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驚異の超撥水で「白パンツ」も怖くない!

森本毅郎 スタンバイ!

レインコートも傘も必要ない、突然の雨でも水や汚れをはじく超撥水素材について、1月29日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。


まずは洋服。アパレルブランドの「リロア」の、川端基幹さんのお話です。

★雨をはじいて傘いらず!濡れないパーカー誕生

アパレルブランド「リロア」 川端基幹さん
普段着の普通のパーカーが、水をかけると驚異的にはじくという驚きのある商品。雨が降ると分かっていると傘持つと思うんですけど、うちの商品を着ていれば大丈夫。撥水は昔からある機能ではあるが、アウトドアブランドとかで、ナイロンやポリエステルの合繊に撥水を乗せたものが多かった。そうではなく、通常水を吸い込むコットン素材に対して弾く機能を加えているので、そこを差別化した。
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「リロア」の超防水パーカー(6,990円+税)

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デザインも凝っています。サイドのジップで着こなしを変えてみたり…

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フードは、一般的なものよりちょっと深め。これも川端さんのこだわりポイント

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そして、コットン100%なのに超撥水!水が玉になって滑ります

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「リロア」が開発したもう一つの商品、超撥水のデニム。こちらもバッチリ水をはじいています(9,490円+税)

普通、布に撥水溶剤をコーティングするとビニールっぽくなってしまい、ふわふわの風合いが崩れてしまうそうなんです。なので、綿=コットン素材に合成繊維レベルの撥水効果を持たせるのは難しかったそうなんですが、川端さんは、今回それを可能にする撥水溶剤と出会い、それを布に定着させる技術を生み出しました。

扱っているのは、パーカーと、Tシャツとデニムの3種類。

どんな技術を使っているのかは企業秘密ということでしたが、使っている溶剤は、イタリアの高級車のオープンカーの幌(ほろ)に使われている撥水溶剤をベースに加工したものだそうです。元々は車の屋根に使われていたほどなので、撥水効果は折り紙つき。

★白いズボンにテフロン加工!コットンの風合いの防水ズボン

そして、続いては、絶対に汚したくない“アレ”の撥水技術です。「ファクトリエ」の代表、山田敏夫さんのお話です。

「ファクトリエ」代表 山田敏夫さん
汚れない白いコットンパンツ。醤油・コーヒー・ワインなど、付いて嫌な水溶性のものは全てはじく。元々は僕がよくこぼす、ラーメンとか。シミなんて1ミリ位なのに、そこだけが汚い。それをどうにかしたいと思っていた時、テフロン素材のフライパンがよく弾くことに着目し、これを洋服に使えないかと考えたのが最初。夏のシーズンは在庫が足りず、何ヶ月か待っていただく状況。これだけ欲しかったんだな、男性も女性も求めていたんだなと思っている。
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メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド「ファクトリエ」が開発した白パンツ(12,000円+税)

森本毅郎スタンバイ!

風合いはそのままに、水や汚れをはじく。デニムの聖地である岡山県・児島の工場で、一つ一つ手作業で作られています。はき心地の良さに惚れ込むお客さんも多いらしい

水や汚れをしっかりはじく、けれどもコットンの柔らかい風合いはそのままという、白いジーンズです。しかも、100回洗濯してもほぼ変わらないそうで、撥水性は半永久的に保たれます。

参考にしたのは、フライパンのテフロン。そもそもテフロンはフッ素樹脂のことで、表面を樹脂でコーティングすることでツルツルに。でも、それだと使っているうちに剥がれてくるので、ジーパンは、一旦テフロンの溶剤に漬け込んで、熱を加えるんだそう。すると、糸の一本一本にしっかりと染み込んで、布の網目の間も塞ぐことなく隙間ができて、通気性も失われない。

さらに、ジーパンで有名な岡山の児島という地域で作られているため、デザインにも拘りがあるそうです。

★ハリセンボンのトゲトゲをヒントにした撥水素材

フライパンに、オープンカー…。色々なものを応用した撥水技術をご紹介しましたが、そんな中、これまでにない新しい撥水素材が、去年の9月に誕生していました。開発した、国立研究開発法人・物質材料研究機構の内藤昌信さんに伺いました。

国立研究開発法人・物質材料研究機構 内藤昌信さん
今回開発したのは、ハリセンボンのトゲトゲに着想した新しいタイプの撥水材料。ハリセンボンの針自身は水を弾かないが、撥水の構造に凹凸構造を使うことがある。今までは同じような発想で、ハスの葉っぱを真似した撥水材料はあったが、擦ると非常に弱かった。今回は、ハリセンボンの針のように非常に硬い材料で、曲げたり引っ掻いても、撥水性を維持できるのが特徴。塗料とかスプレーのように、色んな所に塗って撥水性を出せるのが特徴。
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ハリセンボンのトゲ(鱗が変化したものだそうです)

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ハリセンボンの骨格構造(左)と今回開発した材料表面の電子顕微鏡像(右):国立研究開発法人プレスリリースより

ハリセンボンのトゲトゲの一本一本は、実はよく見ると、四方向に突き出た立体的な形をしているんです(テトラポットの形に似ていると言われています)。その構造をお手本にして、内藤さんたちはナノサイズの小さなトゲトゲを作り出し、それを樹脂の中に大量且つ高密度に混ぜ込んで、スプレーで吹き付けたり塗り込むことで、抜群に水をはじいてくれます。

ちなみに、これまで自然界に存在するもので注目されてきた撥水効果と言えば、ハスの葉。例えばヨーグルトの蓋。以前このコーナーでも取り上げましたが、ハスの葉の表面には細かい凸凹があるんです。それを真似したのがヨーグルトの蓋で、蓋の裏側に細かい凸凹を付けることで、べちゃっとつくのを防いでいます。

ただし、このハスの葉の撥水は、使っていくうちに表面のザラザラが壊れてしまうという欠点があったそう。そこで出てきたのが、今回の「ハリセンボン風」撥水。トゲトゲが無数に敷き詰まってるので、トゲが壊れても曲がっても、新しいトゲが飛び出してくる。そのため切っても曲げても効果が失われない、とても強い撥水素材になったんです。

★ハリセンボンがテクノロジーを支える?!

現在、この素材を実際に使いたいと、様々な分野からオファーが来ているそうですが、ではこの「ハリセンボン風」撥水、将来的にどんなものに活用していけるのか。内藤さんに聞いてみました。

国立研究開発法人・物質材料研究機構 内藤昌信さん
この材料を船の塗料に使いたい。超撥水の材料を水に漬けると、表面に空気の皮膜が出来る。それによって水の抵抗を下げられるので、船の燃費が上がる。そうすると船から出ている二酸化炭素の量を減せる。あとは、新しい通信帯の「5G」のアンテナは、水がつくと電波が減衰してしまうので、そういうところでも新しい使い方として注目されている。開発者としては実用化に近いところで色んな研究ができるようになったという楽しみが増えた。

船底に塗ると、船の燃費が良くなるんじゃないか、という構想は、2年後の実用化に向けていま実験を繰り返し行っているところだそうです。

また、「5G」についても話がありましたが、水に弱い「5G」のアンテナを守る素材として、この「ハリセンボン風」撥水が期待されているそうです。

もしかすると、最先端のテクノロジーを、ハリセンボンが支えることになるかもしれません。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!