほっとく。上の子は今、玉ねぎ食べないです。いま10何歳だけど、でも、まだ食べてないです」と話します。

日本とベトナム、子育ては色々違いますが、二人も微妙に考え方が違います。ベトナムでも北部か、南部か、町か農村か、育った場所でも違うし、ベトナムも日々変化しているので、いつ頃日本に来たか、子供がどちらで主に育っているか、などで違いが出てきます。後半、質問の時間に私が「自分の子供が大人になったら、どういう子育てをするでしょうか」と仮定形で質問をしたら、ディエップさんは「できるだけ、ベトナムと日本、いいところを生かせればいいかなと思ってます。ベトナム文化も知ってるし、日本の文化も知ってるので、誇りをもって生活してくれれば」と答えました。イェンさんは「例えば、私の子供への教え方も、昔のお母さんのやり方だけでなく、自分のやり方だけでもなくて、インターネットでも調べるんです。あと、子供の性格もみんないろいろです。同じではないから、いろいろ合わせて、教えます」と話していました。「子供が生活しやすい社会を作る」ヒントがいろいろと出た講座でした。

「ふたば国際プラザ」マネージャーで、KFCの大石貴之さんは「学校関係の方、それから日本語教育に関わっている方、それから、学生さんを含めて、申し込みの段階から多くの問い合わせをいただきまして、非常に関心の高さを感じました。ベトナムの方の話を聞く、というのは、当事者が参加をして、発信をする、それを多くの人が聴くということができるということで、とても、意義深いと思います」と話します。

「相互理解講座」は他にも、外国人が日本の茶道を体験するとか、近くにあるベトナムのお寺を実際に訪ねてみる、とか様々な形で開かれています。去年の夏は「世界のゆうれいと出会えるよ!」といううたい文句で「多文化お化け屋敷」を開きました。「お化け屋敷」は全て手作りで、脅かす材料は、日本語学習支援教室に来ている子供たちが作り、脅かす役は留学生が担当しました。盛況だったそうです。

去年の夏に開かれた「多文化おばけやしき」

「ふたば国際プラザ」では他にも、来日したばかりの外国人への「生活ガイダンス」や「日本語教室」、「日本語ボランティアの育成」、様々な講座や体験を市の事業やKFC独自の事業として行っています。子供から社会人、また中国からの帰国者交流会もあり、シニアの人まで、様々な人が集います。

大石さんは「地域の人たちにもイベントをする時など、様々にお世話になってます」と話し、新長田という地域について「昔からやっている料理屋さんや、お祭りのように昔から残っているものもあります。それから、市民団体の活動、KFCも含めてですけれども、色々な方々が、積極的に活動して、それぞれがつながっているので、何か課題を見つけて、一緒にやろうという、活気の源のようなものが、新長田にはあるのかな、と思います」と付け加えました。

「ふたば国際プラザ」がオープンして半年ちょっと、大石さんは、「いろんな人に気軽に来てもらい、人と情報が集う場所にしてゆきたい」と話してます。また、KFCではプラザとは別に、震災で大きな被害を受けた商店街の活性化のため「空き店舗」を使って、起業したい外国人に試しで一日レストランを開いてもらうなどの試みもやっています。新長田の特色を生かした街づくりがどうなるか、楽しみにしています。

 

ふたば国際プラザ https://social-b.net/fic/

NPO法人「神戸定住外国人支援センター」(KFC) https://www.social-b.net/kfc/