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「新年の穏やかな時間のなかで聴きたいブラジリアンミュージック~2019年ベストセレクション編」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム(2020/01/10)

「新年の穏やかな時間のなかで聴きたいブラジリアンミュージック~2019年ベストセレクション編」

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りいたします! 「新年の穏やかな時間のなかで聴きたいブラジリアンミュージック~2019年ベストセレクション編」。

【ジェーン・スー】
ああ、去年のベストなんだ!

【高橋芳朗】
はい。去年は新年一発目に同じテーマを「シンガーソングライター編」としてお届けしましたが、今年は題して「2019年ベストセレクション編」。去年のブラジル関連作品からわたくしのお気に入りを紹介したいと思います。前半がブラジル国外のアーティスト、後半が現地ブラジルのアーティスト、それぞれ2曲ずつで計4曲。明日からまた三連休でのんびりできる方も多いと思うので、ぜひその際のBGMとして活用していただきたく。

【ジェーン・スー】
世は三連休だもんね。

【高橋芳朗】
うん。まだ正月ボケが抜けきらない僕みたいな人にもちょうどいい湯加減の音楽だと思います。

【ジェーン・スー】
私たちもいま胸が痛いです。

【高橋芳朗】
ではさっそく始めましょうか。まずはブラジル国外のアーティストから。カーウィン・エリス&リオ・デゾイト(Carwyn Ellis & Rio 18)。この人はウェールズ出身なんですよ。

【ジェーン・スー】
ええーっ!?

【高橋芳朗】
この曲はタイトルもウェールズ語なんだけど……「Tywydd Hufen Iâ」。

【ジェーン・スー】
なんていう意味なんですか?

【高橋芳朗】
英語に訳すと「Ice Cream Weather」。「アイスクリーム日和」だとか「アイスクリームを食べるのにぴったりの天気」みたいな、そういう意味ですね。これは去年6月にリリースされたアルバム『Joia!』の収録曲。カーウィン・エリスはマルチプレイヤーで、日本のくるりやプリテンダーズのサポートメンバーを務めたこともあるミュージシャンです。

彼はそのプリテンダーズと南米ツアーに行ったとき、プリテンダーズのリーダーのクリッシー・ハインドに自分のブラジル音楽に対する情熱を指摘されたみたいで。それがきっかけで母国のウェールズ語によるブラジル音楽のアルバムを作ろうと決意したそうです。プロデュースを務めるのは現行ブラジル音楽の人気プロデューサー、アレクサンドル・カシン。曲調としてはゆるいまったりしたサンバで最高のリラクシングミュージックになると思います。

M1 Tywydd Hufen Iâ / Carwyn Ellis & Rio 18

【ジェーン・スー】
パッと聴きだと何語だかわからなくておもしろい!

【高橋芳朗】
堀井さんがノリノリでしたね。

【堀井美香】
ずっとカモメの気分で聴いてました。

【ジェーン・スー】
「かもめの玉子」を食べてるからだよ(笑)。

【堀井美香】
フフフフ、大船渡の海を飛んでいるカモメ(笑)。

【高橋芳朗】
ブラジル国外のアーティスト、2曲目はゲイリー・コーベンの「Donateando (Happiness) 」。これは11月21日にリリースされたアルバム『Gods in Brasil』の収録曲です。この人もイングランド出身のミュージシャンですね。

【ジェーン・スー】
ふーん。やっぱり寒いところの人は憧れるのかな?

【高橋芳朗】
そういうのもあるのかもしれないね。ゲイリー・コーベンは有名なブラジル音楽の再発レーベル「Whatmusic」の創設者。90年代にブラジルに住んでいたこともあるみたいです。いまはポルトガルに住んでいるのかな?

このアルバムはブラジルに住んでいたころにルームシェアしていたアレクサンドル・カシンのプロデュースのもとで作り上げたもの。アレクサンドル・カシンはさっきのカーウィン・エリスのアルバムのプロデューサーでもあります。

これがもうめちゃくちゃおしゃれなアルバムなんですけど、これから聴いてもらう曲はそのなかでもベストにくるんじゃないかと。タイトルや曲調から考えると、おそらくこれはブラジル音楽の重鎮ジョアン・ドナート(João Donato)のオマージュなんだと思います。

M2 Donateando (Happiness) / Gary Corben

【高橋芳朗】
3曲目、ここからは現地ブラジルのアーティストの作品です。まずはオ・テルノの「Volta e meia」。去年4月にリリースされたアルバム『<atras/alem>』の収録曲です。オ・テルノはサンパウロ出身の3人組バンド。この曲ではゲストにアメリカのシンガーソングライターのデヴェンドラ・バンハート、そして日本から坂本慎太郎さんがボーカルで参加しています。

【ジェーン・スー】
へー! 坂本さん、いま海外ですごいんだよね。

【高橋芳朗】
そうなんですよ。2017年にドイツで開催されたフェスを通じて交流がスタートしたんですって。これはストリングスがとても美しい幻想的な曲なんですけど、ちょっとエキゾチックというか、端的に言うとめちゃくちゃ細野晴臣さんっぽい。『トロピカルダンディー』あたりに入っていても違和感なさそうな曲です。

M3 Volta e meia feat. 坂本慎太郎, Devendra Banhart / O Terno

【高橋芳朗】
不思議な魅力の曲でしょ?

【堀井美香】
うんうん。

【ジェーン・スー】
変な夢を見て目が覚めたみたいな……。

【堀井美香】
(坂本慎太郎さんのモノマネで)「どこまでも追いかけてくるあのときの自分……」。

【高橋芳朗】
うまい! いきなり似てるな(笑)。これがホント病みつきになるんですよ。

【ジェーン・スー】
不思議だね。癖になる感じ、あります。

【堀井美香】
なんだろう、もう一回聴きたい(笑)。

【高橋芳朗】
そう、なんかリピートしたくなるっていうね。

【ジェーン・スー】
これを聴いていたら一日が終わっていたみたいなね(笑)。

【堀井美香】
あるよね。10歳、歳を取っていたみたいな(笑)。

【高橋芳朗】
最後の曲もちょっと中毒性があります。引き続き現地ブラジルのアーティストの作品、アナ・フランゴ・エレトリコの「Caspa」です。これは去年9月に出たアルバム『Little Electric Chicken Heart』の収録曲。

この方はリオデジャネイロ出身の女性シンガーソングライター。ブラジルのメディアではビョークやオノ・ヨーコさんと比較されてるみたいで。たしかに彼女たちに通じるシュールさやアヴァンギャルドさ、イノセンスもあるんですけど、一度聴くとずっと頭の奥で鳴り続けているような中毒性があるんですよ。

【堀井美香】
またですか?(笑)

【ジェーン・スー】
我々をどうしたいんですか?(笑)

M4 Caspa / Ana Frango Elétrico

【ジェーン・スー】
あんた、なにを持ってきているんだ?(笑)

【堀井美香】
なんか「ボケてていいんだ、一生ボケててもいい」って思えてくる(笑)。

【高橋芳朗】
フフフフ、もうアルバム通して最高なのでぜひ。

【ジェーン・スー】
メモしました。オ・テルノとアナ・フランゴ・エレトリコはメモしたよ。でも電車に乗ってるときには聴かないようにしよう。なんか乗り過ごしちゃいそう……。

【高橋芳朗】
ぼんやり聴いてたらどこか知らない土地に着いてるかもしれないね(笑)。

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

1月6日(月)

(11:03) Work to Do / Average White Band
(11:21) Business As Usual / Orleans
(11:34) City Music / Jorge Calderon
(12:14) Camellia / Daryl Hall & John Oates
(12:23) Feel Your Groove / Ben Sidran
(12:49) さみしさのゆくえ / 荒井由実

1月7日(火)

(11:09) Walk Out to Winter / Aztec Camera
(11:39) Lullaby No. 2 / Friends Again
(12:14) In the Country / The Farmer’s Boys
(12:24) You’ll Never Never Know / Dislocation Dance
(12:49) スキニー・ボーイ / 杉真理

1月8日(水)

(11:09) Hazy Shade of Winter 〜冬の散歩道〜 / Bangles
(11:27) Boy Blue / Cyndi Lauper
(11:37) Tonight She Comes / The Cars
(12:08) Kiss the Dirt / INXS
(12:22) Voices Carry / ‘Til Tuesday
(12:50) 冷たくされても / 岡村靖幸

1月9日(木)

(11:06) I Am a Rock / Simon & Garfunkel
(11:25) Straight Shooter / The Mama’s and The Papa’s
(11:35) Have You Seen Her Face / The Byrds
(12:18) The Kind of Girl I Could Love / The Monkees
(12:52) For What It’s Worth / Buffalo Springfield