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老後のテーマは孤独力

生島ヒロシのおはよう定食|一直線

今週の「再春館製薬所 健康一直線」は、保坂サイコオンコロジークリニック・院長で、精神科医の保坂隆先生に、『老後のテーマは孤独力』と題して伺いました。

■精神腫瘍学について■
精神腫瘍科とは、心の研究をおこなう精神医学(サイコロジー)とがんの研究をする腫瘍学(オンコロジー)を組み合わせた言葉で、がん患者さんやその家族の心のケアを専門とした領域です。

■がんばりすぎない老後■
「老後はこれまで経験してこなかったことに挑戦してみましょう」というアドバイスをよく聞きます。大いに賛同しますが、その一方で、老後には「引き算」の考え方も必要だと考えます。何を引くのかというと、願望や欲望、相手に求めること、自分に課していること…など。これらを少しずつ引き下げていけば、たとえ衰えやできないことが増えても、人生の満足度は決して下がりません。

精神科医でエッセイストでもあった斎藤茂太さん(歌人の斎藤茂吉の長男/作家の北杜夫の兄)も、「人生腹八分目主義。望むことの80%もかなえばバンバンザイ。心や体の発信するメッセージに従い、行動するようにしていれば、心身のバランスは自然にほどよく取れる」と書き残しています。

■孤独力のススメ■
孤独には、「つらく、寂しいもの」という感覚と、「ワクワクする魅力あふれるもの」という感覚の二面性があります。母親に抱かれて「いっしょに」いる赤ん坊がやがて「ひとりで」食べようとするように、自己の行動範囲を広げていき、
少年期を迎えると「ひとりで」秘密を持ちます。

その一方で、他人との「いっしょに」という関係を家族から友人へと広げていきます。この、「ひとりで」と「いっしょに」の間を自由に行き来できていることこそが、「人間が安定している」状態なのではないでしょうか?それが、どちらかに行きっぱなしになると問題が起こります。

たとえば、「ひとりで」から「いっしょに」に戻れない状態のひとつが「ひきこもり」なのかもしれません。いつでも「いっしょに」に戻れる安心感がなければ、思いっきり孤独に浸ることができず、「いっしょに」の場所から離れられなくて人は疲弊してしまう。

私も50歳を過ぎて、部下との関係や家庭での役割に変化が生じ、孤独を強く感じました。57歳で職を辞して、かねてから憧れていた空海の思想に触れるため高野山大学の大学院で学ぶ中で、孤独が「つらく、寂しいもの」から「スリリングなもの」に変化したのです。

孤独には人の能力や物事を展開させる力があり、強い集中力を生み出す「ゾーン」と呼ばれる意識の領域をつくり出すことがあります。孤独になるとは、自分の極めたいことを探し当てること。好きなことを極めようと夢中になっている人は、
それ以外のことはみんな小さなことに見えてくるのです。