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メトロポリタンオペラをこよなく愛して~佐藤真理子さん

コシノジュンコ MASACA

2019年12月8日(日)放送
佐藤真理子さん(part 2)
東京生まれ。早稲田大学卒業後、航空会社や出版社勤務を経て、2000年に株式会社インプレサリオを設立。コンサルティングを兼ねた企業プロモーション、イベントの企画・プロデュースを手掛けるかたわら、知的好奇心マガジン『ACT 4』の編集長としても活躍していらっしゃいます。

出水:佐藤さんはメトロポリタン歌劇場の元総支配人、ジョゼフ・ヴォルピーの自伝『史上最強のオペラ』の翻訳・監修も手掛けていらっしゃいますよね。1883年にオープンしたメトロポリタン歌劇場は、真理子さんから見るとどんな歌劇場なんでしょう?

佐藤:すごく頑張ってますね。大きな会場で4000人ぐらい入るんだけど、やっぱり経営していくのは大変だと思うの。

JK:毎回満員にするんだもんね~。

佐藤:満員になっているのはツーリスティックな意味も含めて、NYに来たらMETを見に行こう、っていう風になってるのもあるし、オペラを映像で撮って映画館でMETライブビューイングっていうので上映したり。そういうことをいろいろやってるのがエライですね。

JK:それと寄付っていう制度があるじゃないですか。アメリカのすごいところって、大きな寄付を出す個人スポンサーがいるってことよね。企業じゃなく。

佐藤:そうそう。個人のスポンサーで何千万って出す人が何層にもいて、万全なのよね。でも、やっぱり年取っていくし、大変だと思うの。

JK:そうよね、年取っていくからそこでプッツンってなるかもしれないしね。でも図書館の入り口の床に名前が書いてあって、「私の一生はこの図書館で過ごしてきたから、全財産を捧げます」って書いてあるの。

佐藤:すごいわよね。寄付の文化っていうのを感じるわよね。

JK:私はメトロポリタンミュージアムでファッションショーしてディナーしたことあるでしょ。その時、いくらぐらい支払えばいいですか、って聞いたら、あなたが決めればいいって言われたの。じゃあ・・・いくらでもいいの? と思ってパリと同額ぐらいを寄付したの。最後終わったら、NYタイムズに今年の寄付のランキングが全部出るのよ! 私は上から3番目ぐらいだった。

佐藤:すごーい!

JK:ジョン・レノンとかさ。ちゃんと出るのよ。世間がみんな知ってるわけ。何百ドルでも出るの。字の大きさで順番が決まってるんだけど。そういう制度って税金のこともあるけど、いいことよね。

佐藤:でもやっぱりそれを見ると、組織の中でケタ違いのお金持ちがいるっていうのもあるのよね。日本ってケタ違いのお金持ちもいるんだけど・・・

JK:いるんだけど、税金だとかなんだとかで・・・お金持ちほどケチだからね! お金持って死ねないんだから、もっとこういう文化的なものに使ってもらいたい!

佐藤:本当! だから私もNYに行くと、METのスポンサーに何人か会ったけど、みんなすごく余裕があるの。うちにいらっしゃい、って。

JK:音楽とか演劇とか、文化に関わるって余裕につながるじゃない?

佐藤:自分がかかわってるから他人事ではないのよね。

JK:先祖代々に伝わってるっていうのかな。自分だけ楽しむんじゃなくて、家系にもつながるんだから、マインドを変えなくちゃ! ケチケチしないでさ(^^)

出水:メトロポリタン歌劇場の元総支配人、ジョゼフ・ヴォルピーさんは、オペラ界では知らない人がいないくらいの人なんですよね。

佐藤:この方は大工さんとしてメトロポリタンに入ったの。舞台装置の担当で。そこから努力して、総支配人になったの。45年間ぐらい務めて・・・すごい人ですよ。彼がメトロポリタンを辞めることになって、最後にインタビューしたいって会いに行ったの。総支配人室でお目にかかって、私なんかよりすごい人なのに、「実は今度本を出すんだ」ってゲラを見せてくれたの。「これを日本で出してくれるところを探したいんだ」っておっしゃって。急いでるっておっしゃるから、「私、やれますけど」って言っちゃったの。でもね、それが1月か2月だったんだけど、5月のメトロポリタンオペラの来日公演に間に合わせたいっていうの!

JK:あらーっ! そんな何か月もない!

佐藤:「それでもやるか」って言われて、「やります」って言っちゃった(^^;)もう大変だった! ・・・で、やったのよ(笑)

JK:ブラボー! 人生賭けたね!

出水:ジョセフ・ヴォルピーさんはルチアーノ・パヴァロッティやプラシド・ドミンゴといったトップスターとも親交があったんですよね?

佐藤:ヴォルピーさんはいろんな人とお付き合いがあるでしょ? パヴァロッティの時は天然児。そのままぱぁ~っと歌うんですって!

JK:わかるわ~! 私もリハーサルを見たの、カラカラ浴場で。外だし、みんなお客さんは見たいから入ってくるんだけど、ハンカチをペラペラしてて、レインコートを着て、気~楽にしてたわ。ごっついんだけど。

佐藤:その正反対がプラシド・ドミンゴ。ぴしっとしてて、ちゃんと舞台に敬意を表してキスをするんですって。ありがとう、って。私はこの本を読んで、ドミンゴってすごいなと思ったの。ひとつひとつ、舞台に挨拶をして、ありがとうって声をかけて行って。真面目なのね。

JK:3/11の後も日本に来たんですよ。でもね、一緒に歌う相手が来なかったの。それでも一人でやった!

佐藤:私もすっごく覚えてる。地震の後でどうかなと思ったんだけど、ドミンゴさんが来て「ふるさと」を歌ったでしょ。

出水:伝説の歌姫、マリア・カラスもメトロポリタンオペラの常連でしたね。どんな方という印象を受けましたか?

佐藤:なんていうんでしょうね・・・すごく不思議な方ですね。存在感があるし・・・恋人がいたでしょう? オナシス。彼のことを本当に好きだったんだと思う。かわいそう。

JK:ジャクリーヌさんとの関係はどうだったの?

佐藤:オナシスとラブラブだったのに、オナシスは作戦を考えてて、ジャクリーヌ・ケネディと結婚しようってことになったの。それでジャクリーヌを自分のヨットに呼んだの。それでジャクリーヌが来る前までマリア・カラスと一緒にいたんだけど、「悪いけど出て行ってくれ」って。

JK:相当貧乏で育ったんでしょ? だからそういうことをずっと隠して、世界の富豪と付き合うっていうのはちょっと背伸び、っていうのかな。

佐藤:でもすっごく太ってたのよ。それがねぇ、やせていくの。虫を食べるのよ。寄生虫。30kgは痩せたんじゃない?

JK:真理子さんのマサカって?

佐藤:マサカねぇ。今思うと、やっぱり総支配人室でもう辞めるんだって話を聞いて、『史上最強のオペラ』を見せられた時に、「私、やれないことないと思う」って自分で言ったのがマサカだと思う。

JK:それかなあと思ってたの! やっぱり! いいものが残ったっていうのがすごいわよね。

出水:翻訳するってことは、その人の人生を追体験することでもあると思うんですが、その中で一番印象に残っているのはどんなことですか?

佐藤:この方の人生もすっごい人生よね。高校卒業しているかしてないかの人が、METの総支配人になるっていうのはアメリカンドリームだし。やればできると思うし。これはぜひ読んでいただきたいです! オペラをちょっとかじっている人にはぜひ読んでいただきたい!

=OA楽曲=

M1. 誰も寝てはならぬ / プラシド・ドミンゴ

M2. あなたこそ春 / キルステン・フラグスタート

「コシノジュンコ MASACA」
TBSラジオで、毎週日曜17:00-17:30放送中です。ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。