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からあげクン、宇宙に行く。33年間で269種類を売り出したからあげクンの新しい味は無重力仕様!?

見事なお仕事

企業の“見事な”取り組みや新情報をお届けする番組『見事なお仕事』。ポップカルチャーの総合誌「BRUTUS」の編集長でカルチャーに精通する西田善太さんならではの視点で、企業の“見事なお仕事”の内容と秘訣を、インタビュー形式で伺っていきます。

11月17日(日)放送のゲストは、株式会社ローソンの柴﨑誠さん。Lチキやチーズドッグのような、ホットスナックの新商品や製法を企画開発するのがお仕事です。さて今回は、西田さんも大好きなあのからあげクンが、なんと宇宙へ行く!? 33年愛され続けている、からあげクンの新たな挑戦です。

33歳ですが、からあげ「クン」です

西田 からあげクンは、なんで「クン」なんですかね。

柴﨑 そこからきますか(笑)実は、からあげクンの生みの親であるメーカーさんが、元々そう名前をつけてらっしゃったんです。私たちはそれをそのまま受け継いでおります。

西田 なるほど、ずっと気になっていたんです。からあげクンって発売して何年経つんですか?

柴﨑 1986年4月15日に発売して、今年で33周年です。

西田 そんなにも長い間! いつも新しい味が並んでいますが、これまでいくつくらい種類が出ているんでしょう。

柴﨑 常時、6種類程度を販売していまして、これまでに269種類出させていただきました。12月には、いよいよ累計33億食を達成できそうです。

西田 33億食。ぼくも夜遅くまで働いて帰りにローソン寄ると、からあげクン、買っちゃうんですよね。「レッド」がもう、たまらなくて、いつも家に着く前に食べ終わっちゃうんです。

柴﨑 ありがとうございます。

西田 一番人気の味はなんですか?

柴﨑 やはり、発売当初からある「レギュラー」ですね。

西田 おひとつ、たしか200円……?

柴﨑 はい、30年間、変わらず税抜き200円です。

西田 ずっと価格をキープしているんですねえ。すばらしい。

からあげクン 宇宙に行く

西田 さて、そんなからあげクンが全国のローソンだけじゃなくて、宇宙に行くかもっていう噂を聞きつけたんです。そもそも宇宙なんて、どこから始まった話なんですか?

柴﨑 私が担当する前の話なんですが、宇宙飛行士さんの講演会に弊社の担当が参加したのがきっかけです。そこで、宇宙で食べられるものはどうしても限られてくるから「宇宙でも肉を食べたい」という声を伺って。

西田 それでからあげクンを宇宙食にして食べてもらおうと。でも、その思いつき、持ち帰って会議で話したら笑われちゃいませんか。なぜ受け入れられたんでしょう?

柴﨑 プロジェクト発足時につけた「スペースからあげクン」って名前が思いのほか社内でもうけて、おもしろがって応援してもらえたのかと。

西田 でも実際、認証基準などの問題がありますよね。

柴﨑 はい、非常に厳しいです……。

西田 認可までどれくらい時間がかかったんですか?

柴﨑 2年近くかかりました。貨物の重量が限られているのと、長期保存に耐えられるようにフリーズドライにするんですが、からあげクンをそのままフリーズドライにすると、噛んだときに粉末が飛び散って機器に悪さするっていう問題があって。

西田 それは、宇宙だと命に関わる問題ですね。

柴﨑 はい。それでもなんとか実現しようと、サイズなどの調整を数十回おこなって、ようやくJAXAからPre宇宙日本食認証いただきました。

「スペースからあげクン」その味は?

西田 完成した「スペースからあげクン」はどんな形状なんでしょう。

柴﨑 真空パックに小粒のからあげクンがキュッと詰まっていて、水で戻さずそのまま食べていただけます。

西田 味はどうですか?

柴﨑 もう、からあげクンです(笑)。からあげクンが凝縮されたような感じですね。揚げたてに比べるとやはり劣るところもありますが、おいしさは十分に保てていると自負しております。

西田 いいですねえ。からあげクンが宇宙に行って帰ってきたら、もうクン付けじゃダメですよね。からあげサンって呼ばなきゃ。

柴﨑 (笑)。

西田 いつか食べてみたいです。だって、保存食としても使えるんでしょう?

柴﨑 今開発されているものが11ヶ月保存可能で、今後18ヶ月を目指しています。

西田 緊急時のための「防災からあげクン」もいいかもしれない。この宇宙食への技術は、きっと今後もなにかの形で活かされるんでしょうね。

柴﨑 それも今、研究中でして。これまで宇宙にからあげクンを連れて行くために頑張ってきましたが、今後ほかの商品に応用することも考えています。

社内で止められた「レッド10倍味」

西田 柴崎さんの肩書きを見ると、中食商品本部とあります。中食ってことは、お弁当やパンじゃなくて、さっと食べられるおやつとかおつまみを企画開発しているんですか?

柴﨑 そうですね、ぼくはからあげクンやLチキなど、主にホットスナックを担当しています。流行も取り入れつつ、いろんな味や新しい製法を毎日実食しながら考えていきます。

西田 これまで担当した中で印象に残っている味はなんですか?

柴﨑 個人的には、今年出した超(スーパー)からあげクンシリーズの「レッド10倍味」ですね。定番のからあげクン「レッド」を、文字通り10倍の辛さにしたものなんですが、正直辛すぎて、いろんな人に止められました(笑)。「本当に出すの!?」と。

西田  発売して、評判は?

柴﨑 意外といい反応をいただいたんです。

西田  まああらかじめ10倍って言われたら、覚悟して食べますもんね(笑)。「レッド5倍」くらいだったら、怖くないのに。

柴﨑 5倍は、去年に出してるんですよ。

西田 あ、そうなんですね。本当に飽くなき探求をしているんですねえ。

すべてはからあげクンのため。諦めない柴﨑さん

西田  人が思わず手に取ってしまうような魅力的な商品を作らなきゃいけない柴崎さんが、いつも考えていることってありますか?

柴﨑 ぼくは「決められている」ことがすごく嫌いで、「からあげはこういう味だから」「うちの工場はこういう作り方しかできないから」って話にめげないことです。お客さまがなにを求めてて、どんなものを作りたいか。そればかりいつも考えているので、ぼくはメーカーさんからしたらけっこう嫌な人だと思います(笑)。

西田 ほう、ときに嫌な顔をされながらも頑張って説得して。ただあげてるだけだと思ったら大間違いですね。おいしさの秘訣は、「諦めない」。

柴﨑 はい、諦めないです。

西田 からあげクンの陰に柴﨑あり!

柴﨑 よく見ていただくといろんな工夫を散りばめているので、ぜひ今度パッケージなども見てみてください。

西田 じゃあ、さっそく今日の帰り道に。きっとまたすぐ食べちゃうんですけれど、その前にじっくり見てみますね。

 

編集・執筆:今井雄紀(株式会社ツドイ)