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ふるさと納税を「返礼品ありき」から「目的型」へ。『ガバメントクラウドファンディング』

森本毅郎 スタンバイ!

茨城県筑西市で、ふるさと納税の返礼品のおせちの製造がお正月までに間に合わず、結局おせちの製造を請け負った業者が破産するというニュースがありました。そのおせちは例年と比べて4~5倍、2000件以上の申し込みがあったそうです。

このようにタダ同然で地域の特産品を手に入れるためふるさと納税をする人も多いと思いますが、そうではない「目的型」のふるさと納税『ガバメントクラウドファンディング』が広がりを見せています。1月16日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

★「使い道」に特化したふるさと納税

『ガバメントクラウドファンディング』とはどういうものか、株式会社トラストバンクの浪越達夫さんのお話です。

株式会社トラストバンクの浪越達夫さん
ふるさと納税は一般的にお礼の品を楽しむというイメージが強いかと思うんですけど、必ず寄付する時には「使い道」を選ぶんですね。その「使い道」に特化したものが「ガバメントクラウドファンディング」です。ホームページを見ると、子供とか動物とか災害とか地域の課題を解決するための取り組みが一覧でわっと並んでます。そうした取り組みに共感して寄付をする、もちろん、ふるさと納税の寄付に対する控除の部分は変わりません。去年は240をこえるプロジェクトが立ち上がり、ここ2~3年で急激に自治体の参加の意向が高まり、実際に多くのプロジェクトがオープンしているという形になります。

ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング

去年、この「ガバメントクラウドファンディング」で一番の寄付を集めたのは沖縄県那覇市。全焼してしまった首里城の再建支援で、9億円以上の寄付が集まっています。返礼品はありませんが税金の控除は受けられるということもあり5万人が寄付をしています。今一般的に広まっているふるさと納税も、特産品を選ぶと同時に「福祉の充実」「環境保全」など使い道を選ぶ仕組みになっていますが、その使い道の方を前面に押し出しているのが「ガバメントクラウドファンディング」です。

★品川区の流出額は23億円!?

「ガバメントクラウドファンディング」の特徴として、去年の寄付金額トップ10のうち4つが東京都の自治体の取り組みとなっています。プロジェクト立ち上げ数としても東京都が47都道府県中1位。その背景には、ふるさと納税の影響で都市部から地方に税金が流出しているという問題もあります。品川区 子ども家庭支援課長 三ツ橋悦子さんのお話です。

品川区 子ども家庭支援課長 三ツ橋悦子さんのおさん
子ども食堂に行かれない子供達に対しても食の支援をしていきたいと思い、「子ども食堂の支援と幸せ食卓事業」というものを考えました。300万円が目標額で、達成額は557万33073円。実際に品川区でも多くの金額が流出している。大体23億円は流出している。今回のようにガバメントクラウドファンディングでできない場合には税金は限りがあるので、そういうものを貢献することができなくなってしまう可能性があるということはあります。

ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング

返礼品目的のふるさと納税では、都市部に住んでいる人が地方の特産品目当てに地方に税金を納めることで、都市部の税収が数十億円単位で減って、本来税金を使ってやる政策もできなくなりそうなほど困っています。そこで品川区も含めた東京都内の自治体では、返礼品を豪華にして地方と競うのではなく、その政策を前面に打ち出して、税収と地方から取り戻す「ガバメントクラウドファンディング」の活用が増えているんです。

★世田谷区にふるさと納税を!「ふるセタ」キャンペーン

品川区の倍以上、54億円の税金が流出しているのが世田谷区。都内1位、全国でも2位の流出額。その世田谷区ではガバメントクラウドファンディングと並行して新たな施策を打ち出しています。

世田谷区ふるさと納税対策 担当課長 中西成之さん
今年度から本格的に広報キャンペーンを打つようにしました。「ふるさと納税は世田谷に」略して「ふるセタ」キャンペーン。税源流出の実態を知らない区民も多い。世田谷区に寄付できることをご存じない区民も多いので、そういった基本的なことをお伝えしながら、結果ふるさと納税で税源が流出することが区民の方に対する行政サービスが低下することにもなるということを中々心苦しいけど伝えるキャンペーンをやってます。

もし54億円あれば、園庭付きの保育園が18個作れる、学校1個建て替えてもお釣りが来る、道路の維持管理費年間40億を上回るなど例を挙げて、今はまだ何とかなっているけど将来例えばこれくらいの規模の行政サービスを見送らざるを得なくなってくる可能性がありますよ、ということをパンフレットや折り込みチラシなどで伝え、まずは世田谷区民が世田谷区に、目的型ふるさと納税のガバメントクラウドファンディングでふるさと納税してほしいと呼び掛けています。

★流出額54億円の補填に向けて、現状は…

中西さんによると、ガバメントクラウドファンディングを含めたふるさと納税流出対策が、現状ではなかなか苦戦しているようなんです。

世田谷区ふるさと納税対策 担当課長 中西成之さん
今年度の取り組みでまだ1億円弱ぐらいしか集まっていないです。今年全部で6つほどプロジェクトをやったんですがまだ達成率が10%にも満たないような取り組みもあって、正直厳しいと感じています。なので引き続き、制度の問題点を国に対しても訴えていくことだとか、区民の皆さんにも現状を知って頂いて改めて立ち止まって考えて頂くことも並行して進めなければいけないと思っています。

世田谷区では今年度立ち上げたプロジェクト6つのうち満額達成したのは1つだけ。流出額54億円の補填にはほど遠い現状です。ふるさと納税制度そのものの見直しも今後必要になってくるかもしれません。